モーグルな生活
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コブやモーグルについて思ったことをダラダラとつづっています。
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2022-11-10T15:25:44+09:00
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コブ中級者への道(その6) - テールジャンプ Part3
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前回 Part 2 ではテールジャンプのメリット についていろいろと見てきましたが、今回はそのデメリット について考えていきますね。
また同時に、デメリットに対処する方法についても考えてみたいと思います。
◆テールジャンプのデメリット
では、テールジャンプのデメリットを挙げてみます。
- スピードが速くなると、ジャンプが困難になる
- テールジャンプが大きすぎると、減速しづらくなってしまう
主にこの2つになるかと思います。
では、それぞれ見ていきましょう。
●スピードが速くなると、ジャンプが困難になる
テールジャンプではジャンプする動きが伴います。
低速で滑っているときは、わりと簡単にジャンプできるのですが、スピードが速くなってくるとジャンプすることが難しくなります。
また、スピード域が上がってくると、ジャンプすること自体が状況に合わなくなってきます。
これは、ジャンプすると重心が上がってしまうからで、コブで吸収動作を行う一般的な滑り方とは逆の動きになってしまいます。
スピードが出ているときにジャンプすると、スキーが宙に浮いている時間と距離が長くなってしまい、接雪している状態が短くなってしまいます。
この結果、コントロールできる時間や方法が制限されてしまいます。
では、テールジャンプは低速でしか役に立たない滑り方なのかというと、そんなことはありません。
テールジャンプで身に付けた動きや感覚をそのままキープし、その状態からジャンプしないようにしていけば、スピードを上げていったところでかなり実践的な滑り方につながるように思います。
この動きや感覚というのは、
ヒザを曲げてカカトをお尻に引き付けるような動きであったり、
スネがブーツに接しているポジションであったり、
またはスキーのトップを押さえつけていくような感覚です。
テールジャンプのこのような動きや感覚は、スピードが出てくると大いに威力を発揮してきます。
つまり、テールジャンプは行わない通常の滑り方においても、テールジャンプでつちかった要素は効果的ということです。
またこれとは別に、テールジャンプを行いながらも、ある程度スピードを上げていくこともできます。
この滑り方について見ていきましょう。
●エッジングの反動を利用する
これは、自分からはジャンプしないで、コブにエッジングした反動を利用してテールを浮かす滑り方です。
厳密にいえば一般的なテールジャンプとは違うのかもしれませんが、これができれば、重心は浮かせずにテールを上げて振ることができます。
この滑り方はまず、コブにぶつかったところで、コブの受けている部分に脚を伸ばしてエッジングします。
ここでエッジングしたときのエネルギーが反動として返ってきますが、この反動を利用してヒザを曲げてテールをお尻に引き上げるような動作をします。
テールを上に引き上げる動作は脚だけで行い、腰から上は動かしません。
この方法だと体の重心は上下に動きません。
結果的に、スピードが出ても安定します。
このエッジングの反動を利用する滑り方のポイントは、自分からジャンプしていく場合と比較して、腰(重心)の位置を高く保つ ことではないかと思います。
まず、自分からジャンプしていく一般的なテールジャンプから見てみましょう。
この場合はジャンプする前に脚を曲げた低い姿勢になります。
そして、脚を曲げた状態から、脚を伸ばして雪面を蹴ることで、ジャンプすることが可能になります。
このため、自分からジャンプしていく滑り方では、ベースになるポジションは脚を曲げた低い姿勢 になります。
いっぽう、エッジングの反動を利用する滑り方では、 ジャンプしていくのではなく、ヒザを曲げてテールを引き上げる動き になります。
つまりベースになるポジションは、「テールを引き上げることができるポジション」=「ヒザを大きく曲げることができるポジション」=「脚があまり曲がっていない腰高のポジション 」が適しているということになります。
エッジングの反動を受ける時間は、ほんの一瞬になります。
なので、それに合わせてタイミング良くテールを引き上げることができるようになるには、ある程度の慣れと練習が必要になるのではないかと思います。
ただいっぽうで、スピードが速くなるとコブから受ける外力が強くなるので、その点ではよりエッジングの反動を利用しやすくなると言えます。
スピードが速くなればなるほど受ける外力が強くなるため、自分から動いていく内力の使い方よりも、外力に対してどのように対応するか、または利用するか、といったことが重要になってきます。
これはコブやテールジャンプに限ったことではなく、スキー全般に言えることではないかと思います。
では次に、デメリット2つめの「テールジャンプが大きすぎると、減速しづらくなってしまう」について見ていきましょう。
●テールジャンプが大きすぎると、減速しづらくなってしまう
テールジャンプの動作が大きくなりすぎると、スキーをずらして減速できる距離(スペース)が短くなってしまいます。
では、これについて見ていきましょう。
まず、大きめにジャンプして、テールを浮かせて大きく振るとどうなるでしょうか?
この場合、着地する場所はコブの落ち込んているところを少し下った位置になります。
こうなると、ある程度下った位置からスキーをずらして減速を開始することになります。
この結果、通常の滑り方よりもスキーをずらして減速する距離(スペース)が短くなってしまい、十分に減速できないことがあります。
ではここで、ジャンプを小さめにして、テールをあまり大きく振らないとどうなるのかを見てみましょう。
この場合、だいたいコブの頂点を越えた直後あたりにテールが着地することになります。
結果として、コブの下りの部分のスペースを長くとってスキーをずらすことができます。
また、スキーを大きく振った場合は、着地したところで既にスキーは横方向に向いています。
その後のスキー操作は、横にしたスキーの向きを保ったまま、斜面の下方向にずらしていくことになります。
いっぽう、スキーを小さく振った場合は、着地したときのスキーの向きはフォールラインくらいか、またはフォールラインを少し越えたくらいになります。
ここからスキーをずらしていくと、スキーを回しながらずらしていく動きなります。
この場合、回しこむタイミングを早くしたり遅くしたりすることで、ブレーキの強弱や通る位置を変えたりできます。
つまり、真横に振ったスキーをずらしていくよりも、小さく振っておいて、その後スキーを回しながらずらすほうが、コントロールできる幅や選択肢が増えるのではないかと思います。
ただ、これにも欠点があります。
テールジャンプが小さすぎると、テールジャンプのメリットが損なわれてしまいます。
これはつまり、前回の Part 2 で話してきたようなさまざまなメリットが薄れてしまうということにつながります。
具体的には、テールがひっかかりやすくなったり、ポジションが十分に前にならなかったり、難しい条件での効果が半減してしまったり、といったことが起こりやすくなります。
なので、テールジャンプの動作はメリットが損なわれないくらいの必要最小限の大きさ がいいのではないかと思います。
滑りの効率を考えると、これが最も適しているような気がします。
ただもうひとつの見方として、テールジャンプには一種のバリトレ(バリエーショントレーニング)としての一面もあります。
これをバリトレとしてとらえると、大きくジャンプして大きくテールを振った方が、トレーニングとしての効果は大きくなります。
このようにオーバーアクションでやってみることは、新しい動きや感覚をつかむのにとても効果的な練習になるのではないかと思います。
◆オーバーアクションからはじめて、しだいに動きを小さくしていく
上記で「テールジャンプの動きは、メリットが損なわれないくらいの必要最小限の大きさにしてく」みたいなことを書きました。
これと似たようなことって、スキーで必要な動きを習得していく過程で、わりと頻繁にあることじゃないかな、と思ったので、これについて少しつけ加えてみますね。
これはテールジャンプにかぎったことではありませんが、新しい技術を習得していくには、最初はオーバーアクションで行い、しだいにその動きを小さくしていく というプロセスを踏んでいくことで、効率的にその動きをマスターできるのではないかと思います。
●最初はオーバーアクション
技術を習得していく初期の段階では、その動きを「これってやりすぎかな?」って思うくらいのオーバーアクションで行ってみるくらいが、ちょうどいいような気がします。
なぜかと言うと、おおげさなくらい大きく動いてみることにより、その動きによってどのように滑りが変わるのか を明確に実感することができるからです。
つまり、その動きを行うことのメリット(またはデメリット)がわかってきます。
また、今までやったことがない新しい動きを、体に覚えこませる といった面でも、オーバーアクションで行ってみることは効果的です。
それに、自分では大きく動いているつもりでも、はたから見れば「いったいどこを変えたの?」ってくらいに、実際は動きが小さかったりします。
滑っている本人の感覚では、「ここまでオーバーアクションだと変じゃない?」ってくらい動いてみて、やっと外見的にも違いが表れるといったケースが多いような気がします。
なので最初は、他人が見ても明確にわかるくらい、オーバーアクションでやってみることをお勧めします。
このように大きく動いてみることにより、その動きによる効果を明確に実感でき、また同時に、動作の感覚を身につけていく近道でもあります。
●動きを小さくしていく
動作がだいたい身についてきたら、次の段階として、そこから少しずつ動きを小さくしていきます。
動きを小さくしていくプロセスでは、その動きによる効果やメリットが維持できているかどうかを確認しながら行います。
動きを少しずつ小さくしていくと、だんだんと見た感じではわからないほどの小さな動きになっていきますが、自分ではその動きを行っている感覚は維持したままです。
そして、動きをさらに小さくしていくと、あるところからその動きによる効果がなくなってしまったと感じられるポイントがあります。
ここまでいってしまうと動きが小さくなりすぎということなので、また動きを少し大きめに戻してみます。
このような調整を行っていくことで、その動きによる効果は維持した状態での必要最小限の動きがわかってきます。
こうした過程を踏んでいくことにより、その新しい動きを普段の自分の滑りの中の一部 として溶け込ませることができるようになるのではないでしょうか。
このように自分の滑りに新しい要素を1つ1つブレンドさせていくことで、滑りを形作っている核みないたものが強化されていくように思います。
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コブ中級者への道(その6) - テールジャンプ Part 2
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前回の Part1 は、「テールジャンプの実践方法」についてでした。
今回の Part2 では、なぜテールジャンプが有効なのか、そのメリットについて考えていきますね。
◆テールジャンプのメリット
最初に、テールジャンプのメリットを挙げてみます。
- テールがひっかからない
- ポジションが前になる
- 先落としの動きにつながる
- 短く狭いスペースでスキーを回すことができる
- 難しい条件のときに有効
主にこの5つが考えられます。
では、これらのメリットを上から順に見ていきましょう。
●テールがひっかからない
コブでターンするときにスキーを振っていくと、テールが引っかかってしまって、回すことができないことがあります。
こうなると次のターンに入れずに、コブのラインからコースアウトしてしまいます。
でもここで、テールを上げて振るテールジャンプを行えば、テールが引っかかってしまうことはほとんどなくなります。
テールがひっかかってしまうことは、コブ初級者にとてもよくみられる失敗です。
初級者にとっては、これがコブのラインからコースアウトしまう原因のかなりの割合を占めているように思います。
では、なぜコブ初級者はテールが引っかかってしまいやすいのでしょうか?
その原因は主に3つあります。
- コブの内側のラインを通るため
- 後傾のポジションで滑っているため
- スキーをひねって回すタイミングが早すぎるため
では、それぞれ見ていきましょう。
●コブの内側のラインを通るとテールが引っかかりやすい
初級者に多いコブの滑り方は、コブの頂点でスキーをクルッと回し、コブの裏をずらしていく滑り方です。
いわゆるズルドンと言われている滑り方です。
この滑り方だと、テールが引っかかりやすいコブの内側のラインを通ることになります。
このようにコブの内側のラインを通ると、コブの尾根に近い部分をずらして下っていくことが多くなります。
このラインを通ると、コブの溝に落ちたときにコブの内側の端 に着地します。
この端のところは、コブに乗り上げていく表面積が狭い部分です。
ここで、スキーをクルッと回そうとすると、テールが引っかかってしまうことが多くなります。
なぜかというと、コブの溝からコブの頂点(出口)までの距離が非常に短いからです。
そのため、スキーを回したときに、テールの先端が後ろの斜面に引っかかってしまいます。
では、ズルドンではなく、もっと横への移動幅をとった滑り方だとどうなるでしょうか?
この滑り方だと、コブの溝に落ちた位置からコブの頂点(出口)までの距離が長くなります。
そのため、コブの頂点でスキーを回してもテールが後ろの斜面にぶつかって引っかかってしまうことは少なくなります。
つまり、横の移動幅が適度にあるラインどりではテールがひっかかりにくく、ズルドンのラインどりではテールが引っかかりやすいと言えます。
なので、ズルドンで滑ることが多い初級者ほど、テールジャンプのメリットが生きてくるのではないでしょうか。
●後傾だとテールが引っかかりやすい
では、次に後傾が原因でテールが引っかかってしまうことについて見てみましょう。
コブの出口(頂点)にブーツが到達したとき、後傾になっていなければ下のイラストのようにトップが下がってテールが浮くような状態になります。
そのため、ブーツを中心にトップとテールをクルッと回すピボット操作がやりやすくなります。
また、テールが浮くので、テールの先端が後ろの斜面に引っかかってしまうことは少なくなります。
このように、ポジションが良ければ、コブでスキーを回していくことはとても簡単です。
自分からひねって回していかなくてもスキーは勝手に回ってくれます。
なので、整地よりコブのほうがスキーを回しやすいと感じるようになります。
では、後傾だとどうなるでしょうか?
この場合、スキーの荷重位置が後ろになるので、テールに荷重している状態になります。
これだと、コブの出口(頂点)にブーツが到達したとき、トップは下がりません。
トップが下がらないので、テールが接雪しています。
スキーのテール側に荷重しているので、スキーをずらすときの雪の抵抗がテール側に偏っている状態になります。
そのため、スキーを回そうとすると、テールに引っかかりを感じてしまい、回しずらくなってしまいます。
また、テールが浮かないので、スキーを回していくときに、テールの先端が後ろの斜面(落ち込んでいる部分)に当たって回せなくなってしまうことが多くなります。
さらに、後傾だとコブの溝に落ちたところで、溝に沿って横方向へ直進してしまうことが多くなります。
このように溝に沿って横に進んでしまうと、コブの後ろの斜面(落ち込んでいる部分)から離れていきません。
そのため、スキーを回すとテールが後ろの斜面に当たってしまいます。
このように、コブではポジションの良し悪しによりスキーの回しやすさが大きく変わってきます。
後傾になっていない中~上級者にとっては、整地よりコブがあるほうが簡単にスキーが回ってくれるように感じます。
反対に、後傾で滑っていることが多い初級者にとっては、コブでスキーを回していくことは難しく感じてしまいます。
では次に、「スキーを回し始めるタイミングが早すぎることにより、テールが引っかかってしまうこと」について見ていきましょう。
●スキーをひねって回すタイミングが早すぎると、スキーが引っかかりやすい
コブでターンするタイミングが遅れてしまうと、対応が後手後手になります。
すると、最終的にコブのラインからはじき出されてしまいます。
こういった失敗を繰り返すと「もっと早くターンしなくちゃ」と思うようになり、コブにぶつかった瞬間、すぐに次のターンに入ってしまいます。
この場合、コブの溝から離れる前にスキーをひねって回していくことになります。
そうなると、溝の中でスキーを振っていくようになるので、テールが引っかかりやすくなります。
そもそも、コブでターンが遅れてしまうのは、スキーをひねって回すタイミングが遅いからではありません。
そうではなく、自分からスキーをひねって回していかなければスキーが回り始めないポジションで滑っていることが本来の原因になります。
この点については、下記のページをご参照ください。
コブ中級者への道(その5) 負の連鎖 Part 1
●テールジャンプでテールがひっかからなくなる
ここまでで見てきたように、コブ初級者にとってテールがひっかかってしまうことは、とてもよくあることです。
では、テールジャンプをすることによって、テールがひっかかならなくなる様子を見てみましょう。
テールが宙に浮きあがった状態で回っているので、テールがひっかかってしまうことはほとんどなくなります。
また、テールが浮いているので、テールに雪の抵抗を感じることもなくなります。
これだけでも、初級者がコブで失敗してしまう割合は大幅に減るのではないかと思います。
では次の項では、テールジャンプの別のメリットである、「ポジションが前になる」ことについて見ていきましょう。
●ポジションが前になる
コブ初級者は、かなりの割合で後傾のポジションで滑っています。
ここで、テールジャンプを行うことにより、後傾のポジョンが強制的に修正される という効果があります。
そもそも後傾のポジションでは、ジャンプしてテールを雪面から浮かせることができません。
テールジャンプを行うには、スキーの中心よりさらに前に荷重しているような状態になります。
こうしなければテールジャンプができないので、これをやろうとすると必然的にポジションがかなり前になります。
そのため、後傾のポジションが強制的に修正されます。
では、実際に多くのコブ初級者が行っている「後傾のポジション」がどういったものなのかを見てみましょう。
このように、体の重心が後ろ(山側)にあって、スキーが前(谷側)にあります。
体の重心がスキーより前にいくことはありません。
滑りのどの局面をとっても、常にスキーが前で重心が後ろの体勢になります。
ズルドンの滑り方であれば、このように重心が常に後ろにあるポジションでもなんとか滑れてしまいます。
いっぽう、ズルドンを卒業し、ここからさらにレベルアップを図ろうとすると、重心が後ろになていることが障害になってしまいます。
ではここで、ズルドンからレベルアップを図っていくとき、どのような滑り方が適しているのかを考えてみましょう。
これにはいろいろな方法があって、1つに断定することはできないのかもしれません。
でも、もっとも一般的、かつ現実的なのは、ズルドンの滑り方自体は大きく変えず、そこから横への移動幅をとってみることだと思います。
具体的に言うと、ズルドンではフォールライン方向にスキーをずらしていましたが、それを斜め外側にずらしていくような滑り方になります。
このように斜め外側にずらしていくことにより、横への移動幅が生まれます。
この場合、コブの溝に落ちるまではラインの外側に向かっています。
そして、コブの溝に落ちたところでラインの内側に進んでいきます。
そして、コブに乗り上げたところで次のターンに入ります。
この次のターンに入るところで、ズルドンのときと同じように重心が後ろ(山側)にあるポジションだとどうなるでしょうか?
