忍者ブログ
コブやモーグルについて思ったことをダラダラとつづっています。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



えーと、今回は「コブを教えることと、コブを教わること」について話してみたいと思います。

コブを滑っているかたであれば、一緒に滑っている人から滑り方を教わったり、また、上手なかたであれば他の人に教える機会があると思います。
また、スクールなどに入って、そこでコブの滑り方を教わることもあります。

こういった「教える」と「教わる」が、今回のトピックです。


たぶんこのトピックについては、スキーをしているかたは各々で思うところがあるのではないでしょうか。

ここではその答えを導き出してやろうというわけではなく、どこにでもいるような1人の一般スキーヤーがぼんやりと思っていることにすぎません。

きっと各々の見解は異なるので、これから書いていくことは、これを読んだすべての人が同意できることはなくて、それは仕方のないことです。

それに私自身、これについては強い信念やどうしても伝えたいという思いがあるわけでもありません。

頭の中にぼんやりと漂っている霧のようなものを、とりとめのない感じで文字にしてみようと思います。




◆初心者がコブを通して滑ることができるようになること
コブって、最初の入門段階のハードルが、かなり高い種目ですよね。

というのは、初心者がコブのラインから外れずに、ラインを通して滑ることができるようになるまでが、まずたいへんです。

最初のうちは、滑り始めて2~3コブですぐにラインからはじき出されてしまいます。
それでも、たくさん転びながら練習して、やっとのことでコブを通して滑ることができるようになります。

「ゆっくりだけど、コブのラインを通して滑ることができるようになった」
これは「コブを滑れるようになる」という目標がやっと達成できたということで、とてもうれしい瞬間です。
でも実は、そこがようやく「楽しいコブの世界の入口」だったりします。
その先も、コブの上達には楽しくも長い長い道のりが待っています。


そのいっぽうで、コブを通して滑るところまで到達できないスキーヤーもたくさんいる、ということが現実としてあります。
コブを滑り始めるとすぐラインからはじき出されてしまい、転ぶと痛い。
こうなると、コブを滑ること自体が嫌いになってしまいます。
コブが嫌いなので → コブを滑らない → なのでコブを滑れるようになれない、ということになってしまいます。

その反対に、ゆっくりとでもコブのラインを通して滑ることができるようになれば、コブが楽しくてしかたなくなります。
コブが楽しいので → コブをたくさん滑る → するとさらに上達する、という良い循環が生まれます。

なので、とりあえずコブのラインを通して滑ることができるようになればしめたもの。
そこまでいけば、もっと練習して、もっと上達していく、ということになるのではないかと思います。

で、ここで何が言いたいのかというと、今はコブがきらいで、でもいつかはコブを滑れるようになりたいと思っているスキーヤーの場合は、とりあえずどんな滑り方を駆使してでもコブを通して滑りきることができるようになることがまずは先決ではないでしょうか、ということです。
なので、たとえそれが一般的にはあまり推奨されていないような滑り方であったとしても、もしそれによってコブを通して滑ることができるようになったのであれば、それはそれでとても大きな意味があることなのではないかと思います。

コブのラインを通して滑れるようになるとコブが好きになり、たくさんコブを滑るようになります。
すると、その滑り方に悪いところがあったとしても、たくさん滑ることによって自然に上達し、その悪いところも自然に改善されていくことが多いのではないでしょうか。


ここで、たとえばの話ですが、上体を回してターンに入ることによって、はじめてコブを通して滑ることができた人がいたとします。


いままでいろいろ試してみても、コブを滑ることができるようにならなかったのですが、上体を回してターンしてみたら、はじめてコブを通して滑ることができるようになった、という場合を仮定してみます。(くどいですが、たとえばの話ですよ)

もちろん、このように上体を回してターンすることはローテーションしてしまうことなので、良くはありません。
でも、このように上体を回さなければコブを滑ることができないのであれば、最初の入口としてはこれで OK なのではないでしょうか。
そして、ある程度コブに慣れ、恐怖心がなくなってきたところで、上体を回さない滑り方にシフトしていけばいいのではないかと思います。

