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コブやモーグルについて思ったことをダラダラとつづっています。
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今回は、私のスキー生命を救ってくれたともいえる、
オーダーメイドのインソールについて書いてみますね。

実は、数か月前まで、「スキーはもう続けられないかもしれない
と思って凹んでました。
と言うのは、以前から患っていたヒザの状態がかなり悪化してしまったためです。

ですが、2ヶ月ほど前からオーダーメイドのインソールで足を矯正し、
その後ヒザの痛みはなくなり、今までどおりスキーを続けています。

どうやら、ヒザの痛みは足のゆがみに起因しているようで、
インソールで足を矯正することで、痛みがなくなりました


今は、スキーブーツだけではなく、
普段使用している靴にもオーダーメイドのインソールを入れて、
できるだけ長い時間使用するようにしています。


左:普通の靴用のインソール、右:スキー用のインソール



◆変形性膝関節症
私のヒザの悪化とは、ヒザの軟骨がすり減ってしまうことで痛みがでる、
変形性膝関節症という症状です。

ケガや病気ではなく、脚を酷使したためにヒザの軟骨がすり減ってしまったということです。
ですが、この症状が進むと、痛みで歩くのも困難になるという恐い症状です。

スポーツなどの激しい運動をしていなくても、長い年月を重ねることで
ヒザの軟骨がすり減ってしまうことがあります。
おじいさんやおばあさんが、「ヒザが痛い」と言っているのは、
たいていこの変形性膝関節症だそうです。

そのため、重度な症状でなければ、病院に行っても、
単に「老化ですね」ですまされてしまうことが多いようです。(←私はこれでした)

私の場合は、もともと足の骨格が悪かったことと、
スキーやテニスなどで普通の人より脚を酷使することが多かったこともあり、その分、早くヒザの軟骨がすりへってしまったようです。

この変形性膝関節症が厄介なのは、
すり減ってしまった軟骨は再生されることはない」、
ということです。

コラーゲンやグルコサミンのサプリをたくさん飲んでも、
残念なことにすり減った軟骨は、もとにもどらないそうです。

スキーでころんでケガした場合などは、時間はかかりますが、
ほとんどはいずれ回復します。
骨が折れて、残りのシーズンを棒にふったとしても、
次のシーズンがくる頃にはなおっています。

でも、いちどすり減ってしまった軟骨は、もとにもどりません。
これが、この症状の絶望的なところです。


◆日本の医学の常識では…
病院での診断、本、テレビなどで得た情報では、変形性膝関節症になった場合、軟骨は再生されないので、症状が大幅に改善されることは無いと言われています。

スポーツなどの激しい運動はひかえるようにして、
軟骨がこれ以上すり減ってしまうのを抑えることが推奨されているようです。 

ヒザに負担のかからないようなトレーニングで脚の筋肉を鍛えることによって、ヒザの関節にかかる負担を軽くすることができると言われていますが、当然モーグルのような激しいスポーツはできなくなります。

私が総合病院の整形外科で診察を受けたときは、
変形性膝関節症はヒザの老化なのでしかたがないと言われました。
激しい運動は控えて、これ以上ヒザが悪くならないようにと言われただけで、治療や改善策はありませんでした。

幸いなことに、私の場合は、別の接骨院でオーダーメイド インソールを作製して、足を矯正することにより症状が改善し、モーグルを続けられるようになりました。

そのオーダーメイドのインソールを作製する時に教えてもらったのですが、
私のようなヒザの悪化は、多くの場合、骨格のゆがみが原因だそうです。
そのため、インソールで骨格のゆがみを矯正すれば、ヒザの痛みが出なくなるのだそうです。

痛みが出るということは、必ずその原因があり、その原因からアプローチすることで、改善されるのだそうです。

以前行った総合病院では、ヒザのレントゲンをとっただけの診察だったのですが、悪くなった患部の「結果」だけを見ての診断で、その原因を追究するというプロセスはありませんでした。
「木を見て森を見ず」という感じの診察だったと思います。


アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドでは、多くの足医師がいて、インソールを使っての骨格の矯正技術が進んでいるそうです。

今後、オーダーメイドのインソールを使っての骨格矯正は、まちがいなく日本でも一般的になってくると思います。

ただ、現時点では品質の悪いインソールを作製する業者も多いそうなので、そのあたりは購入前に入念に調べる必要があるかもしれません。


◆ヒザが改善されたインソール
私が2ヶ月前から使用しているオーダーメイドのインソールは、
オルソティックという製品です。

詳しくは下記のサイトをご覧ください。
オルソティック インソール

アメリカやカナダでは、医療具としても使われているメディカル インソールで、歪んだ脚を矯正する効果があるそうです。

一般的にスポーツショップ等で足型に合わせて作成される
シダスやスーパーフィート等のインソールとは、
別物と考えてよいと思います。

オルソティックの作成は、足の診察を行い、歪やねじれなどを確認し、処方箋を作製。
足型をとり、処方箋とともにニュージーランドの工房に送ります。
ニュージーランドの工房では、足型と処方箋にしたがって職人がインソールを作製します。

完成までは、発送込で約3週間ほどかかります。

価格は、私が注文した時(2013年1月)は、1セットが約3万円ほどでした。
最近は大幅な円安傾向なので、今後は少し高くなってしまうかもしれません。(海外の工房で作成されるため)

ちょっと高いと思われるかもしれませんが、
脚の診断や作成にかかる工程などのコストを考えると、
格安だと思います。

一般的にスポーツショップで足に合わせて作成されるインソールに比べ、何倍もの手がかかっています。
また、作成に要する専門知識・技能も半端ではありません。

特に私の場合は、既に痛みを抱えていて、スキーを続けられるか、
今後の生活や仕事に支障はないか、など切実だったので、お金には変えられない状況でした。

ヒザの手術もありえるかも?と思っていたので、
とても安くヒザが改善できてよかったと思っています。



◆スキーのパフォーマンス向上
上記のとおり、脚の状態を矯正する効果があるオルソティック インソールですが、このインソールに変えたことにより、スキーにも良い影響がありました。


密脚操作
以前使っていたインソールでは、スキーブーツをはいた状態でフラットに立つには、肩幅くらいの広めのスタンスにしなければなりませんでした。
たぶん、私の骨格に問題があるからだと思います。

いっぽう、オルソティックでは、脚をそろえた狭いスタンスでストンとフラットに立てるので、モーグルの密脚(閉脚)での操作が容易になりました。
以前は、コブを滑るときは、意識的にブーツをそろえるような感じで狭いスタンスをキープするようにしていましたが、今は意識せずとも自然に狭いスタンスになっているように思います。

左右のスキーがコブの同じ場所を通るため、左右のスキーが同じ動きをし、ばらけてしまうことが少なくなりました。(まだまだ下手なのは、私の運動神経の問題です(ToT))


エッジ感覚の向上
あと、エッジの感覚も敏感になりました。
特に、つちふまずからカカトにかけて、インソールの底面に硬い素材が使われているので、この部分のエッジ感覚は、以前のインソールとは比べ物にならないほど向上しました。

一方、インソールのつちふまずから前の部分は、柔らかい素材でできているので、エッジ感覚の向上はありませんでした。

モーグルの場合は、エアの着地やヒールキックなどでカカトに衝撃がかかるため、インソールに硬い材質が使われているとクッション性が悪くなります。
その点はこのインソールのマイナス要素ですが、強い負荷がかかってもインソールの形状をしっかりとキープする必要があるので、硬い素材を使うのはしかたがないことかと思います。