このような重心が後ろにあるポジションだと、次のターンに入ることができません。
ターンできずに横方向へ進んでしまい、コブのラインからコースアウトしてしまいます。
ここで必要になってくるのは、次のターンに入るところで体の重心がもっと前になるポジションです。
このポジションをとれるかどうかが、ズルドンから横の移動幅をとった滑り方にレベルアップできるかどうかの分かれ目になります。
ズルドンの滑り方だけをくりかえし行っていると、常にスキーより重心が後ろにあるポジションがあたりまえになってしまい、おもいきってポジションを大きく変えていくことが困難になります。
こうなると、後傾の体勢から重心を大きく前に移動することに恐怖を感じてしまいます。
これが原因で、ズルドンからの脱却が難しくなり、実際にズルドンから先に進めないスキーヤーが大勢いるのではないかと思います。
この解決策としてお勧めしたいのが、テールジャンプです。
テールジャンプを行うには、重心が前になる必要があります。
なので、後傾を直すことを意識していなくても、自然に後傾のポジションが修正されます。
そして、テールジャンプで滑っているうちにこのポジションに慣れ、必要なタイミングで躊躇なく前寄りのポジションをとることができるようになります。
また、実際にポジションが前になるのはジャンプしてテールを振るその短い時間だけです。
もっと長い時間を占めているスキーをずらして下っていく局面では、重心はスキーより後ろにあるポジションになります。
なので、それほど恐怖を感じることはないのではないでしょうか。
また、テールジャンプは低速で滑っているときの方がやりやすいです。
この点でも初級者には向いている技術ではないかと思います。
●お尻が落ちたポジション
ついでにもう1つ。 別のタイプの後傾についても見てみましょう。
それは、ずっとお尻が後ろに落ちたままの状態でコブを滑っているケースです。
かかとに荷重していて、場合によってはブーツの後ろに寄りかかっています。
そして、ターンするときはスキーのテールを支点にしてトップを振る感じになります。
前のほうで見てきた「常に重心がスキーの後ろにある滑り方」は、斜面に対して後傾 の滑り方と言えます。
いっぽう、こっちのタイプの滑り方は、斜面に対しては後傾になっていませんが、スキーに対して後傾 になっています。(そもそも、斜面に対して後傾で、なおかつスキーに対しても後傾というダブルの後傾だと、コブを滑ること自体がほぼ不可能です)
この滑り方、低速のズルドンであればなんとかコブを滑ることができます。
でも、もっとスピードを出したり、さらに後傾になってしまったりすると、スキーが前にすっぽ抜けて、コブのラインからはじき出されてしまいます。
また、常にお尻が後ろに下がった体勢をキープしているため、空気椅子を続けているような体勢になり、モモの前側の筋肉がすぐに疲れてしまいます。
このタイプの滑り方をしている場合も、テールジャンプがお勧めです。
テールジャンプをすることで、後ろに下がったお尻が前に出て、ポジションが前にリセットされる局面をつくることができます。
また、テールジャンプではトップを支点にテールを振る滑り方 になります。
いままでテールを支点にトップを振る滑り方 をしていたので、これとは正反対の操作法を覚えることになります。
スキー操作の幅を広げる意味でも、とても良い練習になるのではないかと思います。
さて、ここまでで「テールがひっかからない」と「ポジションが前になる」という、2つのメリットを見てきました。
次の項では「先落としの動きにつながる」という点について見ていきましょう。
●先落としの動きにつながる
ある程度コブを滑れるようになると、次の上達のターゲットとして「先落としができるようになること」を目標としているかたが多いのではないかと思います。
ここでテールジャンプにトライしてみることで、先落としができるようになるきっかけがつかめるかもしれません。
テールジャンプにはテールを上に引き上げる動作が含まれますが、テールを上げると、その反対側にあるトップが下がる動きにつながります。
実際のところ、テールジャンプはジャンプしてテールを引き上げる動きになるので、厳密には先落としの動作とは異なります。
ただ、その中にも先落としに近い動きもあります。
それは、テールを引き上げるときに行うヒザの関節を曲げていく動きや、スキーのトップに圧を加えていく感覚など、これらは先落としにも通じる動作です。
これを身に付けることは、先落としを習得する近道になるかもしれません。
では次に、「短く狭いスペースでスキーを回すことができる」というテールジャンプのメリットについて見ていきましょう。
◆短く狭いスペースでスキーを回すことができる
コブが難しい原因の1つに、「ターンするスペースが限定されている」ということがあります。
上達してくれば、コブでのライン取りやスキーを回すタイミングなどを変化させて滑ることができるようになります。
いっぽう、コブ初級者の場合、まだテクニックの幅が狭いので、滑ることができるラインはかなり限られています。
つまり、スキーを回し始める場所や、ずらして減速する場所、コブに落ちる場所など、かなりの制約があるということになります。
そのため、「この場所でこの操作を行う」というタイミングを逸してしまうと、即コースアウトという結果になってしまいます。
特にスキーを回し始めるところは、非常に限定された狭いスペースになります。
つまり、スキーが進んで行く距離が短いスペースの中で、スキーをある程度回し込んでいく必要があるということになります。
ではここで、整地を滑っている場合と比較してみますね。
整地で「ターンを開始からスキーがフォールラインに向くまで回していくところ」を見てみましょう。
板のサイドカーブとずらすことによってスキーが回っていきますが、ターン切り替えからフォールラインに向くまで、わりと長いスペースをとっています。
ショートターンの場合であっても、だいたい数メートルくらいは進んでいるのではないでしょうか。
これをコブに当てはめてみましょう。
コブでは整地のように距離をとることができないことがわかります。
つまり、コブでは整地よりもずっと短かく狭いスペースの中で、スキーを回さなければならないということになります。
これが、整地と異なるところで、コブの難しいところではないでしょうか。
ここで逆の見方をすれば、短いスペースの中でスキーを回すことができる操作 がコブでは必要になってくるということになります。
そこで、テールジャンプなのですが、この条件に最もマッチしているスキー操作と言えるのではないかと思います。
テールジャンプであれば、ほんの短い移動距離の中でも、スキーを振って回すことができます。
これを覚えることにより、コブを滑るうえでのターン開始位置とタイミングの制限がかなり緩くなったと感じられるのではないかと思います。
ここまでで、テールジャンプのメリットとして、「テールがひっかからない」「ポジションが前になる」「先落としの動きにつながる」「短く狭いスペースでスキーを回すことができる」の4つを見てきました。
最後に、もう1つのメリットである「難しい条件のときに有効」について考えていきましょう。
●難しい条件のときに有効
ここまででお話してきたテールジャンプのメリットは、主に初級者にとって有効なポイントでした。
でも、この「難しい条件のときに有効」というメリットは、初級者のみならず、中級者や上級者にもあてはまります。
では、テールジャンプが役に立つような難しい条件を、いくつか見ていきましょう。
●深い新雪やクラストしているとき
夜の間に雪が降って、朝、新雪でコブが半分埋まってしまっているようなことってありますよね。
こんなとき、テールジャンプが有効です。
この新雪が軽いパウダースノーであれば、普段通りの滑り方でもスキーを動かすことができることがあります。
いっぽう、これが湿って重い新雪になると、スキーを回そうとしても引っかかって回ってくれません。
こんな時はテールジャンプでテールを浮かせることにより、スキーを振って回すことができる場合があります。
また、雪面がクラストしていても、テールジャンプなら滑ることができることがあります。
クラストとは、雪の表面に氷のまくができていて、その下に柔らかい新雪があるような、モナカ状の雪のことです。
このような湿った新雪であったり、クラストした状態では、コブのラインをテールジャンプで2~3本滑れば、ラインを掘り出すことができる場合が多いです。
いったんラインが掘り出されてしまえば、その後はだいたい普段の滑り方でそのコブを滑ることができるようになります。
このように、テールジャンプのメリットは、雪質の変化にたいする対応幅の広さがあげられます。
では、次にコブのピッチについて見ていきましょう。
●ピッチが細かすぎるコブ
ごくまれにですが、急いでスキーを回していかなければ間に合わないような、ピッチが細かすぎるラインがあります。
このような普通の滑り方では全く手に負えない細かすぎるコブでも、テールジャンプで滑ることで完走することが可能になります。
でも、これが楽しいかと聞かれると、楽しくはありません。
テールジャンプでラインを完走できたとしても、やっぱりそれ自体に達成感はありません。
こんな感じの細かいコブは、コースアウト覚悟でテールジャンプなしで滑ってみて、「どこまで速く細かいターンを刻めるかるか」を、仲間内で競い合ってみるのもおもしろいのではないでしょうか。
●不規則なコブでのリカバリー
不規則なコブ、例えば、右左右右 のようなコブが突如としてあらわれると、タイミングを狂わされて立て直さなければならないことがあります。
また、ラインの向きが途中で変わって、瞬間的な方向転換が要求されることもあります。
あと、コブのラインにブッシュが出ている部分があると、それを避けるためにラインを大きく変えることもあります。
それに、滑っているときにバランスを崩して、無理な体勢から次のターンに強引に入っていかなければならないようなケースもあります。
このような状況のリカバリーにおいて、テールジャンプが役立つことがあります。
ただリカバリーは、考えてから行っていたのでは間に合わないので、瞬時の判断というよりも、考えなくても体が勝手に動くような反射的な対応が必要になってきます。
考えなくても反射的にテールジャンプでリカバリーできるくらいになれば、この技術をマスターできていると言って良いのではないでしょうか。
●リカバリーを個別に練習する難しさ
そもそもリカバリーは、それ自体を個別に練習することが、とても難しい分野だと思います。
例えば、スキーがすっぽ抜けて後傾になってしまったときのリカバリーを練習してみるとします。
試しに、次のコブでわざと後傾になって飛ばされてみます。
すると、バランを崩すことに対して、あらかじめ体が身構えてしまっています。
つまり、このように意図的につくった飛ばされた状況は、本当に飛ばされてしまった状況とは全く違ったものになってしまいます。
それに加え、事前に頭の中でバランスを崩してリカバリーする様子を思い描いています。
これは、リカバリーに必要な瞬時の判断や反射的な動きとは全くの別物ではないでしょうか。
リカバリー能力を高めるためには、普段からテールジャンプやダブルストックなどのリカバリーに必要な動きの練習を地道にしておいて、いざというときにとっさに出せるようにしておくといいのではないかと思います。
また、自分の限界ギリギリで滑る本数を増やし、本当にリカバリーが必要な状況になってみることも、リカバリー能力向上には効果的なのではないでしょうか。
あと、これは自分への戒めでもあるのですが、やっぱり普段からの筋トレも大切だと思います。
踏ん張りがきく筋力が、いざという状況を挽回するときに後ろ盾になってくれます。
今回はここまでになります。
次回の Part3では、テールジャンプのデメリットなどについて見ていきますね。
おわり
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コブ中級者への道(その6) - テールジャンプ Part 1
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さてさて、今回は「テールジャンプ」について話していきますね。
まず、ここで言うテールジャンプとは、どんな滑り方なのかを見てみましょう。
この滑り方、コブが苦手なかたが安定して安全に滑り下りてくるのに最も適しているのではないかと思います。
またこれは、安全確実に滑るためのものだけではなく、その先の上達にもつながる要素がたくさん含まれています。
なので、
「ズルドンでコブを低速で滑れるようになったけど、そこから先はどうすればいいんだろう?」
というかたに、ぜひとも試していただきたいです。
今回の記事では、Part1 で「テールジャンプの実践方法」について説明します。
そして、Part2「なぜテールジャンプが有効なのか」といったことについて話していきますね。
本来であれば、先に「なぜ有効なのか」を話し、それを理解してから「実践方法の説明」に入るのが、順序としては自然な流れかと思います。
ただ、このテールジャンプについては、「なぜ有効なのか」というポイントがたくさんあります。
そのため、これらポイントの説明を読んでいるうちに「いつになったら実践方法に入るんだろう?」という感じになってしまうかもしれません。
なので、今回は先に「テールジャンプの実践方法」について説明してから、その後で「テールジャンプのメリット」について書いていきますね。
◆テールジャンプの実践
「テールジャンプをやったことがない」という場合は、まず最初に整地で試してみることをお勧めします。
●整地でテールジャンプ
ゆったりとしたターンで滑りながら、ターン切りかえのところでジャンプしてテールを上げてみます。
軽くジャンプして、両方のスキーのテールを同時に上げます。
このとき、トップは雪面に接したまま、テールを持ち上げるような形になります。
スキーをしているときはブーツを履いているので、足首の動きが制限されています。
そのため、ブーツを履いていない状態でジャンプする感覚とはだいぶ異なります。
なので、初めての場合、スキーで滑りながらジャンプするということは、思ったほど簡単ではないかもしれません。
もしここで、後傾のポジションで滑っていると、ジャンプすること自体が難しくなります。
ジャンプするためには雪面を蹴っていく足場が必要になるので、スキーをしっかりと踏み込めるポジションが大事になります。
なので、滑っている状態で軽くジャンプしてみることは、それ自体にポジョンを修正する効果があります。
また、実際はスキーが前に進んでいる状態でジャンプすることになるので、真上にジャンプする感じだと体が遅れてしまいます。
なので、ちょっと前のほうにジャンプするような意識をもつといいと思います。
さらに、テールを浮かせていくには、前に飛び込んでいくような感じでジャンプしてみるくらいが適しているのではないかと思います。
あと、ジャンプした瞬間にヒザを曲げて、カカトをお尻に引き付けるような動きをすると、より大きくテールを浮かせることができます。
では次に、これらの動きをターンしていく一連の動作に組み入れて考えてみましょう。
まず、ターン後半のエッジングしているところで脚を曲げて沈み込みます。
ここではジャンプする力をため込んでいる状態です。
そして、雪面を蹴って脚を伸ばし、ジャンプします。
エッジングでため込んだエネルギーを斜め前上方向に解放します。
スキーのテールを上に引き上げて回します。
空中でエッジ(ターン)が切り替わります。
着地してターンに入ったら、またエッジングして沈み込み、次のジャンプに備えて力をため込みます。
以後、この繰り返しになります。
これは、やっているうちに慣れてくるので、思い立った時に少しづつ練習してみることをおすすめします。
ゆったりとしたターンでこれができるようになったら、次はもっと速いテンポで行ってみましょう。
テンポを速くすると、最初のうちは外脚から外脚に踏みかえる動き がでてしまうかもしれません。
これでも大きな問題にはなりませんが、できれば両足を一緒 に動かせるようになることが望ましいです。
慣れてくれば、着地した反動を利用してジャンプできるようになります。
これを、プロペラのように着地してすぐにジャンプできるようになったら、コブで行う準備が整ったと言えるのではないでしょうか。
●重心を前にしてテールを上げてみる
あと、もう1つ試してもらいたいことがあります。
それは、ジャンプするのではなく、重心を大げさなくらい前にしてみることによってテールを浮かせてみることです。
これは、フリースキーでノーズプレスと呼ばれている動きになります。
最初は、平地で止まっている状態で行ってみてください。
体全体でブーツのスネの部分に寄りかかって、重心を大きく前に移動させます。
すると、スキーのトップに強い圧がかかり、テールが軽くなって少し浮く感じになります。
ここで、トップを支点にテールを振ってみると、止まった状態にもかかわらず、クルッと簡単にスキーが回ります。
実際にテールジャンプをおこなう際は、前述の「ジャンプしてテールを引き上げる動き」に加え、このように「前に荷重してテールを浮かす動き」の要素をミックスさせてみるといいのではないかと思います。
これにより、あまり体力は使わずに、楽にテールを浮かせて振ることができるようになります。
また、トップに圧を加えることに慣れてくると、これが先落としの動きにもつながってくるというメリットもあります。
◆コブでテールジャンプをしてみる
整地でのテールジャンプが安定してきたら、いよいよコブで実践です。
コブでテールジャンプを行うときのコツは、整地で行う場合と同じです。
なので、これといって特別なものはありません。
整地でしっかりできていれば、コブでもだいたい同じようにできると思います。
テールジャンプの動きを、コブのピッチに合わせて行ってみましょう。
テールジャンプすることにより、スキーを回すときにテールが引っかかってしまうことはほとんどなくなります。
なので、スキーを振るタイミングは、わりとルーズでもなんとかなってしまいます。
最初のうちは、毎回ジャンプする前に脚を曲げて、体を下に沈み込ませるような動きが必要になると思います。
コブの受けている部分で低い姿勢になり、スキーを強く踏み込んでジャンプする足場を作ります。
そして、上にジャンプするのと同時に、テールを引き上げて振ります。
このように、体の上下の動きが大きい滑り方になります。
そして上達してくると、コブにぶつかったときのエッジングの反動を利用して、テールを引き上げて振ることができるようになります。
このコツやタイミングをつかんでくると、自分からジャンプしていく動きは少なくなっていきます。
これができるようなると、速いテンポでスキーを振ることができるので、コブを滑るスピードを少しずつ上げていくことが可能になります。
そして最終的には、上体や腰の位置は動かさないで、脚とブーツの位置だけが動くような滑りになります。
ここまでできるようになると、テールジャンプのある種の完成形と言えるのではないかと思います。
テールジャンプに慣れてくれば、普段は滑ることができなかったような難しい条件のコブにもトライできるようになります。
コブは、今こうしてブログの記事を読んで滑り方のことを頭の中であれこれ考えているよりも、とにかく実際にコブを滑って体験していくことのほうがよっぽど大事なことだと思います。
なので、いろいろなコブをたくさん滑って、経験値を積み上げていきましょう。
ここまでで「テールジャンプの実践方法」については終わりです。
次回の Part2 では、なぜテールジャンプが有効なのか、そのメリットについて話ていきますね。
おわり
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2021-06-30T14:37:21+09:00
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コブを教えること。コブを教わること。
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えーと、今回は「コブを教えることと、コブを教わること」について話してみたいと思います。
コブを滑っているかたであれば、一緒に滑っている人から滑り方を教わったり、また、上手なかたであれば他の人に教える機会があると思います。
また、スクールなどに入って、そこでコブの滑り方を教わることもあります。
こういった「教える」と「教わる」が、今回のトピックです。
たぶんこのトピックについては、スキーをしているかたは各々で思うところがあるのではないでしょうか。
ここではその答えを導き出してやろうというわけではなく、どこにでもいるような1人の一般スキーヤーがぼんやりと思っていることにすぎません。
きっと各々の見解は異なるので、これから書いていくことは、これを読んだすべての人が同意できることはなくて、それは仕方のないことです。
それに私自身、これについては強い信念やどうしても伝えたいという思いがあるわけでもありません。
頭の中にぼんやりと漂っている霧のようなものを、とりとめのない感じで文字にしてみようと思います。
◆初心者がコブを通して滑ることができるようになること
コブって、最初の入門段階のハードルが、かなり高い種目ですよね。
というのは、初心者がコブのラインから外れずに、ラインを通して滑ることができるようになるまでが、まずたいへんです。
最初のうちは、滑り始めて2~3コブですぐにラインからはじき出されてしまいます。
それでも、たくさん転びながら練習して、やっとのことでコブを通して滑ることができるようになります。
「ゆっくりだけど、コブのラインを通して滑ることができるようになった」
これは「コブを滑れるようになる」という目標がやっと達成できたということで、とてもうれしい瞬間です。
でも実は、そこがようやく「楽しいコブの世界の入口」だったりします。
その先も、コブの上達には楽しくも長い長い道のりが待っています。
そのいっぽうで、コブを通して滑るところまで到達できないスキーヤーもたくさんいる、ということが現実としてあります。
コブを滑り始めるとすぐラインからはじき出されてしまい、転ぶと痛い。
こうなると、コブを滑ること自体が嫌いになってしまいます。
コブが嫌いなので → コブを滑らない → なのでコブを滑れるようになれない、ということになってしまいます。
その反対に、ゆっくりとでもコブのラインを通して滑ることができるようになれば、コブが楽しくてしかたなくなります。
コブが楽しいので → コブをたくさん滑る → するとさらに上達する、という良い循環が生まれます。
なので、とりあえずコブのラインを通して滑ることができるようになればしめたもの。
そこまでいけば、もっと練習して、もっと上達していく、ということになるのではないかと思います。
で、ここで何が言いたいのかというと、今はコブがきらいで、でもいつかはコブを滑れるようになりたいと思っているスキーヤーの場合は、とりあえずどんな滑り方を駆使してでもコブを通して滑りきることができるようになることがまずは先決 ではないでしょうか、ということです。
なので、たとえそれが一般的にはあまり推奨されていないような滑り方であったとしても、もしそれによってコブを通して滑ることができるようになったのであれば、それはそれでとても大きな意味があることなのではないかと思います。
コブのラインを通して滑れるようになるとコブが好きになり、たくさんコブを滑るようになります。
すると、その滑り方に悪いところがあったとしても、たくさん滑ることによって自然に上達し、その悪いところも自然に改善されていくことが多いのではないでしょうか。
ここで、たとえばの話ですが、上体を回してターンに入ることによって、はじめてコブを通して滑ることができた人がいたとします。
いままでいろいろ試してみても、コブを滑ることができるようにならなかったのですが、上体を回してターンしてみたら、はじめてコブを通して滑ることができるようになった、という場合を仮定してみます。(くどいですが、たとえばの話ですよ)
もちろん、このように上体を回してターンすることはローテーションしてしまうことなので、良くはありません。
でも、このように上体を回さなければコブを滑ることができないのであれば、最初の入口としてはこれで OK なのではないでしょうか。
そして、ある程度コブに慣れ、恐怖心がなくなってきたところで、上体を回さない滑り方にシフトしていけばいいのではないかと思います。
もしここで、教えている人や一緒に滑っている人から「上体を回すのはローテーションだから良くない」と言われて、最初からその滑り方を禁止されてしまったとしたら、コブを通して滑ることができるきっかけを失ってしまうかもしれません。
そうすると、コブが嫌いになってしまい、その後の上達の芽がつみとられてしまうかもしれません。
(私自身はこんなふうに考えているので、一般的にはタブーと言われているような滑り方であっても、それに対してわりとおおらかなタイプではないかと思います。)
◆好きは伝染する
これはコブやスキーに限ったことではないのですが、自分が教える側の立場になった場合、そこで留意すべき点は、教わっている側の人にその分野のことを好きになってもらうこと が、とても大切なことだと思っています。
もし教わった人がその分野を好きになってくれれば、教える側の人がいないときでも、勝手に練習して、勝手に上達していきます。
当然その反対もあって、その分野が嫌いになってしまえば、それっきりになってしまうかもしれません。
つまり、教えるのは一時でも、それは教わる人のその先の時間の使い方や向き合い方にも影響してきます。
なんだか「教える側の人は責任重大」みたいなことを書いてしまいました。
でも、教える側の人にも、それ相応のちゃんとした見返りがあります。
それは、自分が好きで情熱をかたむけている分野を、他の人も好きになってくれて、その感情を分かち合うことができたら、それはとてもすばらしいことなのではないでしょうか。
そしてさらに、その分野を好きになった人から発せられる「楽しい ♬」という波動に周りの人たちが共振していって、新しくその分野を好きになっていく人たちがますます増えていくかもしれません。
◆コブの滑り方を尋ねられたら
こんな自分でも、スキー場で他の人からコブの滑り方について尋ねられることがあります。(単なる社交辞令かもしれませんが...)