もしここで、教えている人や一緒に滑っている人から「上体を回すのはローテーションだから良くない」と言われて、最初からその滑り方を禁止されてしまったとしたら、コブを通して滑ることができるきっかけを失ってしまうかもしれません。
そうすると、コブが嫌いになってしまい、その後の上達の芽がつみとられてしまうかもしれません。

(私自身はこんなふうに考えているので、一般的にはタブーと言われているような滑り方であっても、それに対してわりとおおらかなタイプではないかと思います。)



◆好きは伝染する
これはコブやスキーに限ったことではないのですが、自分が教える側の立場になった場合、そこで留意すべき点は、教わっている側の人にその分野のことを好きになってもらうことが、とても大切なことだと思っています。
もし教わった人がその分野を好きになってくれれば、教える側の人がいないときでも、勝手に練習して、勝手に上達していきます。
当然その反対もあって、その分野が嫌いになってしまえば、それっきりになってしまうかもしれません。
つまり、教えるのは一時でも、それは教わる人のその先の時間の使い方や向き合い方にも影響してきます。


なんだか「教える側の人は責任重大」みたいなことを書いてしまいました。
でも、教える側の人にも、それ相応のちゃんとした見返りがあります。
それは、自分が好きで情熱をかたむけている分野を、他の人も好きになってくれて、その感情を分かち合うことができたら、それはとてもすばらしいことなのではないでしょうか。

そしてさらに、その分野を好きになった人から発せられる「楽しい ♬」という波動に周りの人たちが共振していって、新しくその分野を好きになっていく人たちがますます増えていくかもしれません。



◆コブの滑り方を尋ねられたら
こんな自分でも、スキー場で他の人からコブの滑り方について尋ねられることがあります。(単なる社交辞令かもしれませんが...)

そんなとき、もしその人が既にコブを滑ることができる場合は、けっこう無理難題を言ってしまうことがあります。
それは、もうその人はコブの楽しさがわかっているので、「言われたことがちょっとできないくらいでコブを嫌いになることはないだろう」という、確信めいたものがあるからです。(それに、もしそれができるようになれば、大幅な上達が期待できるかもしれません)

いっぽう、がんばればコブを滑れるようになるかも? くらいの人には、わりとデリケートな対応が要求されます。
なぜなら、このくらいの人は、コブが好きになるか嫌いになるかの分岐点に立っているかもしれないからです。
なのでここでは、「コブのなかでもしっかりとターン孤を描く」みたいな正論を言ってしまうのはマイナスかもしれません。
また、根性論で諭すのも、あまりおすすめできません。

では、どういった教え方がいいのでしょうか?
次の項では、これについて考えてみますね。



◆教わる側の人によって変わる教え方
コブの滑り方って、いろいろありますよね。
その中には、「コブ初心者に適している滑り方」と、「コブ中級者以上に適している滑り方」があります。(かなりおおざっぱで、強引な分け方ですが、説明の便宜上ご了承ください)

それらの滑り方をいろいろなパーツや技術に分けて見ていくと、初心者と中級者以上の技術で共通している点があるいっぽうで、異なっている点もあります

なので、仮にこの見方で考えていくと、コブを滑る技術は以下の3つに分類されることになります。
- 初心者と中級者以上の両方に当てはまる点
- 初心者には当てはまるが、中級者以上には当てはまらない点
- 中級者以上には当てはまるが、初心者には当てはまらない点



ここで仮に、まだコブを滑ることができない人がいたとします。
そして、この人にコブの滑り方を教える立場になったとします。
このとき、上記3つのうち、どれを教えていけばいいでしょうか?