↓足の裏に接する部分はスポンジですが、底面のつちふまずからカカトの部分はプラスチックです。





筋肉痛が減った
コブ斜面をたくさん滑った翌日は、たいてい筋肉痛でしたが、
このインソールに変えてから、モモの筋肉痛がなくなりました。

たぶん、インソールのおかげで、脚の正しい筋肉が使われるようになったか、または、脚が矯正され、筋肉の付き方が正しくなったためかと思います。




◆インソール遍歴
私が足に合わせて作成するインソールを使い始めたのは、今から22~23年ほど前(1990年頃)になります。

御茶ノ水のスキーブーツチューンナップ専門店で、
シダスのインソールを作ってもらいました。

当時は、今のようにインソールを作製するのが一般的になる前で、
ごく一部の限られたショップでインソール作成が導入され始めていた頃だったように記憶しています。
足の裏がべったりとはりつくようなフィット感に感激したのを覚えています。

その後は、ブーツを新調するたびにインソールを作っていたので、いままで計5回、スキーブーツ用のインソールを作ったことになります。
インソールのメーカーはばらばらですが、フィット感や足裏感覚の向上に満足していました。

また、私はO脚なので、インソールを作製することによって、ブーツのシェルのカント調整をする必要がなくなったのも、大きなメリットでした。

最近になってオルソティックのインソールを使い始めましたが、オルソティックの方がいままで使ってきたインソールより断然良いです。

特に、私は足に歪みがあり、ヒザが悪いので、オルソティックと他のインソールの違いが明確に出るのかと思います。

私の印象では、
市販のままの既成のインソール:
フィット感がよくないです。
そもそも、既製品のインソールに合う足の人は、きわめて稀だと思います。

シダスなどの足に合わせて作成するインソール:
フィット感や足の裏感覚が良くなりました。
既製品のインソールを使うよりずっと良いと思います。
でも、作成する人の知識や技量にもよるかもしれませんが、オルソティックに比べると、かなり落ちます。
特に、足にゆがみがある場合は、オルソティックを使うほうが良いと思います。


オルソティック:
私が知る限りでは、ベストなインソールだと思います。
足のゆがみが矯正されたためか、ヒザの痛みがなくなりました。
このインソールがなければ、私はモーグルをやめていたかもしれません。

↓私は足がゆがんでいるため、インソールのカカトがかなり斜めになっています



足のゆがみ
統計では、世界人口の約70%が、足にゆがみがあるそうです。
O脚が多いと言われている日本人の場合、その割合はさらに高くなると思います。
もちろん、足のゆがみの程度の強弱はあるかもしれませんが、多くの人がインソールで脚の矯正を行った方が良いかもしれません。



◆オルソティックのメリット
●足の診察
時間をかけて足の診断を行います。
この診断は、担当される方の知識や技量に左右されてしまう部分かもしれません。
私は、現時点で日本人で唯一ニュージーランドの大学の足医の学位を持っておられる先生に、丁寧に診断していただきました。

足の骨格の状態、歩き方など、さまざまな方面から時間をかけて確認し、診断後に足の骨の模型を使って、「この骨が横向きにゆがんでいて、その結果こちらの骨がこう動き、最終的にはこっち側の骨まで悪い方向に動いてしまう」というような感じに、実に細かく説明していただきました。

そして、診断結果をもとに、足の悪い部分を矯正できるように処方箋(英語)を作成していただきました。
足型に合わせてインソールをつくるだけではなく、足が正しく矯正されるよう部分部分によって角度を微妙に調整しているようです。

また、足の裏の筋の動きが妨げられないように、インソール表面の筋の通る部分に凹みをいれるなど、実に細かく作成してもらいました。


●足型のとり方
オルソティックでは足型のとり方が他のインソールとは異なります。

他の一般的なインソールでは、立った状態で足型をとります。
そのため、足に全体重がかかった状態で足型をとることになります。
体重がかかった状態だと、骨格の一部のねじれやゆがみが他の部分にも連鎖して、全体的に崩れた状態になってしまうそうです。
もともと歪んだりねじれてしまっている足では、その悪い状態で足型をとってしまうことになります。