そんなとき、もしその人が既にコブを滑ることができる場合は、けっこう無理難題を言ってしまうことがあります。
それは、もうその人はコブの楽しさがわかっているので、「言われたことがちょっとできないくらいでコブを嫌いになることはないだろう」という、確信めいたものがあるからです。(それに、もしそれができるようになれば、大幅な上達が期待できるかもしれません)
いっぽう、がんばればコブを滑れるようになるかも? くらいの人には、わりとデリケートな対応が要求されます。
なぜなら、このくらいの人は、コブが好きになるか嫌いになるかの分岐点に立っているかもしれないからです。
なのでここでは、「コブのなかでもしっかりとターン孤を描く」みたいな正論を言ってしまうのはマイナスかもしれません。
また、根性論で諭すのも、あまりおすすめできません。
では、どういった教え方がいいのでしょうか?
次の項では、これについて考えてみますね。
◆教わる側の人によって変わる教え方
コブの滑り方って、いろいろありますよね。
その中には、「コブ初心者に適している滑り方」と、「コブ中級者以上に適している滑り方」があります。(かなりおおざっぱで、強引な分け方ですが、説明の便宜上ご了承ください)
それらの滑り方をいろいろなパーツや技術に分けて見ていくと、初心者と中級者以上の技術で共通している点があるいっぽうで、異なっている点もあります 。
なので、仮にこの見方で考えていくと、コブを滑る技術は以下の3つに分類されることになります。
- 初心者と中級者以上の両方に当てはまる点
- 初心者には当てはまるが、中級者以上には当てはまらない点
- 中級者以上には当てはまるが、初心者には当てはまらない点
ここで仮に、まだコブを滑ることができない人がいたとします。
そして、この人にコブの滑り方を教える立場になったとします。
このとき、上記3つのうち、どれを教えていけばいいでしょうか?
個人的な見解としては、これは画一的なものではなく、教わる側の人によって変えていく必要がある ように思います。
では、教わる側の人のどのような違いによって変えていけばいいのでしょうか?
これは、教わる側の人の現時点の技術レベル は当然として、その他にもいろいろな要素があります。
それは、
- 体力
- 運動神経
- 年齢
- この先の練習量
- 危険やケガに対する許容度
- 上達に対するモチベーションの強弱
などが考えられます。
たとえば、現時点ではコブを滑ることができないけど、若くて体力があり、運動神経が良く、今後もたくさん練習して絶対に上手くなりたい、というスキーヤーがいたとします。
この場合は、「初心者には当てはまるが、中級者以上には当てはまらない点」は、あえて教えないほうがいいかもしれません。
その点とは、たとえば、ズルドンで低速で滑るときだけに有効なポイントだったりします。
そしてそれは、もっと上達してスピードを出していったときに適していないことになってしまうかもしれないからです。
でもそれを、「これがスキーの基本で大切なところ」みたいな教わり方をしてしまった場合、その教えを守っているところがかえってネックになってしまい、その先の上達を阻害してしまうことになります。
では、どういった点を教えればいいのでしょうか?
このスキーヤーの場合は、「初心者と中級者以上の両方に当てはまる点」だけを教えるといいのではないかと思います。
これだと、「初心者には当てはまるが中級者以上には当てはまらない点」は教えないことになります。
なので、最初にコブを低速ズルドンで通して滑れるようになる段階までは少し時間がかかってしまうかもしれません。
でもその後、低速ズルドンは早々に卒業し、その先は順調に上達していくのではないでしょうか。
初心者のときに変な癖もつきにくいように思います。
では次に、これと正反対のスキーヤーの場合を考えてみましょう。
たとえば、現時点でコブを滑ることができなくて、わりと高齢であまり体力はなく、スキーは年に数回しか行かなくて、スキーは怪我無く楽しめればればそれでいい、というスキーヤーがいたとします。
この人にコブの滑り方を教えるとき、何を教えればいいのでしょうか?
この場合は、「初心者には当てはまるが、中級者以上には当てはまらない点」と「初心者と中級者以上の両方に当てはまる点」の2つを教えるのがいいのではないかと思います。
このスキーヤーにとっては、低速ズルドンでコブを通して滑ることができるようになるところが、自身のコブ技術の最高到達点になる可能性が高いです。
また、本人もそれができれば十分に満足かもしれません。
ここで、もし「中級者以上には当てはまるが、初心者には当てはまらない点」を教えられたとしたら、コブを滑れるようにはなれないかもしれません。
それはたとえば、「脚を深く曲げてコブの衝撃を吸収する」だったり、「コブでスキーをしっかりたわませる」だったとしたらどうでしょうか。
コブを滑ることができない初心者がこれを実行すると、当然1つめのコブでスキーがすっぽぬけ、ラインからはじき出されてしまいます。
では、最初にでてきたスキーヤー(若くて体力があって、の人)と同じように「初心者と中級者以上の両方に当てはまる点」だけを教えてもらったとしたらどうでしょうか?
このような「初心者と中級者以上の両方に当てはまる点」はどちらかというとスキーの根本的で王道的なポイントが多いように思います。
そうなるとなかなか一朝一夕で身に付けるのは難しく、短期間では効果が表れにくいことも事実です。
それでは、年に数回しかスキーに行かない場合、十分に練習する時間をとれずに、コブをあきらめてしまうかもしれません。
ここではやはり、「初心者には当てはまるが、中級者以上には当てはまらない点」も教えた方がいいのではないかと思います。
「初心者には当てはまるが、中級者以上には当てはまらない点」ということは、最初の入口のところでは有効ですが、さらに上達していくと、その効力が失われてしまいます。
つまり、これはいうなれば「とりあえずコブを滑れるようになる小技的な手法」ということになるのかもしれません。
こういった手法は、短期間でわりと効果が現れやすいことが多いように思います。
なので、もしそのスキーヤーの生涯の最高到達点が低速ズルドンで、それ自体に十分満足できるのであれば、こういった技術を教わることは価値のあることなのではないでしょうか。
また上の方で書いたように、小技的な手法であっても、それでコブを通して滑ることができるようになれば、コブが好きになってもっと上達できるかもしれません。
ただ、そのいっぽうで、こういった手法はそれ以上に上達していくと、すぐに天井にぶち当たってしまうことになります。
また、場合によってはそれがかえって悪いクセになってしまうということも多いです。
ではここで、自身の生涯の最高到達点が低速ズルドンより上になったケースを考えてみましょう。
「とりあえずコブを滑れるようになる小技的な手法」を覚え、コブのラインを通して滑ることができるようになったとします。
すると、とたんにコブが楽しくなって、場合によってはコブにのめり込んでしまうかもしれません。
そして、オフの期間もしっかりトレーニングして体力つけて、シーズン中は毎週スキー場に通うようになってしまうかもしれません。(コブにはこういった中毒性があります)
こうなると、低速ズルドンは早々に卒業し、さらに上の滑りを目指していくようになります。
で、ここで問題となりかねないのは、以前に教わった「初心者には当てはまるが、中級者以上には当てはまらない点」です。
本人としては、これを教えてもらったおかげでコブを滑れるようになって、スキーにのめり込む1つのきっかけになった、という強烈な成功体験があります。
でも、もしその後もこれに固執し、コブでは絶対的に正しい重要ポイントだと思い込んでしまっていたとしたら、それはその先の上達を阻害してしまうことになります。
また、これによって、低速ズルドンの滑りからなかなか卒業できない、なんてことになってしまうかもしれません。
では、どうすればいいのでしょうか?
これはたぶん、教える側の人が教えているときに、「この方法はとりあえずコブを滑れるようになる初期の段階では有効だけど、もっとスピードを出すようになったらやめた方がいい」というような説明をしていくことが大切ではないかと思います。
つまり、「初心者には当てはまるが、中級者以上には当てはまらない点」と「初心者と中級者以上の両方に当てはまる点」を、しっかりと識別できるように説明すればいいということになります。
でもこれって、実際はなかなか難しいですよね。
滑りの技術は初心者と中級者以上の違いだけではなく、初心者から中級者くらいまでなら有効なものもあれば、上級者くらいになってはじめて有効になってくるものもあるし、
それに、こういった技術レベル違いだけではなく、ラインどりの違いで有効な場合と有効ではない場合、
また、スピードの違いや、その日のコブの形や雪質の違いなど、様々な複雑な要因がからみあっています。
なので、これを明確に分類することは、困難な場合があります。
つまり、こういった要因も含めて分類して説明できれば、それが理想だと思います。
それはたとえば、「今日みたいなコブの場合、今のあなたくらいの実力であれば、こういう滑り方をしたほうがいい。でも、他の条件のコブや違うラインどりでは、これは変えていったほうがいいこともある」みたいな感じでしょうか。
それに、実際これをスキー場でリフトに乗っている時間などに、短時間で説明して理解してもらうということは、なかなか難しいことだと思います。
私自身、スキーから帰る車の中で「あー、あのときこうやって説明しておけばよかったな」と思いかえすことがしょっちゅうあります。
まあ、こういった後悔があるからこそ、こうやって細々とブログを書き続けているのかもしれません。
◆教える側の人の技術レベル
さて、ここで重要になってくるのが、教える側の人のスキーの技術レベルです。
教える側の人は、やっぱりある程度高い技術レベルであることが望ましいです。
なぜなら、スキー技術のレベルが低いと、自分ができていないことは理解できていないので、それを識別したり説明したりすることができないからです。
たとえば、低速ならコブを滑ることができるコブ初級者が、コブを滑ることができない人に教えているとします。
この場合、教える側の人がまだ初級者なので、中級者以上のスキーヤーがどうやって滑っているのかがわかりません。
そのため、いままででお話ししてきたような以下の違いを、識別することはできないと思います
- 初心者と中級者以上の両方に当てはまる点
- 初心者には当てはまるが、中級者以上には当てはまらない点
- 中級者以上には当てはまるが、初心者には当てはまらない点
つまり、教わる側の人に対して、これらを識別できるように説明することはできないということになります。
この場合、低速で滑るときにしか当てはまらないような技術を「これをやれば、コブではまちがいなし」、「これがスキーの基本で、どんな場合においても普遍的なものだ」みたいな教え方になってしまう危険性があるかもしれません。
つまり、「初心者には当てはまるが、中級者以上には当てはまらない点」を、「すべての技術レベルにおいて当てはまる点」として教えていることになります。
そして、それを鵜呑みにしてしまうと、短期的には上達できるかもしれませんが、すぐに上達が頭打ちになってしまいます。
もちろん、教えている側の人はそれが正しいと信じていて、それを伝えていることは良かれと思ってやっていることなので、それは咎められる類のものではまったくありません。
ただ、こういったリスクはあるのではないかと思います。
なので、初心者がコブを滑れるようになった後の、さらにその先の上達のことも見据えて考えていくと、上手な人から教わったほうが脇道にそれてしまうリスクは少ないのではないでしょうか。
まあ、これを書いている私自身がたいしてスキーが上手なわけでもないので、今書きながら墓穴を掘っている状態です。 ( ← これが今回の落ち です)
またいっぽうで、これもよく言われていることですが、「自分より少し上手」くらいの人から教わったほうがいい場合もあります。
教えている人が教わる人とは比べ物にならないほど上手な場合、教えている人にとっては簡単なことなので「何でこんなことができないんだろう?」と思ってしまうことが少なくありません。
いっぽう、教わる人より少し上手くらいの人であれば、そのできないことについて、リアリティをもって対応することができます。
またさらに、初心者であったり、スキーに関してまったくの素人だったり、こういった方々の見る目もあなどれません。
なぜなら、人には優れたものを見分ける目利きの能力が元来そなわっているからです。
それは、たとえばスキーで効率的な滑りであれば、誰が見てもそれは美しく力強く見えます。
反対に、非効率な滑りであれば、それを見た人はそこに違和感をおぼえます。
実際に、私自身、こういった初心者の人からの見解が参考になったことが、何度もあります。
こういった非効率な滑りを見て感じる違和感、それについては信頼に値します。
でも、どうすればその違和感を改善する方向に導けるのか、といった技術的なことは初心者にはわかりません。
初心者からのアドバイスは、たぶん「手の位置がおかしいから、こうやって直したほうがいいい」みたいな外見的なことになると思います。
実際にその外見的な違和感は確かに存在しているのですが、でも、その違和感の根源になっている部分はまた別にあって、それは初心者にはわかりません。
そういった技術的な核心部分については、それができる上手な人でなければ見えないところだと思います。
◆整地でしっかり練習する? いきなりコブいっちゃう?
最後に少しだけ、別のトピックについてふれてみますね。
それは、「コブ初心者は、整地である程度練習してからコブに行くべきか、それともいきなりコブにいっちゃうか」、についてです。
これはよく言われていることですが、「整地でできないことは、コブでもできない」という理解が大枠としてあります。
なので、コブで必要になってくる動きを、整地である程度は練習しておいたほうがいいのではないかと思います。
なので、私としては「コブ初心者は整地で練習してからコブに行くべき」に一票です。
ただ、「整地でできないことは、コブでもできない」ということが絶対的に正しいのかというと、必ずしもそういうわけではありません。
それは、コブには凹凸があるので、この形を利用することによって可能になる動きもあるからです。
これに関しては「整地ではできないけど、コブならできる動き」ということになります。
こういった動きは、整地で無理やり練習するより、コブで練習するほうが効率的です。
でも、だからと言って、いきなりコブにいくべきなのかというと、それは違うと思います。
コブでおこなう動きの多くは整地でもできるので、最初はそれらを整地で練習しておきます。
そして、その後コブを滑るようになったところで「整地ではできないけど、コブならできる動き」を練習する、といった順番がいいと思います。
ただ、自分が初心者だったころのことを思い出してみると、下手なのにいきなりコブに行っちゃってたタイプでした。
これは自分の性格的なものもあると思います。
たとえば、何か家電製品を買ってきたとします。
そのとき、いつも取扱説明書は読まずに、いきなり設置して使ってみます。
もし設置方法や使い方でわからないところがあったら、そこではじめて取扱説明書の該当箇所を読んでみる、といった感じです。
このように、せっかちでめんどくさがり屋の性格なので、コブをいきなり滑り始めたわけです。
もちろんコブでは玉砕の連続でした。
そこではじめて整地でプロペラターン などの練習を始めました。
無謀なように感じられるかもしれませんが、いきなりコブに行ってしまったことには良かった点もあったと思います。
それは、コブを実際に体験したことで、整地で行う練習の意味が理解できたということです。
地味な整地の練習でも、それがコブの滑りにどのようにつながっているのかが理解できていれば、その練習に本気で取り組むことができます。
ここでもし、コブを滑った経験が不足している段階で、スクールに入って整地でプロペラをやらされていたとしたら、「なんでこんな疲れることやらなくちゃいけないんだ」と、不満に思ってしまったかもしれません。
で、ここでの結論ですが、コブを教える立場になった場合は「コブ初心者は整地で練習してからコブに行ったほうがいい」という意見です。
でも、私本人は、下手なのにいきなりコブに行っちゃってたタイプで、結果的にそれで良かったんじゃないかな、と思っています。
おわり
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2020-11-16T11:59:19+09:00
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コブ中級者への道(その5) 負の連鎖 Part 4
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さてさて、今回は「負の連鎖」の最終回、Part 4 です。
Part 1、Part 2、Part 3 をまだ読んでいない場合は、以下のページを先にお読みください。
●負の連鎖 Part 1
●負の連鎖 Part 2
●負の連鎖 Part 3
では、早速はじめていきますね。
◆重心が後ろにある状態で次のターンに入ってしまうと、スキーがハの字になる
前回の Part 3 では、「スキーがハの字に開いてしまうこと」についてふれてきました。
その欠点があらわれてしまう原因は、スキーの前後差であったりエッジを立てていることなどによるものだったのですが、実はそれ以外にもスキーがハの字に開いてしまう原因があります。
それは、スキーに対して重心が後ろ(山側)にある状態で、次のターンに入ってしまうこと です。
別の言いかたをすると、斜面に対して後傾のポジションのまま次のターンを始めてしまっている ことになります。
わりと多くのコブ初級者のかたが、このような滑り方をしているのですが、どうしてこうなってしまうのでしょうか?
たぶん、こうなってしまうことの多くは、急いで次のターンに入ろうとしてしまうこと に起因しているのではないかと思います。
急いで次のターンに入ろうとすると、コブの溝に落ちた直後、すぐにスキーを回し始めます。
これだと、まだスキーに対して体が後ろ(山側)に位置している状態で、次のターンに入ってしまうことになります。
では、このときどのようにして「ターンを始動する動き」を行っているのか、見てみましょう。
まず、コブにドスンと落ちた直後に、スキーを次のターン方向に回し始めます。
ここで、外スキー(谷側のスキー)に全体重をかけて、内スキー(次のターンの外スキー)に体重がかかっていない状態にします。
これで、内スキー(次のターンの外スキー)がフリーの状態になります。
そして、体重をかけた外スキーを足場にして、フリーになった内スキー(次のターンの外スキー)を回していきます。
そうすると、外スキーから次の外スキーに踏みかえて回していく動作がでてしまい、スキーのテールがハの字に開いてしまいます。
このときの体とスキーの位置関係はどうなっているでしょうか?