個人的な見解としては、これは画一的なものではなく、教わる側の人によって変えていく必要があるように思います。

では、教わる側の人のどのような違いによって変えていけばいいのでしょうか?
これは、教わる側の人の現時点の技術レベルは当然として、その他にもいろいろな要素があります。
それは、
- 体力
- 運動神経
- 年齢
- この先の練習量
- 危険やケガに対する許容度
- 上達に対するモチベーションの強弱
などが考えられます。


たとえば、現時点ではコブを滑ることができないけど、若くて体力があり、運動神経が良く、今後もたくさん練習して絶対に上手くなりたい、というスキーヤーがいたとします。

この場合は、「初心者には当てはまるが、中級者以上には当てはまらない点」は、あえて教えないほうがいいかもしれません。
その点とは、たとえば、ズルドンで低速で滑るときだけに有効なポイントだったりします。
そしてそれは、もっと上達してスピードを出していったときに適していないことになってしまうかもしれないからです。
でもそれを、「これがスキーの基本で大切なところ」みたいな教わり方をしてしまった場合、その教えを守っているところがかえってネックになってしまい、その先の上達を阻害してしまうことになります。

では、どういった点を教えればいいのでしょうか?
このスキーヤーの場合は、「初心者と中級者以上の両方に当てはまる点」だけを教えるといいのではないかと思います。
これだと、「初心者には当てはまるが中級者以上には当てはまらない点」は教えないことになります。
なので、最初にコブを低速ズルドンで通して滑れるようになる段階までは少し時間がかかってしまうかもしれません。
でもその後、低速ズルドンは早々に卒業し、その先は順調に上達していくのではないでしょうか。
初心者のときに変な癖もつきにくいように思います。



では次に、これと正反対のスキーヤーの場合を考えてみましょう。
たとえば、現時点でコブを滑ることができなくて、わりと高齢であまり体力はなく、スキーは年に数回しか行かなくて、スキーは怪我無く楽しめればればそれでいい、というスキーヤーがいたとします。
この人にコブの滑り方を教えるとき、何を教えればいいのでしょうか?

この場合は、「初心者には当てはまるが、中級者以上には当てはまらない点」と「初心者と中級者以上の両方に当てはまる点」の2つを教えるのがいいのではないかと思います。

このスキーヤーにとっては、低速ズルドンでコブを通して滑ることができるようになるところが、自身のコブ技術の最高到達点になる可能性が高いです。
また、本人もそれができれば十分に満足かもしれません。

ここで、もし「中級者以上には当てはまるが、初心者には当てはまらない点」を教えられたとしたら、コブを滑れるようにはなれないかもしれません。
それはたとえば、「脚を深く曲げてコブの衝撃を吸収する」だったり、「コブでスキーをしっかりたわませる」だったとしたらどうでしょうか。
コブを滑ることができない初心者がこれを実行すると、当然1つめのコブでスキーがすっぽぬけ、ラインからはじき出されてしまいます。

では、最初にでてきたスキーヤー(若くて体力があって、の人)と同じように「初心者と中級者以上の両方に当てはまる点」だけを教えてもらったとしたらどうでしょうか?
このような「初心者と中級者以上の両方に当てはまる点」はどちらかというとスキーの根本的で王道的なポイントが多いように思います。
そうなるとなかなか一朝一夕で身に付けるのは難しく、短期間では効果が表れにくいことも事実です。
それでは、年に数回しかスキーに行かない場合、十分に練習する時間をとれずに、コブをあきらめてしまうかもしれません。

ここではやはり、「初心者には当てはまるが、中級者以上には当てはまらない点」も教えた方がいいのではないかと思います。
「初心者には当てはまるが、中級者以上には当てはまらない点」ということは、最初の入口のところでは有効ですが、さらに上達していくと、その効力が失われてしまいます。
つまり、これはいうなれば「とりあえずコブを滑れるようになる小技的な手法」ということになるのかもしれません。
こういった手法は、短期間でわりと効果が現れやすいことが多いように思います。
なので、もしそのスキーヤーの生涯の最高到達点が低速ズルドンで、それ自体に十分満足できるのであれば、こういった技術を教わることは価値のあることなのではないでしょうか。
また上の方で書いたように、小技的な手法であっても、それでコブを通して滑ることができるようになれば、コブが好きになってもっと上達できるかもしれません。

ただ、そのいっぽうで、こういった手法はそれ以上に上達していくと、すぐに天井にぶち当たってしまうことになります。
また、場合によってはそれがかえって悪いクセになってしまうということも多いです。