オルソティックでは、イスに座った状態で、箱に入ったハッポウスチロールが柔らかくなったような感じのフォームに、ズボボっと慎重にゆっくり足を入れて足型をとります。
体重がかかっていないので、歪んだりねじれていない、素のままの足型が取れます。


●ニュージーランドの工房で作成
海外で作成されるため、完成まで3週間ほど時間がかかりました。
ニュージーランドは日本より足に対する意識がずっと高く、インソールの重要性も認識されているようです。
良いインソールを作るために、コストはかかっても、インソールの知識をもった職人のいるニュージーランドの工房で作成する必要があるのだそうです。



インソールについては、まだ書き足りないことがあるのですが、長くなってしまったので、続きは次回にしますね。

続きはオダーメイド インソール その2をご覧ください。



おわり

◆目次はこちら


















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目次
INDEX

下の各項目からもご覧いただけます
コブの滑り方
■ 脚は少し曲げておく
■ 目線は重要
■ かかと加重を重視
■ スタンスと前後差
■ 基礎スキーヤーがモーグル的に滑るには
■ 吸収動作を長くキープ
■ モーグルのストックワーク (1)
■ モーグルのストックワーク (2)
■ モーグルのストックワーク (3)
■ スイッチバック
■ 背筋を伸ばす
■ 秘技!! スライド&ジャンプ
■ 吸収動作が必要なわけ
■ 吸収動作によるスピードアップ
■ 1つの動作で吸収と先落としをする
■ 吸収はヒザを意識する
■ 吸収動作による前後のバランスの調整
■ 吸収を行わない滑り方
■ 肩の逆ローテーション
■ ダブルストック
■ 縦の溝コブで減速
■ コブの溝でスキーをたわませる
■スキーの先落としと関節の動き
■吸収と伸ばしのタイミング
■ 足首の角度とポジションの関係
■ 左右非対称のコブとスライド
■ レベルによるストックワークの違い
■ スキーの先落しの角度とスピードコントロール
■ 静かなストックワーク
■ ボール状の凹みを通るライン
■ 外側の肩を下げる動きについて
■ スキーの縦の動きと練習について
■ コブ初心者 (1) どこを通る?
■ コブ初心者 (2) フォールライン方向にずらす
■ コブ初心者 (3) 上体をフォールライン方向にキープ
■ コブ初心者 (4) 脚のかまえ
■ コブ初心者 (5) それではコブを滑ってみよう・前編
■ コブ初心者 (6) それではコブを滑ってみよう・後編
■ コブ初心者 (7) スキー板と練習するコブ斜面
■ 春の巨大コブを省エネで滑る方法
■ 滑り方によって変化する谷回りと山回り
■ コブ中級者への道 (1) プロペラと逆ひねり
■ コブでおじぎを防ぐには
■ コブ中級者への道 (2) スライドする方向を変える
■ コブ中級者への道 (3) コブでスキーが開いちゃう
■ 上体を前に移動させる
■ コブ頂点のポジション
■ 基本ポジション
■ コブの滑り方で変わる前傾角度
■ 腰と下っ腹の意識
■ 先落としにトライしてみよう Part 1
■ 先落としにトライしてみよう Part 2
■ コブの衝撃に強いポジション Part 1
■ コブの衝撃に強いポジション Part 2
■ 腕の構え
■ コブで動きを止めない滑り Part1
■ コブで動きを止めない滑り Part2
■ ストックワークと腕の動き
■ コブに乗り上げていくところの脚の動き
■ コブを片足で滑ってみる
■ 重心とスキーの回転
■ パウダーとコブの共通点 Part 1
■ パウダーとコブの共通点 Part 2
■ スキーのたわみでコブから受ける衝撃をやわらげる
■ 負の連鎖 Part 1
■ 負の連鎖 Part 2
■ 負の連鎖 Part 3
■ 負の連鎖 Part 4
■ テールジャンプ Part 1
■ テールジャンプ Part 2
■ テールジャンプ Part 3
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