スキーが前 で体が後ろ になってますよね。
つまり、ポジションとしてはまだ次のターンに入る準備ができていないのに、足(スキー)は次のターンを開始してしまっているということになります。
結果として、体とスキーの動きがちぐはぐになってしまうだけではなく、左右のスキーの動きもバラバラになってしまいます。
ではどうすればいいのかと言うと、次のターンに入るための適切な体とスキーの位置関係 ができてから次のターンを始動すれば、このような問題は起こりません。
つまり、体の前にあったスキーが、体の下に位置する状態になるのを待ってから、次のターンに入ればいい ことになります。
このようにするには、ターンを開始するタイミングを今までより遅らせるような意識を持つのが1つの有効な手段になります。
ただ、ターンを開始するタイミングを遅らせることに抵抗を感じているかたも多いのではないでしょうか。
特に細かいピッチのコブでよくあることですが、ターンするタイミングが遅れてしまい、すべての対応が後手後手に回ってしまうことがあります。
こうなると、ターンが間に合わなくなり、最終的にはコブのラインから飛び出してしまうことになります。
こういった失敗を繰り返すと、「コブではできるだけ早く次のターンに入らなきゃ」、と意識するようになるのではないでしょうか。
すると、体の下にスキーが戻ってくるより早く、つまりスキーが体の前(フォールライン側)にある状態で次のターンに入ろうとしてしまいます。
ここでは、スキーを早く回そうとするより、「重心を前にする」、または「体の下にスキーをキープする」ような意識を優先したほうが、結局はスキーが早く回ってくれるのではないかと思います。(これについては後ほどお話ししますね)
では、踏みかえる動きによりスキーがハの字に開いてしまうプロセスについて、もう少し詳しく見てみましょう。
1. コブの落ち込む部分を下っていき、溝に落ちます。
このとき、脚を突っ張って伸ばしていく方向に力をかけ続けています。
これは、
スキーをずらして減速するため
と、
コブにぶつかったときに受ける衝撃に耐えるため
の2つが主な要因です。
脚を突っ張ってフォールライン方向に伸ばしているので、スキーが谷側(前側)で体が山側(後ろ側)のポジョンになります。
2. コブの溝に落ちます。
ここで、できるだけ早いタイミングで次のターンに入ろうとします。
このとき、外スキーを足場にして内スキー(次のターンの外スキー)を回していくので、外脚をつっぱって伸ばしていくような力をかけ続けています。
外脚を突っ張っているため、外スキーに対して体が山側(後ろ)にある状態がキープされます。
そうすると、重心がスキーに追いついて、体の下にスキーが位置するポジションになる前に、次のターンに入ることになります。
つまり、まだ重心が後ろ(山側)で、スキーが前(谷側)にある状態で、次のターンに入ろうとしてしまいます。
この場合、外スキーから次のターンの外スキーに踏みかえる動作になり、スキーのテールがハの字に開いてしまいます。
このように外スキーから外スキーに踏みかえて回していく動きは、体勢が遅れてしまったときのリカバリー動作としては有効かもしれません。
ただいつも、毎ターンごとに踏みかえて回していく動作を行っていると、常にスキーのテールが開いてしまい、安定した滑りが難しくなってしまいます。
そのため、ふだんからこのような滑り方をしている場合は、滑り方を見直してみたほうがいいのではないでしょうか。
では次に、どうすればこのようなハの字に開いて踏みかえる動作が無くなるのか、考えてみましょう。
これはそもそも、重心がスキーより後ろになっている状態で次のターンに入ってしまうことが原因になっています。
なので、重心がスキーの真上に来たところで次のターンに入れば、スキーがハの字に開いてしまうことは無くなります。
でもここで、減速しようとする意識が強すぎると、斜面下側にスキーを押し出して、ブレーキをかけ続けてしまいます。
このようにスキーを斜面下側に押し出し続けていると、常に体に対してスキーが前に出た状態になってしまい、ターン切りかえ時にスキーがハの字に開いてしまいます。
この場合は、脚を斜面下側につっぱって伸ばし続けるのではなく、コブにぶつかったところで重心が前に行くように、脚を適度に脱力する ことが必要になってきます。
ただ、コブでこのような滑り方になってしまうスキーヤーは、整地でも同じような滑り方をしていることが多いように思います。
つまり、重心がスキーを後ろから前に追い越していく局面がなく、常に重心が後ろ(山側)で、スキーが前(谷側)にある状態で滑っています。
この場合は、重心とスキーの位置の前後の入れ替えができるように、まず整地の滑り方から変えていったほうがいいのではないかと思います。
いっぽう、整地ではちゃんと重心とスキーの前後の入れかえができているのに、コブになるとこれができていな場合もあります。
これは、多くの場合、早くスキーを回そうとしすぎていること が原因になっています。
なので、コブにぶつかった直後にすぐに次のターンに入ろうとするのではなく、ブーツがコブの頂点に乗り上げるところまで待ってからスキーを回していく意識をもつといいのではないかと思います。
コブの溝から頂点に乗り上げていくところで、重心がスキーに追いつき、体の下にスキーがある状態になります。
この状態になったタイミングが、重心とスキーの位置関係が次のターンに入る準備ができたと言えます。
かなり後傾になってしまった場合を除き、コブの頂点では体の下にスキーがあるポジションになります。
そのため、自分からスキーをひねって回していくタイミングを、コブの頂点に乗り上げるところまで待つことができれば、左右のスキーは同じタイミングで回り始めます。
そうすれば、スキーがハの字に開く動作は無くなります。
また、負の連鎖の Part 1 から Part 3 までで見てきたように、コブの肩に乗り上げていく方向へ進めば、自分からスキーをひねって回していかなくても、スキーは自然に次のターン方向へ回り始めます。
このようにスキーが自然に回り始めるようになるには、スキーの滑走面が雪面に対してフラットになっていて、体の下にスキー(ブーツ)があることが望ましいです。
この状態は、つまり、整地で言うところの「切りかえ時のニュートラルポジション」のような感じです。
ここでニュートラルポジションになるということは、コブにぶつかったところで、体がスキーに追いついて重心がスキーの真上にある状態になることです。
また、別の言い方をすれば、コブにぶつかったところで、スキーが体の下に引き戻されて、スキーが重心の真下にある状態になります。
つまり、コブにぶつかって早いタイミングでニュートラルポジションになることができれば、早いタイミングで次のターンに入ることができるようになります。
では、どうすればニュートラルポジションに早く入ることができるようになるでしょうか?
これは、コブの落ち込む部分を下っていくときに、体の下からスキーが前(斜面下側)に出ている量(大きさ)を少なくしてみる といいのではないかと思います。
なぜかというと、コブにぶつかる前から体とスキーがあまり離れていなければ、それだけコブにぶつかったときにニュートラルポジションになりやすくなるからです。
では、コブにぶつかったところで、どのようにしてニュートラルポジションになるのかを見てみましょう。
コブの落ち込む部分を下っていき、コブの溝に落ちます。
ここでスキーには、下方向(フォールライン方向)へ進んで行く慣性(勢い)にブレーキがかかります。
いっぽう、体には下方向へ進んでいく慣性が残っています。
この2つの力の差により、前に出ていたスキーに体の重心が追いつきます。
すると、重心の下にスキーがある状態になり、ニュートラルポジションになります。
ここで、体の下からスキーが大きく前に出てしまっていると、コブに落ちた後もまだ体の重心が後ろ(山側)に残っている状態になり、ニュートラルポジションになることが難しくなります。
このように体が山側に残っていると、コブの溝に沿って横方向へ直進してしまいます。
結果として、負の連鎖に陥ってしまうことになります。
いっぽう、体の下からスキーがあまり前(斜面下側)に出ていなければ、コブにぶつかったところで、早いタイミングでニュートラルポジションになります。
また、このようなポジションであれば、コブの溝に落ちた後に、コブの肩に乗り上げていく方向へ進みやすくなります。
つまり、スキーを体の下からあまり前に出さないようにすること が大切になってきます。
ただここで、反対にスキーを全く前に出さないと、コブの溝に落ちたときの衝撃で重心が前に行きすぎてしまいます。
こうなると、前にバランスを崩しそうになるのを筋力で耐えていかなければならないので、体力的に厳しい滑りになります。
なので、スキー場で午後になって疲れてくると、スキーを体の下に保って滑ることが辛くなってきて、どうしてもスキーが前にた出過ぎた後傾のポジションになってしまいがちです。
では、コブの落ち込みでスキーをずらして下っていくときに、体の下からどのくらいスキーが前に出ているくらいがちょうどいいのでしょうか?
これは、スピード、斜度、雪質、コブの溝の角度、コブの深さ、スキーを回し込む角度、そのときのポジションなど、さまざまな条件によって変わってきます。
そのため、これをすぐに感知して適切に対応できるようになるには、コブをたくさん滑って経験値を上げていく必要があります。
上記のようにさまざまな条件があるのですが、これらの中でコブ初級者にとって特に大きく影響してくるのは、スピード です。
コブ初級者は低速で滑ることが多いので、もっと速いスピードで滑っている中~上級者とは、「スキーが前に出ている量(大きさ)の許容範囲」が異なります。
では、スピードの違いによって、スキーが前に出る量の許容範囲がどのように変化するのかを見てみましょう。
まず、わりと速いスピード で滑っている場合です。
スピードが速いと、コブから受ける衝撃が強くなります。
スキーはコブにぶつかって急激なブレーキがかかり、下方向へ向かう慣性が弱くなります。
いっぽう体のほうは、スピードが速いので下方向へ進む慣性が強い状態です。
コブにぶつかってブレーキがかかるスキー、下方向へ進み続けようとする体、この2つの力の差によって、前にあったスキーが体の下に引き戻されます。
そして、スピードが速くなればなるほど、この2つの力の差は大きくなり、スキーが体の下に引き戻される度合も大きくなります。
そのため、ある程度以上の速いスピードで滑っているときは、スキーが体の下からけっこう前に出てしまっていても、コブにぶつかったところでスキーを体の下に引き戻すことが可能になります。
つまり、わりとスキーが前に出すぎている状態でも、それをリカバリーすることが比較的容易と言えるのではないかと思います。(注:これはスキーを横に回し込むスライドターンの場合です。トップから縦にコブに乗り上げていくような滑り方では異なります)
その反対に、体の下からスキーが出ている量が小さすぎると、前にバランスを崩してしまうことになります。
また、コブの内側のラインを速いスピードで滑っている場合は特に、フォールライン方向へ進む慣性が強い状態になります。
この場合、コブにぶつかってスキーが体の下に引き戻されていく過程で、既に次のターン方向にスキーが回り始めていることが多くなります。
これは別の言い方をすれば、ニュートラルポジションになる前に、すでにスキーが次のターン方向に回転していく動きが始まっていることになります。
では次に、ゆっくりとしたスピード で滑っている場合を見てみましょう。
この場合、コブの溝に落ちたところで、それほど大きな衝撃を受けません。
また、体が下方向(フォールライン方向)に進んで行く慣性も、それほど大きくありません。
なので、コブにぶつかってブレーキがかかるスキー、下方向へ進み続けようとする体、この2つの力の差は小さくなります。
そのため、低速で滑っているときは、体の下からスキーが前に出すぎてしまっていると、それをリカバリーすることは難しくなります。
つまり、低速で滑ってい場合は「体の下からスキーが前に出ている量の許容範囲は狭い」と言えます。
ただ、初級者全般に見られる傾向として、コブをずらして下っていくときに、スキーを前に出しすぎてしまっていることがとても多いです。
これだと、低速のスピードに対して、コブにぶつかったところで体の下にスキーを戻すことができる許容範囲を越えている状態になります。
結果的に、コブにぶつかったところで体が山側に残ったままになってしまいます。
つまり、どうすればいいのかというと、低速で滑っている場合は、体の下からスキーを前に出す量を、意識的に少なくしてみることが大切になります。
では、コブの落ち込む部分を下っていく時にどのようなポジションになるのでしょうか?
具体的に見ていきましょう。
スキーをずらして強く減速しようとすると、スキーを踏み込んで脚を伸ばしていく方向に力をかけていきます。
これだと斜面の下方向に脚を伸ばしていくことになるので、スキーが前に出すぎた状態になってしまします。
では、どのようにすればいいのでしょうか?
ここでお勧めしたいのは、
1. スキーを真上からフラットに踏んでいるイメージ
2. 脚は少し曲げた状態で、体の下にスキーをキープしたまま、ずれていくスキーと一緒に下っていく
この 2 点です。
では、この2つについて見てみましょう。
まず、エッジは立てずに、スキーを真上からフラットに踏んでいる 点についてです。
コブの落ち込む部分の傾斜は、かなり急になります。
なので、スキーを真上からフラットに踏んでいても、斜面に対して十分にエッジが立っている状態になります。
滑っているときの感覚としては、これではエッジを立てている角度が少なすぎるように感じてしまうかもしれません。
でも、ご安心ください。
これだけでスキーをずらして減速していくのに、必要十分なエッジ角です。
これ以上にエッジを立ててしまうと、エッジが食い込みすぎて、横方向に進んでしまうことが多くなります。
こうなると、コブのラインから外れてしまいます。
また、エッジを立てすぎてしまうと、エッジが叩かれた際にスキーが急にずれてしまい、足が大きく前に出すぎてしまいます。
そのため、スライドターンでは、スキーを真上からフラットに踏んでいるくらいの感覚がちょうどいいのではないかと思います。
では次に、 脚は少し曲げた状態で、体の下にスキーをキープしたまま、ずれていくスキーと一緒に下っていく について見てみましょう。
コブの落ち込む部分を下って行くとき、脚を伸ばしてスキーを前に押し出していくのではなく、体とスキーの位置関係をキープし続けます。
イメージとしては、ズレていくスキーの真上に乗り続けているような感じがいいのではないかと思います。
また、脚を少し曲げた状態を保っていれば、不意にスキーがずれすぎてしまったときにも脚を伸ばす余裕があるので、体の下にスキーをキープしているポジションを維持しやすくなります。
こうすることで、思ったよりスキーがズレてしまった場合でも、スキーが前に出すぎてしまうことは少なくなります。
上記のように、 ①スキーを真上からフラットに踏む、② 脚は少し曲げた状態で、体の下にスキーをキープしたまま、ずれていくスキーと一緒に下っていく、この2つができていれば、コブにぶつかったところでニュートラルポジションに入ることができるようになります。
では次に、実際に滑るときのポイントについてお話ししてみますね。
ここで確認していただきたいのは、コブの落ち込む部分を下っていくところで、コブの溝に落ちるまでこの状態をキープできているかどうか です。
コブの頂点を越えたばかりの所は、まだ落ち込みの角度は急ではありません。
また、雪がボサボサとしていることが多い部分です。
なので、わりとこのポジションをキープしやすい場所です。
ここからさらに下っていき、溝に近づくと、斜度が急になっていきます。
場合によっては、溝に向かってストンと切り立ったように落ち込んでいることもあります。
コブのこの部分はエッジで削られて、硬い氷がむき出しになっていることが多く、スキーが不用意にずれてしまいやすいところです。
ここで、エッジを立てすぎていたり、脚をつっぱって伸ばしていると、スキーが大きくずれてしまいます。
こうなると、体の下からスキーが大きく前に出て、後傾のポジションになってしまいます。
この硬く急な部分でも、体の下にスキーをキープしたまま、スキーのズレに乗っていくことができていれば OK です。
これを目安にして、できているか、できていないか、を確認してみてください。
これでも実際のところは、体の下からスキーが少しだけ前に出ている状態になります。
しかし意識としては、コブの落ち込む部分で、体の真下にスキーをキープし続けるようなイメージで滑ってみるくらいのほうが、適切なポジションになることが多いのではないかと思います。
このポジションでコブの溝に落ちると、早いタイミングで体の真下にスキーがあるニュートラルポジションになります。
すると、スキーはコブの肩に乗り上げていく方向に進みながら、次のターン方向へ回転し始めます。
また、左右のスキーが同時に回り始めるため、スキーがハの字に開いてしまうことはありません。
今回の内容は、以上になります。
◆負の連鎖がとぎれると
では最後に、Part1 から Part4 までのまとめとして、「負の連鎖がとぎれて、滑りのサイクルが良い方向に回っている状態」を、一連の流れで見てみましょう。
1. コブの落ち込む部分を、スキーをずらしながら下っていきます。
このとき、しっかり減速しようとしてスキーを強く踏み込むと、脚が伸びて、スキーが前に出すぎた後傾のポジションになってしまいます。
そのため、ここではスキーを強く踏んで脚を伸ばしきるのではなく、脚を少し曲げた状態をキープします。
感覚としてはスキーの真上に乗って、スキーに体重をあずけている くらいがいいのではないかと思います。
ずれながら下っていくスキーと一緒に下っていくような感じです。
2. コブの溝にドスンと落ちます。
コブにぶつかった衝撃で、スキーが下方向(フォールライン)へ向かう勢いは弱くなりますが、体は下方向へ進む慣性が働いています。
そのため、コブを下っていくところではスキーが体より少しだけ前に出ていましたが、コブにぶつかったところで、体の重心がスキーに追いつき、重心の真下にスキーがある状態になります。
体の真下にスキーがある状態になるので、コブの受けている部分の雪面に対して、スキーの滑走面がフラットになります。
ここでエッジが立っていると、スキーはコブの溝に沿って横方向へ進んでしまいやすくなりますが、エッジが立っていないので、コブの肩に乗り上げていく方向にスキーは進んで行きます。
3. コブの肩に乗り上げていくところで、自然に次のターン方向へスキーが回り始めます。
ここで、自分からスキーをひねって回していこうとすると、次のターンのエッジが立ってしまい、トップが逆エッジのようになってひっかかってしまいます。
そのため、コブに乗り上げるところでは、エッジは立てずにフラットな状態をキープします。
こうすることで、トップが逆エッジになることはなくなり、自然にスキーは次のターン方向へ回り始めます。
あと、コブの溝に沿って横に進んでしまい、自分からスキーをひねって回していこうとする場合、テールの先端が後ろのコブの落ち込む部分に当たって、引っかかってしまうことが多くなります。
こうなると、スキーを回してくことはできません。
これは、スキーを回していくタイミングが早すぎると、起こりやすくなります。
ここで、コブの肩に乗り上げていく方向へ進んでいけば、自分からスキーをひねって回していかなくても、自然にスキーが回っていくようになります。
また、コブの溝から離れながらスキーが回っていくため、テールが引っかかってしまうことはなくなります。
4. コブの頂点(肩)に乗り上げます。
ここでは、トップとテールが浮いた状態になるので、ブーツを中心にスキーをクルッと簡単に回すことができます。
ここでは、ほとんど自分からスキーを回していく力を使わなくても、ひねりが戻される力でスキーが自動的に回ってくれるような感じになります。
5. コブの頂点を越えて、コブの落ち込む部分に入ります。
横に膨らまないラインを通るので、コブの落ち込む部分のスペースが長くなります。
そのため、スキーをずらすことができるスペースを長くとることができて、減速しやすくなります。
以後、上記の1からの繰り返しになります。
◆思いとは逆になってしまう
ここまでで見てきたように、コブではやろうとしていることと、その結果が逆になってしまうことがあります。
1つは、コブの落ち込みでスキーをずらし、しっかり減速しようとした場合です。
落ち込みで減速しようとする意識が強すぎると、多くの場合、脚が前に伸びすぎてしまいます。
その結果、スキーが斜面の下側に出すぎてしまい、後傾の体勢になってしまいます。
すると、コブにぶつかったところでスキーは横方向に進んでしまい、次のターンに入れなかったり、入れたとしてもスキーをずらして減速するスペースが短くなってしまいます。
結局は十分に減速できずにスピードがでてしまい、コブに飛ばされてコースアウトしてしまいます。
もう1つは、コブにぶつかったところで早くスキーを回そうとしてしまう場合です。
コブではターンが遅れがちになることが多く、そうなると対応が後手後手に回ってしまい、コブのラインからはじき出されてしまいます。
このターンのタイミングが遅れてしまうことを防ごうとして、コブにぶつかった直後にスキーをひねって回そうとします。
すると、トップのターン内側のエッジがひっかかったり、テールが後ろの斜面に当たったりして、回せなくなってしまいます。
こうなると、ブーツがコブの出口に到達するまでスキーを回していくことができなくなり、結果的に次のターンに入るタイミングが遅れてしまいます。
また、スキーが体の下に引き戻される前に次のターンに入ってしまうため、ずっと後傾の姿勢が続いてしまいます。
そして、常に後傾の体勢では、スキーを回しずらくなってしまうので、ターン開始のタイミングがかえって遅れてしまうことになります。
つまり、減速しようとすればするほどスピードが出てしまったり、早くスキーを回そうとすればするほどターンのタイミングが遅れてしまったりと言うように、意図したことと反対の結果になってしまうことがあります。
このように、やろうとしていることに対して反射的に体が反応してしまう動きでは、コブを上手く滑ることができないケースが多々あります。
この場合、反射的な体の反応と、コブを滑るうえで合理的な体の動き、この2つの違いを認識し、このへだたりをうめていかなければなりません。
かと言って、無意識のうちに感覚的に行ってしまう体の動きを、常に頭で考えながら制御していかなければならないのかというと、必ずしもそういうことではないような気がします。
反対に、頭で考えた理論的なことより、体の感覚を大切にしたほうがいい場合もたくさんあるので、結局は場合によりけりではないかと思っています。
◆感覚が先で、理論は後付け
この記事を読まれたかたの中には、書いてあることが細かすぎて、めんどうに感じてしまったかたもおられるのではないかと思います。
実際のところ、コブの滑り方はもっとシンプルに考えるだけでいいのかもしれません。
それに、ゲレンデで見かけるコブをスイスイと滑っている人たちが、ここに書いたような細かいことを考えながら滑っているのかというと、そんなことはないと思います。
コブを滑ることができるスキーヤーの多くは、細かい理論的なことをはっきりと認識していなくても、ちゃんと滑れているのではないでしょうか。
私自身も、こういったことを理解したうえで上達してきたわけではありません。
知らなくても、コブをそこそこ滑れるようになりました。
コブを滑りながらいろいろと試しているうちに、「おっ!? こういう感じで滑ってみたほうがいいみたいだぞ」というザックリとした感覚的な発見の繰り返しで、少しずつ上達してきたように思います。
また、今回の記事の Part 1 から Part 4 までで書いてきたような細かいことはわからなくても、後傾 や内倒 、ローテーション等 を直そうとする意識で滑っていれば、このような負の連鎖はしだいに改善されていくことのようにも思います。(でも、自分自身がその意味を納得しきれていないと、多少遠回りにはなるかもしれませんが...)