ではここで、自身の生涯の最高到達点が低速ズルドンより上になったケースを考えてみましょう。
「とりあえずコブを滑れるようになる小技的な手法」を覚え、コブのラインを通して滑ることができるようになったとします。
すると、とたんにコブが楽しくなって、場合によってはコブにのめり込んでしまうかもしれません。
そして、オフの期間もしっかりトレーニングして体力つけて、シーズン中は毎週スキー場に通うようになってしまうかもしれません。(コブにはこういった中毒性があります)
こうなると、低速ズルドンは早々に卒業し、さらに上の滑りを目指していくようになります。

で、ここで問題となりかねないのは、以前に教わった「初心者には当てはまるが、中級者以上には当てはまらない点」です。
本人としては、これを教えてもらったおかげでコブを滑れるようになって、スキーにのめり込む1つのきっかけになった、という強烈な成功体験があります。
でも、もしその後もこれに固執し、コブでは絶対的に正しい重要ポイントだと思い込んでしまっていたとしたら、それはその先の上達を阻害してしまうことになります。
また、これによって、低速ズルドンの滑りからなかなか卒業できない、なんてことになってしまうかもしれません。

では、どうすればいいのでしょうか?
これはたぶん、教える側の人が教えているときに、「この方法はとりあえずコブを滑れるようになる初期の段階では有効だけど、もっとスピードを出すようになったらやめた方がいい」というような説明をしていくことが大切ではないかと思います。
つまり、「初心者には当てはまるが、中級者以上には当てはまらない点」と「初心者と中級者以上の両方に当てはまる点」を、しっかりと識別できるように説明すればいいということになります。

でもこれって、実際はなかなか難しいですよね。
滑りの技術は初心者と中級者以上の違いだけではなく、初心者から中級者くらいまでなら有効なものもあれば、上級者くらいになってはじめて有効になってくるものもあるし、
それに、こういった技術レベル違いだけではなく、ラインどりの違いで有効な場合と有効ではない場合、
また、スピードの違いや、その日のコブの形や雪質の違いなど、様々な複雑な要因がからみあっています。
なので、これを明確に分類することは、困難な場合があります。

つまり、こういった要因も含めて分類して説明できれば、それが理想だと思います。
それはたとえば、「今日みたいなコブの場合、今のあなたくらいの実力であれば、こういう滑り方をしたほうがいい。でも、他の条件のコブや違うラインどりでは、これは変えていったほうがいいこともある」みたいな感じでしょうか。

それに、実際これをスキー場でリフトに乗っている時間などに、短時間で説明して理解してもらうということは、なかなか難しいことだと思います。
私自身、スキーから帰る車の中で「あー、あのときこうやって説明しておけばよかったな」と思いかえすことがしょっちゅうあります。

まあ、こういった後悔があるからこそ、こうやって細々とブログを書き続けているのかもしれません。



◆教える側の人の技術レベル
さて、ここで重要になってくるのが、教える側の人のスキーの技術レベルです。

教える側の人は、やっぱりある程度高い技術レベルであることが望ましいです。
なぜなら、スキー技術のレベルが低いと、自分ができていないことは理解できていないので、それを識別したり説明したりすることができないからです。

たとえば、低速ならコブを滑ることができるコブ初級者が、コブを滑ることができない人に教えているとします。
この場合、教える側の人がまだ初級者なので、中級者以上のスキーヤーがどうやって滑っているのかがわかりません。
そのため、いままででお話ししてきたような以下の違いを、識別することはできないと思います
- 初心者と中級者以上の両方に当てはまる点
- 初心者には当てはまるが、中級者以上には当てはまらない点
- 中級者以上には当てはまるが、初心者には当てはまらない点

つまり、教わる側の人に対して、これらを識別できるように説明することはできないということになります。
この場合、低速で滑るときにしか当てはまらないような技術を「これをやれば、コブではまちがいなし」、「これがスキーの基本で、どんな場合においても普遍的なものだ」みたいな教え方になってしまう危険性があるかもしれません。
つまり、「初心者には当てはまるが、中級者以上には当てはまらない点」を、「すべての技術レベルにおいて当てはまる点」として教えていることになります。
そして、それを鵜呑みにしてしまうと、短期的には上達できるかもしれませんが、すぐに上達が頭打ちになってしまいます。