つまり、一般的に言われているようなコブの滑り方のコツに従って練習していけば、自然と良い滑りになっていくのではないでしょうか。
なので、ここでは他とは一線を画すようなことを言っているわけではなく、一般的に言われていることを自分のフィルターを通したかたちで書いているだけにすぎません。
コブが苦手な人から見れば、コブを上手に滑っている人たちは何か特別な滑り方をしているのではないか、と思ってしまうのかもしれません。
でもなんていうか、コブを滑れるか滑れないかって、実はわりと平凡なことが「できているか、できていないか」なんじゃないでしょうか。
つまり、「誰も言っていないコツがあって、これだけやればすぐにコブを滑れるようになる」みたいな魔法のような方法は無いんですよね。
結局のところ、一般的によく言われていて、それを知識としては知っていても、実際はできていなかったり、やっていても、それではぜんぜん足りていなかったり、といったところが分かれ目になっていることが多いような気がしています。
私は、スキーをしていないときでも、スキーの滑り方のことをぼんやりと考えている時間が多いのですが、「こんなふうにして滑ってみると、きっと上手くいくんじゃないかなぁ」と思い浮かべることがあります。
そして、次にスキーに行ったとき、それを実際に試してみます。
すると、上手くいくこともあれば、上手くいかないこともあります。
いや、正直に言うと、上手くいかないことのほうが圧倒的に多いです。
では、どんなときに上達のきっかけがつかめることが多いのかというと、いつもとは違う滑り方をいろいろと試しているときに、ふとしたきっかけで良い感じで滑れちゃったりします。
そのやり方だと、どうして良い感じで滑れているのか? といった理論的なことはわかりません。
ただ、今までの自分より良い感じで滑っている感触があるので、その滑り方を何度もくりかえし、その感覚を体に覚え込ませるようにします。(こんな時って、スキーをしていて一番楽しい時間ですよね)
そして、スキーから帰ってきた後も「なぜ、こんなふうに滑ったら上手くいったのか?」を考え続けます。
考えた結果、「あ、こういう理由なのかも」と気づくことがあります。
つまり私の場合、スキーの滑り方について理解していくことのほとんどは、感覚的な発見が先で、後から理論的なことがわかる という順番になります。
なので、なにはともあれ、はじめに感覚的な発見をすることが大切なことなのではないかと思っています。
それに、他の人からスキーの理論的な話を聞いたときにも、もしそれが自分が感覚的にできていることであれば、「あぁ、そういうことだったのか!」と、納得できます。
反対に、自分ができていないことだと、頭ではそのロジックを理解できたとしても、心の中では何か納得しきれていない自分がいます。
またいっぽうで、感覚的にできていることについて、どうしてそのやり方だと上手くいくのか、いくら考えてもその理屈がわからないこともたくさんあります。
そういったものは、言語化しようとすると、XXXみたいな感覚で、とか、XXXしてみるイメージで、みたいな曖昧な表現になってしまいます。
これは自分の中だけで完結することであれば、それでもいいのかもしれません。
でも、他の人にその滑っているときの感覚を伝えようとすると、なかなか上手くいきません。
なぜかと言うと、感覚的なものは1人1人異なるので、感覚的な表現だとその受け取り方も1人1人異なってくるからです。
なので、感覚的なものを、より具体的に、よりロジカルに、説明できることが望ましいことは言うまでもありません。
でも実際のところ、感覚的に行っていることに対し、それを物理的な事象として理論的に説明できることって思っているよりずっと少なく、大部分のことはまだ理解できていないのかもしれません。
それに私は、理論的に考えてみると首をかしげたくなるようなことでも、それが感覚的にできてしまっている場合、いつも理論より感覚のほうを信じるようにしています。
つまり、個人的には理論よりも感覚を重視しているタイプ です。
そのため、理屈っぽいことを頭の中でこねくりまわすよりも、滑っているときの感覚をとぎすませ、上手く滑れている時の感覚を敏感にキャッチし、それを体に覚えこませていくことのほうが、よっぽど大切なことではないかと思っています。
また、滑っているときは、頭で考えて理想と考えるフォームを意図的につくっていくよりも、体の声に耳を傾け、その流れに身を任せたり、自然に現れる反応に従っていくことのほうが大事なことが多いような気がしています。
なので、もしだれかに「あなたは理論派? それとも感覚派?」と尋ねられたとしたら、「自分は感覚派です」と即答すると思います。
このように、「自分は感覚派のスキーヤーです」と言うと、天才肌のように聞こえてしまうかもしれませんが、私自身は実際はそんなことはまったくなく、そのへんに掃いて捨てるほどいる平凡なスキーヤーにすぎません。
で、ここで何が言いたいのかというと、私のような凡人でも、理論より感覚が大事ではないかと思うくらいスキーは感覚に依存したスポーツではないか、ということです。
私くらいのセンスがないスキーヤーでも理論は感覚の後追いになっているので、きっとスキーの才能がある方々は、理論的な理解よりも感覚の方がずっとずっと先を行っているのではないでしょうか。
では、感覚的に行っていることをロジカルに分析していくことは時間の無駄なのかというと、そんなことはないと思います。
感覚的にできていたことは、次のスキーまで日数が空いたりして、体がその感覚を忘れてしまったとしたら、それは再現できなくなってしまいます。
また、雪質やコブの形などの外的な条件が変わると、「いつもと同じ感覚で滑ってるのに上手くいかないなぁ」みたいなことになってしまうかもしれません。
ここで、感覚で行っていたことが理論的にわかっていれば、時間があいてしまったり、条件が変わったりしても、良いときの滑りを再現できる可能性は高くなるのではないでしょうか。
また、1つのことがわかると、いままで疑問に思っていた他のことまで、芋ずる式に繋がってわかってくることがあります。
そんな時は、とても嬉しいです。
ただ、いろいろな滑り方を試していくうちに、今まで正しいと思っていたことが間違いだった、と気づくことがあったりします。
そうなると、いままで積み上げてきたロジックが根底から崩れ去ってしまうことになります。
そうしたら、また最初から土台を築いていくことになりますが、そのときは、前よりもっと強固な土台となっていくんじゃないでしょうか。(たぶん...)
こうやって、進んでは後退、進んでは後退、を何度も繰り返しているわけですが、こういう悪あがきを続けているうちに、少しずつ上達していくのかもしれません。
おわり
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2020-06-10T10:55:29+09:00
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コブ中級者への道(その5) 負の連鎖 Part 3
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さてさて、今回は「負の連鎖」の Part 3 です。
Part 1 と Part 2 をまだお読みでない場合は、以下のページを先にお読みください。
●コブ中級者への道(その4) 負の連鎖 Part 1
●コブ中級者への道(その4) 負の連鎖 Part 2
ここまで Part 1 と Part 2 では、以下のような滑りについて、後傾 、ローテーション 、内倒 という3つの欠点とその関連性について見てきました。
今回は、もう1つの欠点である「広いスタンス」について考えていきますね。
※今回の内容は、コブをスライドでゆっくり滑っている場合に適応する内容になります。 ある程度以上スピードを出して滑る場合には該当しない部分が多くなります。あらかじめご了承ください。
◆広いスタンスを直すには
スタンスが広くなってしまうことについては、以前に以下のページでも書いたことがあります。
●コブ中級者への道(その3) コブでスキーが開いちゃう
※今回の内容は、上記ページの内容と一部重複するところがあります。
上記の記事の内容に加え、スタンスが広くなってしまうことは、今回話題にしている「コブにぶつかったところで横に直進してしまうこと」にも密接に関わってきます。
ここでは、この点についてもっと深く掘り下げて考えてみたいと思います。
●スキーを回していくところでスタンスが広くなる
左右のスキーをピッタリそろえて滑り出しても、すぐに左右のスキーのスタンスが開いてしまうのはどうしてでしょうか?
まず、コブを滑っているどの局面でスタンスが広くなってしまのかを考えてみましょう。
ほとんどの場合、スキーが開いてしまうのはスキーを回し始めるターン始動時 になります。
つまり、どのようにしてターンを始動するのかの違いによって、スキーが開いてしまったり、開かなかったりします。
ここでも Part 1 や Part 2 のところで述べてきたことと同様に、コブにぶつかったところで、溝に沿って横方向に直進してしまう 場合と、またはコブの肩に乗り上げていく 場合の違いによって明暗が分かれます。
では、まず「コブの肩に乗り上げていく」とどうなるのかを見てみましょう。
コブに乗り上げていくところで、スキーが次のターン方向に自然に回り始めます。
このとき、スキーのスタンスが開いてしまうことはありません。
そして、コブの肩(頂点)に乗り上げたところでスキーのトップとテールが浮いている状態になり、ここでさらにスキーが回ります。
このように、自分からスキーをひねって回していく力はほとんど使わなくても、スキーがクルッと回ってくれます。
慣れてくれば、コブでは整地より簡単にスキーが回ってくれるように感じるのではないかと思います。
では次に、「スキーがコブの溝に沿って横に直進してしまう場合」を見てみましょう。
この場合、スキーが自然に回ってくれることはないので、自分からスキーをひねって回していったり、上体から次のターンに入っていったりする必要があります。
このように、スキーをひねって回したり、上体から次のターンに入っていったりすると、左右のスキーのテールがハの字に開いてしまうことが多くなります。
スキーがハの字に開いてしまった結果、スタンスが広くなります。
スタンスが広くなると、凹凸したコブの中では片方のスキーが溝の中で、もう片方がコブの上にあったりして、左右のスキーがバラバラの動きになってしまいます。
このようにテールがハの字に開いてしまうのはどうしてでしょうか?
その原因の1つとして、外足(谷側の足)と内足(山側の足)に前後差がある ことがあげられます。
では、この点をもう少し詳しく見てみましょう。
●どうしてスキーがハの字に開くのか?
多くの場合、スキーをひねって回していくのは、ブーツがコブの出口(頂点)に到達しているところになります。
つまり、ブーツから先(前)のスキーのトップ部分が、コブから出ている状態です。
ここで、トップがまだコブから出ていないところでスキーをひねって回そうとすると、スキーのトップのターン内側のエッジがひっかかってしまい、スキーを回しにくくなります。
いっぽう、ブーツがコブの出口まで到達していれば、スキーのブーツから先のトップ部分がコブから出て宙に浮いている状態になります。
そして、トップの部分がコブから出ていれば、スキーをひねって回していってもトップのエッジがひっかかってしまうことはありません。
また、ブーツがコブの出口に到達すると、スキーのトップが下がることにより、テールも浮いた状態になります。
この状態であれば、ブーツを中心にクルッとスキーを回しやすくなります。
そのため、スキーをひねって回しやすくなるのは、ブーツがコブの出口に到達したところからになります。
ただここで、左右のスキーには前後差があるため、山側の足(次のターンの外足)のほうが先にコブの出口に到達します。
そして、山側の足(次のターンの外足)がコブの出口に到達した時点では、谷側の足(次のターンの内足)はまだコブの出口に到達していません。
つまり、山側の足(次のターンの外足)のほうが、早いタイミングでスキーを回し始めることが可能になります。
そのため、スキーをひねって回そうとすると、山側の足(次のターンの外足)が先に回り始めることになります。
山側の足(次のターンの外足)が回り始めたタイミングでは、谷側の足(次のターンの内足)はまだコブの出口に到達していないため、スキーを回すことができません。
そして、谷側の足(次のターンの内足)がコブの出口に到着したところで、ようやく山側の足(次のターンの外足)に遅れて回り始めます。
このように、山側の足(次のターンの外足)と谷側の足(次のターンの内足)にはスキーが回り始めるタイミングにズレがあります。
そして、この時間差が原因になってスキーのテールがハの字に開いてしまいます。
そのため、ターンを始動したところで、左右のスキーのトップがクロスするような形になってしまいます。
そして、コブの頂点を越えたところで、内スキーを外スキーに合わせていくように回していくようになります。
こうなると、「今度こそはスキーをそろえてコブを滑るぞ!」と思って左右のスキーをぴったりそろえて滑り始めても、ターンするとすぐにテールがハの字に開いた広いスタンスになってしまいます。
では、どのようにすればスキーがハの字に開かないようになるのでしょうか?
まず、改善策の1つとして考えられるのが、「スキーの前後差を少なくしてみる」ということです。
前後差を少なくしていくことで、左右の足(ブーツ)がコブの出口に到達するタイミングが近づきます。
その結果、左右のスキーが回り始めるタイミングのズレが少なくなり、スキーがハの字に開く角度が少なくなります。
ただ、前後差を少なくすると、腰が横に向きやすくなります。
横に向いた腰につられて、上体まで横に向いてしまうと、ローテーションになってしまいます。
そのため、前後差を少なくしていく場合は、今まで以上にスキーと上体のひねりを大きくし、ローテーションしないようにする意識をもって滑るといいと思います。
また、体のどの部分を支点にしてひねっていくかによって、左右のスキーの前後差がでやすくなったり、でにくくなったりします。
股関節から下をひねる場合は、前後差がでやすくなりますが、
みぞおちから下をひねると、前後差が少なくなります。
このように、ひねりを作る際に、股関節よりも「みぞおち」を支点にしてひねってみる ことで、スキーがハの字に開いてしまう大きさは少なくなります。
これでも少し前後差が残るので、ハの字が完全になくなるわけではありませんが、改善に近づく1つの方法と言えるのではないかと思います。
では、ハの字が全く現れないようにするには、どうすればいいでしょうか?
これは、左右両方の足(ブーツ)がコブの出口に到達したタイミングでスキーを回し始める 、という改善策があります。
こうすることで、左右のスキーが回り始めるタイミングに時間差はなくなります。
左右のスキーが同時に回り始めるので、テールがハの字に開くことはなくなります。
つまりこれは、遅れてコブの出口に到着する谷側の足(次のターンの内足)が、コブの出口に到着したところまで待ってから両方のスキーを回し始めることになります。
これにより、両方のスキーが同じタイミングで回り始め、テールがハの字に開いてしまうことはなくなります。
●コブにぶつかったところで横に進んでしまうと…
ただ、ここで問題が1つあります。
それは、左右両方のブーツがコブの出口に到達するまで待ってからスキーを回していくと、スキーが回り始めるタイミングが遅れてしまい、そのぶん横方向へ進んで行ってしまいやすくなります。
このように横方向へ進んでしまうと、次のターンでスキーをずらして減速することが難しくなってしまいます。
つまり、やっぱりここでも「コブの肩に乗り上げる方向へ進むこと」が大切になります。
横方向に進まずに、コブの肩に乗り上げる方向へ進めば、コブの内側のラインを通ることができます。
すると、左右両方のブーツがコブの出口に到達するまで待ってからスキーを回しても、スキーをずらして減速するスペースを長くとることができます。
また、コブの肩に乗り上げていく方向へ進むと、自分からスキーをひねって回していかなくても、スキーは自然に次のターン方向へ回り始めます。
この場合は、ブーツがコブの出口に到達する前に、スキーが回り始めます。
つまり、スキーのトップがコブから出ていなくても、コブに乗り上げていく過程でスキーが回り始めます。
ここで、「あれ?」と思われたかたが多いのではないでしょうか。
上記で見てきたように、横方向に直進し、自分からスキーをひねって回していく場合は、ブーツがコブの頂点に到達するまでスキーを回すことはできませんでした。
いっぽう、コブの肩に乗り上げていく方向に進んで行く場合は、コブの溝に落ちた直後にスキーが次のターン方向へ回り始めています。
つまり、ブーツがコブの出口(頂点)に到達する前にスキーが回り始めていることになります。
なぜこのような違いがあるのでしょうか? この点について考えてみましょう。
●コブの出口に到達しないとスキーを回せない場合と、コブの出口に到達する前にスキーが回り始める場合の違い
この差が生まれる1つの原因として、以下の違いが考えられます。
- ブーツがコブの出口に到達しないとスキーを回せない場合 → エッジが切りかわっている (エッジが立っている)
- ブーツがコブの出口に到達する前にスキーが回り始める場合 → エッジが切りかわっていない (ほぼフラット)
では、この点について見ていきましょう。
コブにぶつかったところで横方向に直進し、自分からスキーをひねって回していく場合、スキーを回し始めるところでエッジが切りかわっていて、次のターンのエッジが立っています。
また、上体から次のターンに入ると体の軸が内側に傾いているため、エッジを立てている意識はなくても自然とエッジが立ちます。
ターンを始動するところでエッジが切りかわっているので、ふだん整地を滑っている時と同じになります。
これはわかりやすいと思います。
いっぽう、コブの肩に乗り上げていく場合は、スキーが次のターン方向に回り始めるところでは、まだエッジが切りかわっていません。
そして、コブの溝から頂点(肩)に乗り上げていくところは、整地で言うところのニュートラルポジションがキープされている状態になります。
つまり、雪面に対してスキーの滑走面がフラットな状態になります。
エッジが切りかわるのはブーツがコブの頂点(肩)を越えていくところになります。
コブに乗り上げていくところではエッジが切りかわっていないので、エッジの角度はコブの受けている部分に対してほぼフラットになります。
また、コブの受けている部分は内側に傾いているので、その内側に傾いた雪面に対してフラットということは、滑っているときの平衡感覚としては前のターンのエッジ角度が少し残っていようなイメージになります。
つまり、「スキーが回り始めているのに、まだ前のターンのエッジ角が少し残っている感覚」という、整地の滑りではありえない、ちょっと不思議な状況になります。
この2つの違いをふまえて、それぞれスキーが回り始めるとどうなるのかを見てみましょう。
まず、「コブにぶつかったところで横方向に進んでしまう場合」です。
自分からスキーをひねっていく動作を行うと、スキーを回し始めるところでエッジが切りかわっています。
つまり、次のターンのエッジが立っていることになります。
ここで、エッジを切りかえないで、前のターンのエッジ角を少し残すような感じでスキーをひねって回していくこともできなくはありません。
ただ、これはふだん整地を滑っているときとは全く異なる動きになるので、感覚的にかなり難しくなります。
なので、今回対象としているコブ初級者にとっては、あまり現実的ではないように思います。
このような特別な動きはしないで、普通にスキーをひねって回していくと、次のターンのエッジが立ちます。
この状態でブーツがコブの出口に到達する前にスキーを回そうとすると、コブの雪面にトップ内側のエッジが逆エッジのようになって、ひっかかってしまいます。
こうなると、スキーを回すことができません。
そして、スキーを回すことが可能になるのは、ブーツがコブの出口に到達して、スキーのトップがコブから出ている状態になったところからです。
このように、スキーのトップ部分が空中に浮いている状態になれば、スキーをひねって回していってもトップ内側のエッジがひっかかってしまうことはありません。
次に、コブの肩に乗り上げていく場合を見てみましょう。
コブにドスンとぶつかった直後にスキーが回り始めます。
このスキーが回り始めるところでは、まだエッジは切りかわっていません。
エッジは立っていなくて、コブの受けている部分の雪面に対して、滑走面がほぼフラットの状態になります。
そのため、コブの受けている部分でスキーが回り始めても、トップのエッジがひっかかってしまうことはありません。
でもここで、1つ疑問が浮かび上がります。
それは、整地を滑っているときは、エッジを立ててスキーを回していっても、トップがひっかかって回せないということはありませんよね。
なのに、なぜコブではこのようなことが起こるのでしょうか?
この点について考えてみましょう。
●スキーのトップが引っかかる場合と、引っかからない場合
まず、整地でスキーを回すところを見てみましょう。
スキーをひねって回していくと、普通はスキーのテール側に多くの雪の抵抗が生じます。
上記で見てきたようにスキーのトップがひっかかってしまうことはありません。
なぜかと言うと、スキーは前に進みながら回っているからです。
前に進みながら回っているため、ターン内側に入り込んでいくトップのエッジがひっかかってしまうことはなく、ターン外側に出ていくテールのエッジに雪面からの抵抗をより多く受けることになります。
ちなみに、普通に滑っているときにはほとんど起こりえないことですが、スキーが前に進むスピードよりスキーを振って回すスピードのほうが速い場合は、トップのエッジがひっかかります。
このケースではトップが逆エッジのようになってひっかかるため、スキーを横に回し込んでいくことができません。
これを体験するには、止まってしまうくらいの超低速で滑っているときに、スキーをおもいっきりグルンと速く振ってみるとわかります。
ただ、普通に滑っているシチュエーションでは、スキーを振って回すスピードよりスキーが前に進んでいるスピードのほうが速いため、トップのエッジはひっかかることはありません。
つまり、コブでも低速で滑っていることが、トップが引っかかりやすくなる1つの原因と言えます。
では次に、コブの受けている部分 でスキーを回していく場合を見てみましょう。
コブの受けている部分でスキーをひねって回そうとすると、トップがひっかかります。
これは、コブの受けている部分の傾斜が、整地とは異なっているから です。
では、コブの受けている部分の傾斜は、どのようになっているのでしょうか?
まず、今回のトピックで説明しているようなスライドターンで通る部分を見てみましょう。
コブの落ち込み部分をずらして下っていきます。
コブの溝に落ちた後、溝に沿って横方向に進む場合と、コブの肩に乗り上げる場合、または両者の中間位の場合があります。
これらのラインどりで溝に落ちた後にスキーが通る範囲は、下のイラストの水色の部分になります。
この水色の部分は、前後の傾斜は上に登っているように見えますが、実際はほぼ水平になります。
いっぽう、左右の傾斜は内側に傾いています。
つまり、コブの外側が高く、内側が低くなっていることになります。
特にコブの溝の部分が内側に傾斜していることは、滑っているときには認識しづらいかもしれません。
でもこれは、ラインの途中からコブに入って滑り始める場面を思い浮かべてみると、わかりやすいのではないでしょうか。
ラインの途中からコブに入って滑り始める場合、コブの溝に入ってから滑り出す前に、いったんそこで止まることが多いですよね。
ほとんどのコブでは、溝の角度にスキーの向きを合わせて止まろうとすると、スキーは前に進んで行ってしまい、止まっている状態をキープすることはできません。
このように、溝の角度にスキーの向きを合わせていると、スキーが前に進んで行ってしまうということは、つまり、コブの溝は内側に傾いているということになります。
では、コブの溝で停止しているとき、実際はどのようになっているのかを思い出してみましょう。
停止している状態を保つには、溝の角度よりトップを少し山側に乗り上げてエッジを立てている状態になります。
たぶん、ほとんどのスキーヤーが無意識のうちにこのようにしていると思います。
こうすることで、コブの溝の部分で止まっている状態をキープしています。
つまり、このようにしなければコブの溝の部分で止まっていることができないということは、コブの溝は水平に見えていても、実は内側に傾斜している ということになります。
また、溝だけではなく、コブの受けている部分も内側に傾斜しています 。
では、このように内側に傾斜しているところでスキーを回していくとどうなるのかを見てみましょう。
まず、エッジを立てている場合からです。
テールは下に傾斜している方向に振っていくことになるので、さほど抵抗なく普通に回していくことができます。
いっぽう、スキーのトップは上に傾斜している方向に回し込んでいくため、逆エッジのようになってひっかかってしまい、回していくことができません。
このような状況に該当するのは、「コブにぶつかったところで横方向に直進し、上体から次のターンに入って自分からスキーをひねって回していく場合」になります。
自分からスキーをひねって回していこうとする場合は、エッジが切りかわっていて、次のターンのエッジが立っています。
また、コブの溝や面は内側に傾斜しているため、スキーをフラットに踏んでいるつもりでも、実際はエッジが立っていることが多くなります。
さらに、上体から次のターンに入ると、体の軸が内側に倒れることによりエッジが立ちます。
そのため、スキーを振るとトップのターン内側のエッジがひっかかってしまい、スキーを回すことができません。
そして、スキーを回すことができるようになるのは、ブーツがコブの出口に到達したところになります。
ブーツがコブの出口に到達すると、スキーのトップはコブから出て宙に浮いている状態になります。
この段階になってようやく、トップが引っかかってしまうことはなくなり、スキーを回すことができます。
では次に、「コブの肩に乗り上げていく場合」のほうを見てみましょう。
上体から次のターンに入っていく場合とは異なり、体の軸がターン内側に傾いていないので、スキーが体の真下に位置していています。
そのため、エッジが立たずに、雪面に対して滑走面がフラットな状態になります。
これは、整地の切りかえのときのニュートラルポジションのような状態です。
このように、スキーの滑走面が雪面に対してフラットになっている状態で、コブの受けている部分でスキーが回っていくとどうなるでしょうか?
内側に傾いているコブの受けている部分の角度に対してスキーのエッジが立っていないため、スキーが回ってもトップ部分のエッジがひっかかることはありません。
また、横方向に傾いた斜面を進んで行くため、スキーのトップが傾斜の上方向へ向かい、テールが傾斜の下方向へ向かう力が生まれます。
そのため、ブーツがコブの出口に到達する前にスキーが回り始めます。
このように、内側に傾いているコブの受けている部分の角度は、フォールライン方向に傾斜している整地とは異なった傾斜になります。
そのため、コブの肩に乗り上げていくところでは、「スキーは次のターン方向に回り始めているのにエッジはまだ切りかわっていない」という、整地の滑りから考えると普通ではない状態が適していることになります。
●コブの肩に乗り上げていく方向に進む
ここまで見てきたことをまとめると、スタンスが広くならないようにするためには、コブにぶつかったところで横に進まないで、コブの肩に乗り上げていく方向に進んで行くこと が重要になります。 (※コブの肩に乗り上げていく滑り方については、前回の Part 2 の記事を参照してください)
コブの肩に乗り上げていくと、スキーが次のターン方向に回り始めても、スキーのトップがひっかかりません。
そのため、上体から次のターンに入るときのように「ブーツがコブの出口に到達するまでスキーを回し始めることができない」ということはありません。
ということは、「左右のスキーに前後差があるので、次のターンの外スキーが先に回り始める」ということもなくなります。
つまり、左右のスキーが同時に回り始める ことになります。
結果的にスキーがハの字に開いてしまうことがなくなり、狭いスタンスを保ってコブを滑ることができるようになります。
また、コブに乗り上げていくところでスキーが次のターン方向へ回り始めるため、早いタイミングで次のターンに入ることができます。
長くなってしまったので、Part 3 はここでおわりにしますね。
今回は主に、コブの形状と足元(スキー)の状態の関係によってスタンスが広くなってしまうことについて書いてみました。
でも、スタンスは足元の状態だけで決まってしまうものではなく、それよりも重心とスキーの位置関係 という全体のポジョンに大きく影響されます。
この、「重心とスキーの位置関係」については、次回お話していきますね。
次回 Part 4 は、「負の連鎖」の最終回です。
スキーのスタンスが広くなってしまうことの続きと、負の連鎖がとぎれるとどうなるのか等について書いていく予定です。
おわり
◆目次はこちら
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2019-11-17T09:42:43+09:00
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http://mogul2.blog.shinobi.jp/Entry/137/
コブ中級者への道(その5) 負の連鎖 Part 2
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さてさて、今回は「負の連鎖」の Part 2 です。
前回の Part 1 をまだお読みでない場合は、以下のページから先にお読みください。
●コブ中級者への道(その4) 負の連鎖 Part 1
前回の Part 1 では、後傾や内倒、またはローテーションの状態でコブにぶつかると、スキーはコブの溝に沿って横方向へ直進してしまうところまで説明しました。
ここからは、「スキーが横方向へ進んでしまうと、どのようにして負の連鎖に陥ってしまうのか」について見ていきましょう。
◆コブにぶつかったところで横に進むとどうなるか
後傾や内倒、またはローテーションの体勢でコブの溝に落ちると、スキーはコブの受けている部分(溝)の角度に沿って横に進んで行きます。
そのまま横方向へ直進すると、コブの外側のバンクへ進んで行ってしまいます。
こうなると、次のターンでスキーをずらして減速することが難しくなってしまいます。
また、バンクに入ると横方向へ進む推進力がついてしまい、横に飛ばされてしまうことが多くなります。
ここで本来であれば、溝に落ちた後はコブの肩に乗り上げていく方向にスキーが進んで行くのが望ましい動きになります。
コブの肩に乗り上げていけば、次のターンでコブの内側のラインを通ることができます。
このように内側のラインをキープできれば、コブの落ち込む部分でスキーをずらして減速することが容易になります。
つまり、コブをスライドで減速して滑るには、横に大きく膨らんだラインを通らずに、コブの内側のラインを通る ことが重要なポイントになります。
コブの内側を通るとどうして減速しやすいのかと言うと、ずらして減速できる距離を長くとることができる からです。
ではここで、「スキーが通る位置」と、「ずらして減速できる距離の長さ」の関係について見てみましょう。
まず、コブの肩に乗り上げていく場合は、スキーが通る位置が外側にふくらまない内側のラインを通ります。
このように内側を通ると、コブの落ち込む部分が長くなります。
スキーをずらす距離を長くとることができるので、そのぶん減速しやすくなります。
いっぽう、コブにぶつかったところで横方向に進んでしまった場合は、もっと外側を通ることになります。
この外側のラインだと、コブの落ち込む部分が短くなります。
スキーをずらすことができる距離が短くなってしまうので、あまり減速することができません。
さらに、コブにぶつかったところでもっと横に進んでしまうと、どうなるでしょうか。
この場合、バンクの部分を通ることになります。
こうなると、コブの落ち込む部分がほとんどなくなり、落ち込みでスキーをずらして減速することができなくなります。
また、バンクでスキーが加速してしまい、横にすっぽ抜けてしまうことが多くなります。
もちろん上達していけば、コブの外側のラインやバンクも滑ることができるようになります。
また、あまり多くはありませんが、コブの形状によってはバンクを滑った方が楽な場合もあります。
でも、初級者がしっかりと減速して滑る場合は、コブの内側のラインをずらして滑るほうが多くのコブに対応しやすいと思います。
そのほうがコブの条件に左右されにくい滑り方になるので、多くのコブで滑りが安定することにつながります。
コブにぶつかったところで横方向へ進んでしまうと、ずらして減速しやすいコブの内側を通ることができなくなってしまいます。
そのため、溝に落ちたら、スキーが横方向に進んでいってしまう前にできるだけ早く次のターンに入って、コブの内側のラインになんとか入ろうとします。
このように、横に進んで行こうとするスキーを急いで回していこうとすると、さらなる負の連鎖をまねいてしまいます。
次の項では、この点について見ていきましょう。
●上体から次のターンに入っていくためローテーションしてしまう
スキーが外側に向かっていってしまうことを避けようとすると、上体を次のターン方向へ傾けることによってターンしようとします。
このように上体から次のターンに入っていきます。
そして、上体から次のターンに入っていくと、ローテーションになってしまいます。
では、なぜ横に進むと上体からターンに入ってしまうのでしょうか?
コブにぶつかって横方向に進んでしまう場合、スキーに対して体がターン内側に入りすぎています。
この体勢のままでは次のターンには入ることができません。
この状態から急に次のターンに入るためには、体とスキーの位置関係を瞬時に大きく変える必要があります。
どのように変えるのかと言うと、スキーに対して体が次のターンの外側にある状態から、内側にある状態に変わらなくてはなりません。
そのため、次のターンへ入ろうとすると、瞬時にスキーと体の位置を大きく入れ替える動きが必要になります。
すると、上体から次のターンに入っていくことになり、結果的にローテーションになってしまいます。
●ローテーションした体勢から上体を前傾させても後傾は直らない
では次に、ローテーションと後傾の関係について見てみましょう。
後傾を直す場合、どのような動きを意識しますか?
たぶん多くの場合、上体を前傾させていく動きをするのではないでしょうか。
ただ、上記のように上体から次のターンに入ってしまうと、ローテーションしている体勢から上体を前に倒してしまうことになります。
体が横に向いている体勢で上体を前に倒していくので、上体を斜面の横方向へ倒していくことになります。
この場合、スキーに対しては前傾しているポジションになりますが、
斜面に対しては前傾していません。
コブで大切なのは「スキーに対して後傾にならないようにすること」よりも「斜面に対して後傾にならないようにすること」です。
そのため、後傾を直すには、スキーが向いている横方向に上体を前傾していくのではなく、
斜面の下方向(フォールライン)に向かって前傾していく必要があります。
フォールライン方向に前傾するには、上体(胸)がフォールラインに向いていること、つまりローテーションしていないことが大切になります。
そのため、ローテーションした体勢では、斜面に対して重心を前にもってくる(=斜面に対して前傾する)ことは難しくなってしまいます。
●後傾でローテーションしていると内倒になる
では次に、「内倒」について見ていきましょう。
上記のようにローテーションしている体勢から上体を前傾させると、体の重心はターン内側に行き過ぎてしまいます。
つまり、横に向いている状態で上体を前傾させると、内倒していることになります。
このように、横に向いた状態から上体を前傾しても後傾は直らず、かえって内倒という別の欠点を生み出すことになってしまいます。
また、コブで横方向へスキーが直進 → 上体から次のターンに入る というパターンの滑り方では、スキーが横方向へ進む慣性が強くなり、左右に大きく振られた滑り方になってしまいます。
こうなると、毎ターンごと内倒した滑りになってしまいます。
いったんこのサイクルにはまってしまうと、ここから抜け出すことは難しくなってしまいます。
◆欠点の連鎖
ここまでをまとめると、以下のようなサイクルで欠点が連鎖してしまいます。
1. しっかりとスキーをずらして減速しようとすると、スキーが体の前に出た後傾のポジションになってしまう
2. この後傾のポジションだと、コブにぶつかったところでスキーが横方向へ直進してしまう
3. 横に行ってしまわないように、上体から次のターンに入る
4. 上体から次のターンに入ると、「ローテーション」&「内倒」&「斜面に対して後傾」のポジションになる
5. このポジションで次のコブにぶつかるので、スキーがまた横方向へ直進してしまう
6. 横に行きすぎてしまわないように、また上体から次のターンに入る
7. 上体から次のターンに入ると、また「ローテーション」&「内倒」&「斜面に対して後傾」になる
このような負の連鎖に陥ってしまいます。
では、この連鎖はどのようにして断ち切ればいいのでしょうか?
◆負の連鎖を断ち切るには
ここまでで見てきたように、コブの溝に落ちたところでスキーが横方向へ直進してしまうと、上体から次のターンに入ることになります。
つまり、コブの溝に落ちたところでスキーが横に直進してしまったら、負の連鎖が続いてしまう確率が非常に高くなる ということになります。
では、どうすればいいのでしょうか?
これを回避するために、まずコブの溝に落ちたところでスキーが横に進まずに、コブの肩に乗り上げていく方向へ進んで行くようにする ことが大切になります。
コブの肩に乗り上げていく方向へ進めば、上体から次のターンに入る必要はなくなります。
すると、ローテーションや内倒などの欠点が現れなくなり、負の連鎖は生じなくなります。
また、スキーをずらして減速するスペースを長くとることができるようになり、安定感も増します。
次は、スキーがコブの肩に乗り上げていく方向へ進んで行くようにするにはどうすればいいのかを考えてみましょう。
◆コブの肩に乗り上げるには
コブの肩に乗り上げていく方向に進むためには、斜面に対して後傾になっていないこと が重要になります。
なので、後傾のポジションになっている場合は、
体の下にスキーをキープしているようなポジションに変えてみましょう。
また、横に向いたローテーションした状態から上体を前傾させても後傾は直らないので、
胸がフォールラインに向いていることも大切です。
つまり、上体(胸)をフォールラインに向けた状態で、前傾して重心を前に移動させていきます。
滑っている最中にポジションを直していくことは難しいので、まずは止まっている状態でポジションをつくり、それが確認できてから滑り始めてみましょう。
止まっている状態で、胸をフォールラインに向け、いつもより重心を前にします。
この姿勢ができていることを確認してからスタートします。
では、滑り始めた後、どうなるのかを見ていきましょう。
上体を下方向(フォールライン)に向けて、コブの落ち込む部分でスキーをずらして下っていきます。
このとき、スキーが横に回っていっても、上体(胸)はフォールラインに向け続けていることを意識します。
そして、いつもより重心を前のほうにして滑ります。
コブの落ち込む部分を下っていくと、次のコブが迫ってくるように感じてしまい、怖くなってしまうかもしれません。
怖くなると本能的に足(ブーツ)を前に出してしまいます。
また同時に、上体は後ろに引いてコブから遠ざけようとします。
こうなると、後傾のポジションになって、コブにぶつかったところで横方向へ直進してしまいます。
なので、ここは怖いですが我慢して、足を前に出してしまわないようにすることが大切です。
精神論的な話は個人的にはあまり好きではないのですが、ここでは恐怖心に打ち勝つ気持ちの強さ が、ある程度は必要になってくると思います。
ではここで、恐怖心について考えてみましょう。
話はちょっとスキーから離れてみますね。
たとえばの話ですが、街の狭い路地を歩いているときに、前から直径2メートルくらいある巨大なゴムボールが転がってきたとします。
狭い路地なので、横に逃げるスペースはありません。
このとき、どのような防御姿勢をとりますか?