もちろん、教えている側の人はそれが正しいと信じていて、それを伝えていることは良かれと思ってやっていることなので、それは咎められる類のものではまったくありません。
ただ、こういったリスクはあるのではないかと思います。

なので、初心者がコブを滑れるようになった後の、さらにその先の上達のことも見据えて考えていくと、上手な人から教わったほうが脇道にそれてしまうリスクは少ないのではないでしょうか。

まあ、これを書いている私自身がたいしてスキーが上手なわけでもないので、今書きながら墓穴を掘っている状態です。 ( ← これが今回の落ちです)



またいっぽうで、これもよく言われていることですが、「自分より少し上手」くらいの人から教わったほうがいい場合もあります。

教えている人が教わる人とは比べ物にならないほど上手な場合、教えている人にとっては簡単なことなので「何でこんなことができないんだろう?」と思ってしまうことが少なくありません。
いっぽう、教わる人より少し上手くらいの人であれば、そのできないことについて、リアリティをもって対応することができます。


またさらに、初心者であったり、スキーに関してまったくの素人だったり、こういった方々の見る目もあなどれません。
なぜなら、人には優れたものを見分ける目利きの能力が元来そなわっているからです。
それは、たとえばスキーで効率的な滑りであれば、誰が見てもそれは美しく力強く見えます。
反対に、非効率な滑りであれば、それを見た人はそこに違和感をおぼえます。
実際に、私自身、こういった初心者の人からの見解が参考になったことが、何度もあります。

こういった非効率な滑りを見て感じる違和感、それについては信頼に値します。
でも、どうすればその違和感を改善する方向に導けるのか、といった技術的なことは初心者にはわかりません。
初心者からのアドバイスは、たぶん「手の位置がおかしいから、こうやって直したほうがいいい」みたいな外見的なことになると思います。
実際にその外見的な違和感は確かに存在しているのですが、でも、その違和感の根源になっている部分はまた別にあって、それは初心者にはわかりません。
そういった技術的な核心部分については、それができる上手な人でなければ見えないところだと思います。



◆整地でしっかり練習する? いきなりコブいっちゃう?
最後に少しだけ、別のトピックについてふれてみますね。
それは、「コブ初心者は、整地である程度練習してからコブに行くべきか、それともいきなりコブにいっちゃうか」、についてです。

これはよく言われていることですが、「整地でできないことは、コブでもできない」という理解が大枠としてあります。
なので、コブで必要になってくる動きを、整地である程度は練習しておいたほうがいいのではないかと思います。
なので、私としては「コブ初心者は整地で練習してからコブに行くべき」に一票です。

ただ、「整地でできないことは、コブでもできない」ということが絶対的に正しいのかというと、必ずしもそういうわけではありません。
それは、コブには凹凸があるので、この形を利用することによって可能になる動きもあるからです。
これに関しては「整地ではできないけど、コブならできる動き」ということになります。
こういった動きは、整地で無理やり練習するより、コブで練習するほうが効率的です。

でも、だからと言って、いきなりコブにいくべきなのかというと、それは違うと思います。
コブでおこなう動きの多くは整地でもできるので、最初はそれらを整地で練習しておきます。
そして、その後コブを滑るようになったところで「整地ではできないけど、コブならできる動き」を練習する、といった順番がいいと思います。


ただ、自分が初心者だったころのことを思い出してみると、下手なのにいきなりコブに行っちゃってたタイプでした。

これは自分の性格的なものもあると思います。
たとえば、何か家電製品を買ってきたとします。
そのとき、いつも取扱説明書は読まずに、いきなり設置して使ってみます。
もし設置方法や使い方でわからないところがあったら、そこではじめて取扱説明書の該当箇所を読んでみる、といった感じです。

このように、せっかちでめんどくさがり屋の性格なので、コブをいきなり滑り始めたわけです。
もちろんコブでは玉砕の連続でした。
そこではじめて整地でプロペラターンなどの練習を始めました。