本能的にどういう姿勢をとるかということを想像してみてください。
たぶん、手は前に出て、体は後ろに引いた状態になるのではないでしょうか。
また、ボールに対して正面を向いているのではなく、体を横にそむけていると思います。
では、この姿勢をコブを滑っているところに当てはめてみるとどうなるでしょうか。
コブが迫ってくると、足が前に出て、上体やお尻を後ろに引いた体勢になります。
こうなると後傾になってしまいます。
また、迫ってくるコブに対して体を横にそむけてしまうと、ローテーションになってしまいます。
このように、迫ってくるコブに対して恐怖心を抱くと、足(スキー)を前に出してお尻を後ろに下げ、体を横に向けるということを本能的に行ってしまう傾向があるのではないかと思います。
でも、コブでこのようなポジションになってしまっても、自分は臆病者なんだ…、と卑下することはありません。
これは本能的なリアクションであって、最初はだれでもコブを滑るとこんな感じになります。
大きなコブが迫ってくると、ぶつかった時に体がつぶされてしまうように思えてきます。
でも実際のところは、低速で滑っていれば見かけほどコブから受ける衝撃は強くありません。
なので、コブから体を遠ざけて、足を前に突っ張って伸ばしていかなくても大丈夫です。
つまりここで言いたいのは、恐怖心から本能的にとってしまうポジションではコブを上手く滑ることはできないので、それを前提としたうえでそこから意識的にポジションを変えていってみましょう、ということです。
恐怖心の話はこのへんまでにして、コブを滑る場面の話にもどりますね。
ここで、いつもより少しだけ勇気を出して、今までよりポジションを前にして滑ってみましょう。
具体的には、いつもより脚を前に伸ばす量を少なめにして、体を前に出していきます。
もちろん、ことのき上体(胸)はフォールラインに向いている状態を保つことも大切です。
重心を前にしたポジションで滑ると、いつもよりズラシによるブレーキは弱くなります。
これでスピードが出すぎてしまう場合は問題ですが、少しのスピードアップであれば、そのままのスピードで滑ってみたほうがいいのではないかと思います。
このようにズラシによるブレーキが弱くなってスピードが速くなることは、必ずしも悪いことばかりではありません。
なぜなら、ある程度のスピードがあったほうが、コブの肩に乗り上げる方向へ進みやすくなるからです。
減速して滑走スピードが止まってしまうくらいにスローになってしまうと、コブの肩に乗り上げていく勢い(慣性)が無くなってしまいます。
こうなると、コブにぶつかったところでスキーが横に進んでしまいます。
なので、コブで止まってしまうくらいの遅いスピードで滑っている場合は、いつもより少しだけスピードを速くしてみることをお勧めします。
いつもより少しだけスピードを出して、重心を前にしたポジションでコブの落ち込む部分を下って行きます。
コブの溝に落ちると、やっぱりいつもと同じようにスキーが横方向へ進んで行ってしまうかもしれません。
もしここで、スキーが横方向へ進んでしまったら、そこでいったんコブのラインから離脱しましょう。
なぜなら、スキーが横に直進してしまったら、次のターンに上体から入ることになり、また負の連鎖に陥ってしまうからです。
なので、ここはいったんコブから出て、また初めから仕切り直しです。
上から滑ってくるスキーヤーがいないことを確認し、再度コブのラインに入ってスタートします。
再度スタートするときには、前回よりもさらにポジションを前にしてみます。
このように、前回よりも少しずつポジションを前にしていくことを何度か繰り返していくと、あるところから徐々にスキーは横に直進せずに、コブの肩に乗り上げていく方向へ進んで行くようになります。
このコブの肩に乗り上げていく方向に進んでいくくらいのポジションが、本来のあるべきポジションになります。
いままでスキーが横方向に進んでしまっていたかたにとっては、かなりポジションが前に感じられるのではないかと思います。
もし、いくらポジションを前にしていっても、コブにぶつかったところでスキーが横に進んでしまう場合は、以下の 5 点を確認してみてください。
- 上体がローテーションしていないか
- 内スキーに乗っていないか
- 足首が伸びてしまっていないか
- お尻が下がっていないか
- 脚をつっぱりすぎていないか
ローテーションについては最初の方で述べてきたので、ここでは「内スキーに乗っていないか」、「足首が伸びてしまっていないか」、「お尻が下がっていないか」、「脚をつっぱりすぎていないか」の 4 つについて見ていきましょう。
●内スキーに乗っていないか
コブの落ち込む部分を下っているときに、内スキーに多く荷重している場合は、まだ後傾、内倒、ローテーションが出てしまっている可能性があります。
これらの欠点が出ているうちは、コブの肩に乗り上げていくことは難しくなります。
特に、内倒のポジションになっていると、内スキーへの荷重が増えてしまいます。
意識的に外スキーに荷重していくことで、内倒する欠点は軽減されてくるのではないかと思います。
●足首が伸びてしまっていないか
足首が伸びていると、コブの溝に落ちたところでスキーが横方向に走ってすっぽ抜けてしまうことが多くなります。
このようにスキーが横にすっぽ抜けてしまうと、コブの肩に乗り上げていくことはできません。
これはコブに対して恐怖心があると陥りやすいポジションになります。
怖いと感じていると、上体はがんばって前傾させていますが、お尻は後ろに下がったままになりがちです。
このポジションだと、たいてい足首が伸びてしまっています。
すると、スキーの荷重位置がテール寄りになり、コブにぶつかったところでスキーが走って飛ばされてしまいます。
このように足首が伸びてしまう欠点が頻発してしまう場合は、最初はかなりオーバーアクションで、スネでブーツを前に押しつぶすくらいの意識で滑ってみてもいいのではないかと思います。
足首が曲がっていれば、コブにぶつかったところでスキーがすっぽ抜けることは少なくなり、体の下にスキーをキープできるようになります。
すると、スキーがコブの肩に乗り上げていく方向に進みやすくなります。
●お尻が下がっていないか
上体を前傾させても、お尻がそのぶん後ろへ下がってしまっては、重心の位置を前に移動させていくことはできません。
なので、重心を前にするには、お尻が後ろへ下がってしまわないようにすることが大切なポイントになります。
また、お尻が後ろに下がっていると、スキーの荷重位置がテール寄りになってしまいます。
スキーは、中心部に荷重すると回りやすく、
テールに荷重すると直進しやすいという性質があります。
そのため、テール荷重になりやすいお尻が下がっている体勢だと、スキーが回らずに直進しやすくなってしまいます。
ここで、お尻が後ろに下がっていないポジションになれば、スキーの中心部に荷重することができて、スキーが次のターン方向へ回りやすくなります。
●脚をつっぱりすぎていないか
コブに対する恐怖心があると、脚を伸ばしていく方向に強い力をかけ続けてしまいます。
コブにぶつかったところでも、強い力で脚を伸ばし続けてしまうと、体が山側に残ったままになってしまいます。
すると、重心とスキーの位置の入れかえが起こらなくなり、スキーは溝に沿って横方向へ直進してしまいます。
こうなると、上体から次のターンに入ることになり、負の連鎖が続いてしまいます。
ここで、コブにぶつかったところで脚(特に股関節)が曲がれば、重心とスキーの位置の入れかえが起こり、コブの肩に乗り上げていく方向に進むことができます。
ただ、初級者の場合、脚を曲げようとすると、お尻が後ろに落ちて後傾になってしまいやすくなります。
なので、積極的に吸収動作を行う意識で滑ることはあまりお勧めできません。
では、どうすればいいのかと言うと、脚の力を少し抜いて、脚をつっばりすぎないようにするといいのではないかと思います。
脚をつっばりすぎていなければ、コブにぶつかった衝撃で自然に脚が適度に曲がり、山側(後ろ)にあった重心が、スキーの真上に戻されます。
重心(体)の下にスキーがあるニュートラルポジションになり、スキーが自然に次のターン方向へ回り始めます。
また、フォールライン方向へ進む慣性が持続されるため、コブの肩に乗り上げる方向へ進みやすくなります。
では、脚の力をどのくらい抜けばいいのでしょうか?
これは、そのときのポジション、スピード、雪質、コブの形や大きさなどの様々な要因によって変わってきます。
なので、その状況でどのくらい脚の力を抜けばいいのか、それとも、どれくらい力を入れていけばいいのかについては、ある程度コブを滑りこんで経験を積み、その感覚をやしなっていく必要があります。
コブにぶつかった衝撃で、重心がスキーの真上にもどされるくらいになっていれば、適切な力加減になっていると思います。
あと、コブで脚をつっぱりすぎているのは、ストレッチ系の切りかえ動作 で滑っているスキーヤーに多く見られます。
脚を伸ばすストレッチ系の切りかえ動作を行っている場合、コブにぶつかってからすぐに急いで次のターンに入ろうとすると、コブにぶつかった直後に脚を伸ばしてしまいます。
すると、体(重心)がスキーの真上に戻るより先に脚を伸ばしてしまい、体が山側に残ったままになってしまいます。
こうなると、上体から強引にターンしていかなければ、次のターンに入ることができません。
ここで、ベンディング系の切りかえを行えば、体の下にスキーを引き戻して切り替えを行うので、重心とスキーの位置の入れかえがしやすくなります。
また、体が山側に残っていないので、コブの面に対してスキーのエッジが立っていないフラットな状態になります。
これも、コブの肩に乗り上げる方向へ進みやすい要因になります。
ただここで、ストレッチ系の滑りをベンディング系に変えたほうがいいのかというと、必ずしもそういうわけではありません。
ストレッチ系とベンディング系、どちらが良いとか悪いとかいうことはなく、どちらもそれぞれメリットとデメリットがあります。
なので、そのときの状況に合わせて使い分けられるようになることがいいことは言うまでもありません。
特にコブを低速で滑る状況では、ストレッチ系が適していることが多くなります。
また、ストレッチ系の切りかえでは、立ち上がることで腰の位置が前に移動し、後傾の姿勢を前に戻す働きもあります。
初級者の場合、お尻が後ろに落ちた後傾の姿勢になりやすいので、この点でもストレッチ系の滑りが向いていると言えるのかもしれません。
あと余談ですが、ターン終盤の脚が曲がった低い姿勢は、吸収なのか? それとも曲げ荷重なのか? といったとらえかたの違いにより、ストレッチなのかベンディングなのかが変わってくることもあります。
なので、場合によっては、そもそもストレッチとベンディングを別のものとして分けて考えること自体が、あまり意味のないことのような気もしています。
ストレッチとベンディングについては、話し始めると1つの記事になるくらい長くなってしまいそうなので、また別の機会にしますね。
このような練習をしていくことで、コブにぶつかった所で横に直進してしまうことは少なくなっていき、コブの肩に乗り上げていく方向に進んで行くことができるようになると思います。
これができれば、負の連鎖はそこでとぎれて、滑りのサイクルは良い方向へ回り始めます。
今回の Part 2 はここまでになります。
次回の Part 3 は、「広いスタンスをなおすにはどうしたらいいのか」について書いていきますね。
おわり
◆目次はこちら
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2019-10-15T13:42:44+09:00
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コブ中級者への道(その5) 負の連鎖 Part 1
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さてさて、今回はコブ初級者が陥りやすい「負の連鎖」について考えてみたいと思います。
ここで言う「負の連鎖」とは、ある欠点が別の欠点を生み、その別の欠点がまた他の欠点を生んでしまうことです。
また、 ある欠点によって誘発された別の欠点が、結局は元の欠点につながってしまうこともあります。
このように、欠点が別の欠点につながり、その欠点によってまた元の欠点に戻ってしまいます。
こうなると、これを繰り返す負のスパイラルに陥ってしまいます。
ただ、コブの滑り方は1人1人異なっているので、各々の欠点も異なります。
なので、100人のスキーヤーがいれば 100 通りの滑り方があると言えるのかもしれません。
でも、スキーヤー全体をマクロな視点から眺めると、技術レベルごとに同じような滑り方をしていることが多いように思います。
たとえば、上級者の多くは上級者特有の同じような滑り方をしていますよね。
もちろん、モーグルや基礎スキーなどの志向の違いや、バンク、スライド、縦、横などのラインどりの違いはありますが、同じコブを同じようなスピードで同じようなラインどりをすれば、だいたい同じような滑り方になると思います。
これは、合理的にコブを滑る方法を模索して追求していった結果、必然的に同じところに収れんしていくという事で、当然と言えば当然と言えるのかもしれません。
いっぽう、コブをゆっくりと滑り下りてくることができるくらいの初級者の場合も、多くのスキーヤーが同じような滑り方をしていることが多いような気がします。
初級者は、今までにコブを滑ってきた経験という点では、上級者に比べて圧倒的に少ないはずです。
それでも、初級者の多くは同じような滑り方になっているということは、とても興味深いことだと思います。
そして、その同じところとは、コブを滑るうえで合理的とは言えない「欠点」にあたる部分になります。
ここで何が言いたいのかというと、多くの初級者が同じような滑り方になるのは、コブにはそうなってしまいやすい原因や理由があるのではないかということです。
つまり、豊富な練習量をこなしてきた上級者にはそのような欠点は現れませんが、コブに対して免疫が少ない初級者が滑ると自然とそうなってしまいやすいという、ある種の傾向みたいなものがコブにはあるのではないかと思います。
そうであれば、なぜそうなってしまうのかという原因や、その理由がわかってくれば、それに対する解決策が立てやすくなるのではないでしょうか。
◆余談 – やたらと長い記事について
これを読んでいる方々は、
「このブログの記事はいつも長くて、読むのがたいへんだなぁ」
とお嘆きではないでしょうか。
それに、昨今の時流として、隙間時間にサクッと読めるような、短くて軽いコンテンツが好まれる傾向にあることも重々承知しています。
でも、最初に言ってしまうと、今回のトピックはこれまで以上に長い記事になってしまいそうです。
なので、今回の Part 1 から始まり、いくつかの Part に分けて書いていきますね。
「コブの滑り方」の記事を書いているときはいつもそうなんですが、意図的に長くしようとはまったく思っていません。
それどころか、本当はもっと短く簡潔に書ければいいのにな、と常々思っています。
ただ、1つのトピックについて書いていくと、それに関連している他の部分も説明していく必要が出てきます。
なぜなら、コブを滑るときのコツや意識するポイントは、1つ1つ独立したものではなく、そのほとんどが他の部分と連動していて、それらは密接につながっているからです。
そのつながりを無視して1つのポイントだけに絞ってしまうと、それだけが孤立しているようなかたちになります。
そうなると、「点と点がつながって線になる」ような理解ができにくくなってしまいます。
でも反対に、そこから派生したものの説明があまりにも多すぎると、そのときメインになっているトピックがぼやけてしまいます。
というわけで、関連箇所を無視して主題だけにしぼってしまうと、説明が不親切になってしまうし、逆に関連箇所の説明が多すぎると、そのときの主題が曖昧になってしまいます。
こんな感じのジレンマを抱えながらいつも書いています。
特に今回は、コブを滑っているときに現れる複数の欠点が連鎖していることについて書いていくため、内容が多岐にわたり、どうしても長くなってしまいます。
なので、お時間が許すのであれば、辛抱強くお付き合いいただければと思っています。
そもそも、こんなことを書いていること自体、記事を長くしてしまっているので、とっとと本題に入っていきますね。
◆初級者が陥りやすい負のスパイラル
では最初に、初級者によくある感じの滑りを見てみましょう。
今回はこのような滑りを対象として、話を進めていこうと思います。
これをお読みのかたの中には「自分はたぶん初級者くらいだけど、もっと上手いよ」というかたもたくさんおられるかもしれません。
でも、わりとコブを滑り慣れているスキーヤーでも、今回説明していくポイントに多かれ少なかれ該当しているかたが多いのではないかと思います。
なので、もうちょっと上のレベルのかたも、時間があれば読んでみてもいいかもしれません。
今回の目標は、このように乱れながらもなんとかコブを滑り下りてくることができるレベルから、スライドで安定して滑り下りることができるレベルに上達することです。
注:今回はスライドターンについて説明していきます。そのため、バンクターンやスキーのトップからコブに乗り上げるような滑り方には合致しない部分が多々あります。この点はあらかじめご了承ください。
ではここで、目標とする滑りを見てみましょう。
うーん、最初の滑りとはかなりちがいますね。
スタート地点と目標とする滑りに大きなへだたりがあるので、短期間でこの差をうめていくのは難しいように感じてしまうかもしれません。
でも、欠点が欠点を生む負の連鎖を断ち切ってしまえば、いままで裏目にでていた連鎖がそこでとぎれます。
そして反対に、滑りのスパイラルが良い方向に回り始めます。
この良いスパイラルがどういったものなのかということがわかってしまえば、けっして不可能な目標ではないと思います。
ではもう一度、最初に見た初級者によくある感じの滑り方を見てみましょう。
この滑り、どこを直していけばいいでしょうか?
まず、欠点としてあげられるのが、
- 後傾
- ローテーション
- 内倒
- 広いスタンス
ではないでしょうか。
これらの欠点は、ある程度コブを滑ることができるかたであれば、わりと簡単に見つけられたのではないかと思います。
では、これらの欠点を直していくには、どうすればいいでしょうか?
- 後傾 → もっと前傾する
- ローテーション → 上体をフォールラインに向けてキープする
- 内倒 → 体の軸をターン内側に倒しすぎないようにする
- 広いスタンス → 左右のスキーをそろえて、スタンスを狭くする
こんな感じになると思います。
当然ですが、滑っている最中にこれら全部のことを同時に意識して直していくことはできません。
たいていは、どれか1つに集中することが多いですよね。
たとえば、今回この1本の滑りでは、後傾を直すためにもっと前傾することを強く意識してみるとします。
だた、前傾しようとがんばってみたものの、滑り始めて 3~4 ターンでまたもとの後傾のポジションに戻ってしまうことが多いのではないでしょうか。
できる人から見れば、後傾なんだからもっと前傾すればいいだけの話で、簡単だと思うかもしれません。
でも、それができない人にとっては、どこが悪くて、どうするべきかがわかっていても、それがなかなか思うようにはいきません。
できる人(アドバイスをする側の人)は、「もっと前! もっと前!」と言ってみてもなかなか前傾してくれないことがもどかしくなり、「頭からコブに飛び込んでいけ!」とか、「スカイツリーからバンジージャンプするつもりで行け!」みたいに、アドバイスがどんどん過激な表現になっていきます。
すると、そのアドバイスを受ける人は、「えーっ、こんなところで死にたくないよ」みたいに思ってしまい、よりいっそうかたくなになっていきます。
このように、自分の欠点がわかっていて、どうすればいいのかもわかっているのに、それがなかなか直らないのはどうしてでしょうか?
人それぞれで滑り方は違うので一概には言えませんが、欠点がなかなか直らないのは、それらの欠点がその他の欠点と連鎖してしまっているからだと思います。
特に多いのが、以下のようなケースです。
コブに飛ばされて、ラインからはじき出されてしまうことが多い
↓
スキーをしっかりずらして、減速して滑ろうとする
↓
スキーを強く踏み込んでずらすと、足が前に出すぎてポジションが後ろになる
↓
コブにぶつかったところでスキーが溝に沿って横に進む
↓
上体から次のターンに入る
↓
ローテーション、内倒、広いスタンスなどの欠点がでてきてしまう
↓
またコブにはじかれて、ラインからコースアウト
コブのラインからはじき出されてしまうことが頻繁にあると、しっかり減速して滑ろうとします。
でも、しっかり減速しようとした結果、コブには適していない後傾のポジションになってしまいます。
すると、そのポジションが他の欠点を生んでしまいます。
欠点がさらなる欠点を生み、転んで痛い思いをするとますます恐怖心が強くなります。
すると、思い切って滑りを変えてみること自体が難しくなります。
その結果、悪い滑り方を繰り返し行い、それが体に定着して、さらに根深いものとなっていきます。
こうなると、なかなか負のスパイラルから抜け出せません。
では次の項からは、この負のスパイラルがどういうものなのか、具体的に見ていきましょう。
◆しっかりと減速して滑りたい
コブが苦手で、頻繁にコースアウトしてしまうスキーヤーのかたは、コブをどのように滑りたいと思っていますか?
将来的には、「スイスイと流れるように滑りたい」とか、「縦にガンガン滑れるようになりたい」といった目標があるかもしれません。
でも現時点では、とりあえず「コブに飛ばされないように、しっかりと減速して滑りたい」という意識で滑っているかたが多いと思います。
どういう滑りかと言うと、
コブの落ち込みでしっかりとスキーをずらして減速する
↓
コブにぶつかったところでは、止まってしまうくらいまでスピードを落とす
↓
早いタイミングでスキーを回し込んで、次のコブの落ち込む部分に余裕をもって入っていく
このような感じではないでしょうか。
ただ、コブでしっかりと減速するということはなかなか難しく、整地を滑っているときのようにはいきません。
では、減速しようとするとどうなるのか、また、それによって滑りにどのような影響がでてくるのかを考えていきましょう。
◆減速しようとすると...
最初に、整地を滑っているところから見てみましょう。
整地で急激に減速する場合、どのようにして減速しますか?