無謀なように感じられるかもしれませんが、いきなりコブに行ってしまったことには良かった点もあったと思います。
それは、コブを実際に体験したことで、整地で行う練習の意味が理解できたということです。
地味な整地の練習でも、それがコブの滑りにどのようにつながっているのかが理解できていれば、その練習に本気で取り組むことができます。

ここでもし、コブを滑った経験が不足している段階で、スクールに入って整地でプロペラをやらされていたとしたら、「なんでこんな疲れることやらなくちゃいけないんだ」と、不満に思ってしまったかもしれません。


で、ここでの結論ですが、コブを教える立場になった場合は「コブ初心者は整地で練習してからコブに行ったほうがいい」という意見です。
でも、私本人は、下手なのにいきなりコブに行っちゃってたタイプで、結果的にそれで良かったんじゃないかな、と思っています。


おわり



◆目次はこちら

























PR
- HOME -
目次
INDEX

下の各項目からもご覧いただけます
コブの滑り方
■ 脚は少し曲げておく
■ 目線は重要
■ かかと加重を重視
■ スタンスと前後差
■ 基礎スキーヤーがモーグル的に滑るには
■ 吸収動作を長くキープ
■ モーグルのストックワーク (1)
■ モーグルのストックワーク (2)
■ モーグルのストックワーク (3)
■ スイッチバック
■ 背筋を伸ばす
■ 秘技!! スライド&ジャンプ
■ 吸収動作が必要なわけ
■ 吸収動作によるスピードアップ
■ 1つの動作で吸収と先落としをする
■ 吸収はヒザを意識する
■ 吸収動作による前後のバランスの調整
■ 吸収を行わない滑り方
■ 肩の逆ローテーション
■ ダブルストック
■ 縦の溝コブで減速
■ コブの溝でスキーをたわませる
■スキーの先落としと関節の動き
■吸収と伸ばしのタイミング
■ 足首の角度とポジションの関係
■ 左右非対称のコブとスライド
■ レベルによるストックワークの違い
■ スキーの先落しの角度とスピードコントロール
■ 静かなストックワーク
■ ボール状の凹みを通るライン
■ 外側の肩を下げる動きについて
■ スキーの縦の動きと練習について
■ コブ初心者 (1) どこを通る?
■ コブ初心者 (2) フォールライン方向にずらす
■ コブ初心者 (3) 上体をフォールライン方向にキープ
■ コブ初心者 (4) 脚のかまえ
■ コブ初心者 (5) それではコブを滑ってみよう・前編
■ コブ初心者 (6) それではコブを滑ってみよう・後編
■ コブ初心者 (7) スキー板と練習するコブ斜面
■ 春の巨大コブを省エネで滑る方法
■ 滑り方によって変化する谷回りと山回り
■ コブ中級者への道 (1) プロペラと逆ひねり
■ コブでおじぎを防ぐには
■ コブ中級者への道 (2) スライドする方向を変える
■ コブ中級者への道 (3) コブでスキーが開いちゃう
■ 上体を前に移動させる
■ コブ頂点のポジション
■ 基本ポジション
■ コブの滑り方で変わる前傾角度
■ 腰と下っ腹の意識
■ 先落としにトライしてみよう Part 1
■ 先落としにトライしてみよう Part 2
■ コブの衝撃に強いポジション Part 1
■ コブの衝撃に強いポジション Part 2
■ 腕の構え
■ コブで動きを止めない滑り Part1
■ コブで動きを止めない滑り Part2
■ ストックワークと腕の動き
■ コブに乗り上げていくところの脚の動き
■ コブを片足で滑ってみる
■ 重心とスキーの回転
■ パウダーとコブの共通点 Part 1
■ パウダーとコブの共通点 Part 2
■ スキーのたわみでコブから受ける衝撃をやわらげる
■ 負の連鎖 Part 1
■ 負の連鎖 Part 2
■ 負の連鎖 Part 3
■ 負の連鎖 Part 4
■ テールジャンプ Part 1
■ テールジャンプ Part 2
■ テールジャンプ Part 3
スキー場
ブログ内検索
お問い合わせ
メッセージはお気軽に
Powered by 忍者ブログ | [PR]