または、整地で停止するところをイメージしてみてもいいかもしれません。
強く減速するには、横に向けたスキーを踏み込んで、エッジで雪面を削り取るようにずらします。
この場合、スキーをずらして下(フォールライン)方向に押し出していくような操作になります。
その結果として、体よりスキー(足)が前に出た状態になります。
このように、体の重心に対してスキーが斜面の下(前)側に出ていることで、強く減速したり停止したりすることができます。
ではここで、スキーが斜面の下側に出ていなくて、体の真下にある状態だとどうなるでしょうか?
この状態だと、あまり強く減速することはできません。
急に止まろうとしても、スキーがズルズルとズレ続けて、瞬時には止まってくれません。
つまり、強く減速したり停止したりする際には、体(重心)よりスキーが前(斜面の下側)に出ている状態が適しているということになります。
では次に、コブで減速する場合を考えてみましょう。
しっかりと減速しようとすると、コブの落ち込む部分でスキーを強く踏み込み、エッジで雪面をガリガリと削ってブレーキをかけます。
この場合、整地と同じように、スキーが体より前(斜面の下側)に出ている状態になります。
このように、スキーが体(重心)より前に出ていることにより、コブの落ち込む部分で強くずらして減速することができます。
ただ、この体勢だとコブにぶつかった後、次のターンに入りにくくなってしまいます。
また、減速しやすいコブの内側のラインをキープすることが困難になり、結局はスピードが出てしまうことが多くなります。
つまり、体よりスキーが大きく前に出ている体勢は、ずらして強く減速できるというメリットがある反面、いろいろなデメリットも生じてしまいます。
そして、そのデメリットはメリットよりもずっと大きなものになってしまいます。
このように、体よりスキーが大きく前に出ている状態は、「後傾のポジション」になり、コブでは直すべき欠点の筆頭にあげられていることが多いです。
また、この後傾のポジションは、その他の「内倒」や「ローテーション」などの欠点が生まれる発端になっていることが多くなります。
そして、それらの他の欠点が現れると、後傾自体も直りにくくなってしまいます。
このようにスキーが体より前に出ているポジションは、強くずらして減速できるので、次のコブにぶつかるまでの短期的な目線では有効に思えてしまいます。
でもその後、コブにぶつかってから次のターンに入っていく「ターンを連続していく一連の流れ」としてとらえてみると、このポジションは有効とは言えません。
つまり、コブを滑る全体像をトータルで考えていくと、ずらしによる減速効果をある程度は犠牲にしても、スキーを前に出しすぎないことのほうを優先すべきではないかと思います。
では、コブを滑る全体像をとらえるために、コブにぶつかった後の動きについても考えていきましょう。
◆コブの溝に落ちたところでスキーが横に進んでしまう
まず、コブの溝にドスンと落ちた後、スキーが進んでいく方向について見てみましょう。
ここでの本来の望ましい動きは、スキーがコブの肩に乗り上げていく方向へ進んで行く ことになります。
このように、コブに肩に乗り上げていくことで、自然に次のターン方向へスキーが回り始めます。
いっぽう、スキーが体の前に出ている「後傾」の体勢では、溝に落ちると、スキーは溝の角度に沿って横方向に直進 してしまいます。
また、「内倒」や「ローテーション」の体勢になっても、コブにぶつかったところで横方向に進んでしまいやすくなります。
このように横に進んで行ってしまうと、コブのラインから外に放り出されてしまいます。
ここで、なんとかコブのラインにとどまることができたとしても、この「コブにぶつかったところで横方向へ直進してしまうこと」が原因になり、負のスパイラルに陥ってしまいます。
このように横に進んでしまうことは、「後傾、内倒、ローテーション」の3つの欠点すべてがそろっていなければ起こらないと言うわけではなく、このうちのどれか1つがあるだけでも、スキーが横方向へ進んでしまう力が働きます。
ただ、この3つが揃うと、よりいっそうスキーが横方向へ直進してしまいやすくなります。
では、後傾 、内倒 、ローテーション だと、どうしてスキーが横方向へ直進してしまうのか、それぞれ見てみましょう。
●後傾だと横に進む
後傾の場合、コブの溝にドスンと落ちたところでスキーが前方 (谷側)に位置していて、体が後ろ (山側)にあります。
この体勢だと重心が山側になるので、コブに乗り上げていく方向へ進んで行く力が弱くなり、その結果、溝に沿って横方向へ進みやすくなってしまいます。
また、スキーが前方(谷側)に位置していて、体が後ろ(山側)にあると、コブの面に対してスキーのエッジが立っている状態になります。
これもスキーが横方向へ直進してしまいやすい原因になります。
●内倒だと横に進む
次に「内倒」の場合です。
体の軸が内側に倒れすぎていると、スキーに対して重心がターンの内側に行き過ぎている状態になります。
コブの落ち込んでいる部分は斜め外側に傾いているため、この落ち込む部分を下っているときは重心が内側にある状態でもバランスがとれています。
しかし、コブの溝に落ちたところで、雪面の角度は斜め外側に傾いている状況から斜め内側に傾いている状況に急変します。
重心が内側にある体勢で、雪面の角度が内側に傾いているコブにぶつかるため、スキーは内側に進んで行くことになります。
●ローテーションだと横に進む
最後に、「ローテーション」の場合を見てみましょう。
スキーの性質として「スキーは体が向いている方向に進みやすい」という傾向があります。
そのため、ローテーションして体が横に向いていると、コブにぶつかったところで横方向へ進みやすくなります。
これも上記の「内倒」と同じように、外側に傾いているコブの落ち込む部分から、内側に傾いているコブにぶつかった所で、急に内側に進む力が強くなり、上体がローテーションしている体勢によってさらに内側に進む力に拍車がかかります。
◆後傾、内倒、ローテーションの関係性
ここまでで見てきたように、「後傾、内倒、ローテーション」はどれもコブにぶつかるとスキーが横に直進してしまいやすい要因になります。
そのため、この3つ全部がそろっている状態は、スキーが横に進んでしまいやすい条件がそろっていると言えます。
また、この3つはそれぞれが深く結びついています。
どういうことかと言うと、
後傾&内倒の体勢=ローテーションになりやすい
内倒&ローテーションの体勢=後傾になりやすい
後傾&ローテーションの体勢=内倒になりやすい
こういった傾向があるため、それぞれの欠点が他の欠点を生む原因になってしまいます。
このように、これらの欠点は1つ1つ独立しているものではなく、お互いに関連し合っているので、1つの欠点を直そうとしても、その他の欠点によって引き戻されて、なかなか直ってくれません。
そして、この「後傾、内倒、ローテーション」のポジションにより、コブの溝に落ちたところでスキーが横方向に直進してしまうこと が、これらの欠点からなかなか抜け出せない最も大きな原因になっています。
長くなってしまったので、今回の Part 1 はここまでにします。
次回 Part 2 では、スキーが横方向に直進すると、どうしてこれらの欠点から抜け出せなくなってしまうのか? また、この負の連鎖から抜け出すにはどうすればいいのか、ということについて考えていきますね。
おわり
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2019-10-04T12:11:33+09:00
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Q&A コブを滑る時のストックの長さ
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さてさて、今回はストックの長さについての Q&A です。
では、さっそくいってみましょう。
Question:
コブでは、ストックの長さはどのくらいがお勧めですか?
Answer:
どのような滑り方をするのか、またはコブを滑る時のポジション等によって変わってきますが、一般的には短めのストックがお勧めです。
また、モーグルっぽい滑り方をするか、しないか、によって、適している長さは変わってきます。
モーグルっぽい滑り方をする場合はだいぶ短め、しない場合はそこまで短くする必要はないと思います。
また、現時点ではモーグルっぽい滑り方はできなくても、できるようになりたいと思っている場合は、短めのストックを使ってみることをお勧めします。
では、ここからはもっと詳しく説明していきますね。
注:私はモーグルをベースとしているので、他のジャンルのスキーヤーとは見解が異なるかもしれません。
この点については、ある程度差し引いてお読みいただければと思います。
◆コブで好みの長さ
まず前提として、適しているストックの長さは、それを使う人の感覚に大きく依存しているということです。
つまり、個々の感覚によって適した長さは変わってくるので、「絶対」はありません。
なので、「自分には、この長さがちょうどいいい」と感じている長さであれば、それでいいのではないかと思います。
ただ、基礎スキー、アルペンレース、モーグル、などの志向の違いによって、好みはわかれるようです。
これらについて、自分が今までに見聞きしてきた事などを交えて、ザッと話してみますね。
モーグル
一般的にモーグルでは身長の 60%、つまり「身長 × 0.6」くらいの長さのストックがいいと言われていることが多いです。
これは、たとえば身長が 170cm の場合、ストックは 102cm になります。
つまり、他のジャンルのスキーヤーと比べると、かなり短めになります。
私の周りのモーグラーの人たちは、これよりももうちょっと短めのストックを使っていることが多いようです。
ちなみに、私の場合もこれよりちょっと短めで、身長の 58% くらいです。
このように全体的にかなり短めのストックになりますが、これより極端に短いことや、極端に長いということはほとんどありません。
つまり、個々の好みはわりと狭い範囲内に収まっているようです。
アルペンレース
レース用の板を使っているという事もあり、コブを滑ることについてはあまり考えていないようです。
ただ、もともとのポテンシャルが高いスキーヤーが多く、また、ポールぎわの掘れた部分とコブの溝の形状が似ているという事もあり、コブを滑る機会はほとんどなくても滑れてしまうかたが多いようです。
全体的にかなり長めのストックを使っています。
一度、アルペンレーサーのかたにストックの長さについて尋ねてみたことがあるのですが、
「レースではスタート直後にストックで漕ぐので、長めのストックを使っている」とのことでした。
なんとも明快で納得な回答でした。
基礎スキー
伸縮して長さを調節できるストックを使っているスキーヤーが多いです。
コブでは、モーグラーと同じくらいストックを短くして使っているかたもいれば、かなり長いストックを使っているかたもいて、かなりの幅があるようです。
このように基礎スキーヤーが使っているストックの長さに幅があるのは、滑るシチュエーションが整地やコブなど多岐にわたっていることや、滑るスピードも低速から高速まで幅があるということが原因なのかもしれません。
◆コブに適した長さ
ここからは、コブを滑るときにストックの長さが違うと、何が変わってくるのか。
長さの違いによるメリットとデメリットについて考えてみますね。
●上体のブロック
コブに乗り上げたところでストックを突きますが、これにより上体の動きがブロックされ、上体が安定します。
ストックをしっかりと突くことにより、突いたほうの肩と上体の動きがある程度固定され、回転していくスキーに対して上体がひねられた状態になります。
そして、このひねられた状態でコブの頂点に乗り上げると、ひねりがもどされる力により、自然とスキーが次のターン方向へ回ります。
このように上体をブロックするという目的では、長めのストックが有効になります。
ストックが長ければ、そのぶん早いタイミングでストックを突くことになり、上体とスキーのひねりが生じやすくなります。
また、ストックを突いた後、肩が後ろへ引かれる動きが大きくなるので、その点でも上体のひねりがつくりやすくなります。
このように、長めのストックをしっかりと突くと、ひねりが生じやすくなるため、スキーを大きく横に回し込んでスライドさせる滑り方をする場合や、上体がローテーションしてしまうクセがある場合に、とても有効です。
なので、どちらかと言うと、長いストックはコブ初心者や初級者に向いていると言えるのかもしれません。
ただ、長めのストックを使っているスキーヤーで、突いたときにストックの角度が斜めになっているケースを時々見かけます。
このようにストックが斜めになってしまうと、しっかりと突くことができなくなり、上体のブロックが弱くなってしまいます。
バンクターンの場合は、このようにストックが斜めになっていても問題ありませんが、上体とスキーのひねりが大きくなるスライドターンには適していません。
なので、どうしても斜めにストックを突いてしまう場合は、自然に垂直に突くことができるくらいの、もうちょっと短いストックが適しているのではないかと思います。
●上体が後ろへ引かれて、後傾になってしまう
上記のように、長めのストックをしっかりと突くことにより、上体のひねりをつくりやすくなります。
このようなメリットがあるいっぽうで、ストックを突いたほうの肩が後ろへ引かれてしまい、後傾になってしまうというデメリットもあります。
レベルアップしてコブを滑るスピードが速くなってくると、長いストックは、上体のひねりをつくることができるメリットより、肩が引かれて後傾になってしまうというデメリットのほうが大きくなってしまうことあります。
この場合は、ストックを短くすることを検討してみてもいいのではないかと思います。
また、ストックの長さを変えたくない場合は、ストックを突く位置を変えてみるという方法もあります。
ストックをコブの頂点付近に突くのではなく、頂点を越えたコブの裏側(滑っているときには見えていないコブの受けている部分の反対側)に突けば、肩が後ろへ引かれて後傾になってしまうことは少なくなります。
●動きの大きさ
ストックが長いとストックワークの動きが大きくなり、ストックが短いとストックワークの動きが小さくなります。
では、この点について見てみましょう。
長いストックを使っていると、突かないほうのストックの先端が雪面に当たってしまうことが多くなります。
ストックの先端が雪面に当たってしまうと、引っかかって後ろへ行ってしまい、次にストックを突くときの準備ができません。
なので、先端が雪面に当たらないようにするために、突かないほうのストックを横向きにします。
そして、ストックを突くときに、横向きになったストックを縦に戻す必要があります。
そのため、ストックの先端が外側から回り込んでいくような遠回りの軌道を回ってくることになり、ストックと腕の動きが大きくなってしまいます。
また、ストックが長いと、ストックを突いたときに拳(こぶし)が高い位置に上がってしまいます。
これもまた、腕の動きが大きくなってしまう要因になります。
このように、ストックと腕の動きが大きいと、ゆったりとしたペースでターンする場合は問題ありませんが、ピッチが細かいコブをスピードを出して滑る場合、速いテンポにストックの動きがついていけなくなってしまいます。
ここで、ストックが短い場合、ストックを斜め位に構えていれば、先端が雪面に当たりません。
突くほうと突かないほうのストックの角度の差が小さいので、ストックの動きの軌道が小さくなります。
また、短いストックであれば、突いたときに拳の位置が上がる量も少なくなります。
このように、ストックと腕の動きがコンパクトになるので、速い動きにも対応できるようになります。
●ポジシヨン
コブを滑っているときのポジションの違いによっても、適しているストックの長さは変わってきます。
脚を曲げる吸収動作をあまり大きくとらない腰高のポジションの場合は、長めのストックが適していて、
吸収動作で脚を大きく曲げて、腰が低い位置になるポジションの場合は、短めのストックが適しています。
また、上体が前傾しているポジションでは、短めのストックが適していて、
上体が起きているポジションでは、長めのストックが適しています。
これらのことが複合的に影響して、適しているストックの長さが変化してくるのではないかと思います。
◆伸縮式のストック
もし、ストックの長さで迷っているなら、伸縮機能がついたストックがお勧めです。
これでいろいろな長さを試してみて、自分に合った長さを探してみるのがいいのではないでしょうか。
私は近年、好みのストックの長さがだいたい決まっているので、あまり伸縮するストックを使うメリットは感じていません。
また、いままでもメインのストックは伸縮機能がないものを使ってきました。
ただ、昔、コブ初級者の頃に伸縮式のストックをもっと使っていればよかったのかなぁ、と思うことがあります。
いろいろと試行錯誤をしていて、滑り方やポジションの変化が大きい時期に伸縮するストックを使っていれば、もっとポジションの変化を効率的に試すことができたように思います。
ストックの長さがポジションに与える影響は、予想以上に大きいような気がしています。
実際、「奥さんが使っている短いストックを借りて使ってみたら、重心を前にもっていきやすくなって、コブの滑りが変わった」というような話はよく聞きます。
もし、ストックの長さの影響で、本来あるべきポジションがとりずらくなっていたとすると、それは問題かもしれませんね。
かと言って、そもそも間違った滑り方をしているのを、道具(ストックの長さ)を変えることだけで解決しようとするのもおかしいような気がします。
なので、道具を調整してみることと、滑り方を変えてみること、この両方からアプローチしていくことが大切なのではないかと思います。
伸縮する機能がない一般的なストックの場合、切って短くしまうと、元に戻すことはできません。
なので、短くするには勇気がいります。
でも、伸縮機能がついたストックであれば、気軽に短くすることができるので、そのメリットは大きいのではないかと思います。
ただ、伸縮式のストックは、ものによっては伸縮をロックする強度が十分でないものもあり、コブで強く突くと長さが縮んでしまうことがあります。
コブ上級者の場合はストックを強く突くことは少ないので、それほど影響はないかもしれませんが、コブ初級者の場合はストックを強く突くことが多いので、この点はデメリットになってしまいます。
でもやっぱり、伸縮するストックの最大の利点は、整地を滑っているときは長くしておいて、コブを滑る時だけ短くする、といったように状況に合わせて長さを変えられる点ですよね。
ただ、整地を滑るときとコブを滑るときで、ストックの長さを大きく変えすぎてしまうと、それはそれで違和感があることなのかもしれません。
なので、整地の滑りが犠牲にならない程度にストックを短めにしてみて、また、コブの滑りが犠牲にならない程度にストックを長めにしてみる。このように2つの妥協点を見出して、整地とコブで長さの違いが大きくなりすぎないようにすることが現実的なような気がします。
◆伸縮機能がないストックで長さ調整
伸縮機能がないストックでも、グリップをにぎる位置を変えることによって、ほんの数センチであれば長さを変えることができます。
この方法は、
整地を滑っているときは、普通に ↓ このように握ります。
いっぽう、コブを滑っているときは、指1本ぶん下の位置で握ります。
小指はグリップの下にはみ出すような形になります。
このようにグリップの握りを指1本ぶん下にすることで、約 2.5cm くらい短くなります。
けっこう多くのモーグラーのかたが、この指1本ぶん下の位置を握る方法を使っていて、私もこの方法です。
※ 小指がグリップからはみ出てしまうので、小指に力を入れてストックを握るタイプのかたには、向いていないと思います。
※ちなみに、指 2 本ぶん下を握ることも試してみましたが、これだとしっかり握れずにグラグラしてしまい、ダメでした。
◆グリップの形状
上記の指1本ぶん下の位置を握る方法は、ストックのグリップの形状により、適しているものと適していないものがあります。
一般的なグリップは、グリップの下(小指の下)の部分が膨らんでいる形状になっています。
この形状だと、でっぱりが邪魔をして指1本ぶん下の位置を握ることはやりにくくなってしまいます。
また、ミトンのグローブでは小指と薬指が開かないため、指1本ぶん下の位置を握ることは、ほぼ不可能になります。
では指1本ぶん下の位置を握ることがやりやすいのはどのようなグリップなのかと言うと、以下のような形になります。
このように小指の下の部分が膨らんでいなければ、グリップの下の位置を握ることも違和感なくできます。
また、ミトンのグローブでも指 1 本ぶん下の位置を握ることができます。
この形状のグリップは機種としてはそれほど多くありませんが、アルペンレース用やモーグル用のグリップとして時々見かけます。
また、この形状のグリップであれば、下のイメージのような「親指と人差し指でグリップを握り、その他の指を広げることでストックを突く準備をすること」がやりやすくなります。
この方法は、手の指を開いたり閉じたりするだけでストックを操作できるので、腕の動きが最小限になります。
そのため、多くのモーグラーが行っているストックワークです。
このようなストックワークをさらにやりやすくしたグリップもあります。
シナノのバンプダイバーというストックで、グリップの形状が以下のようになっています。
これを愛用しているモーグラーのかたも多く、試しに握らせてもらったら「なるほど、これいいかも」と思いました。
私の場合は、前述のようにグリップの握る位置を上下させることでストックの長さを調節しているので、このバンプダイバーは使う予定はありませんが、固定の長さで問題ないかたにとっては、とてもいいチョイスになると思います。
では、次の項では、コブ以外のシチュエーションも考慮に入れた場合、ストックの長さはどのくらいがいいのか、ということについて考えてみますね。
◆コブ以外も考えた場合
私はモーグルをベースとしているので、短めのストックを使っています。
ですが、コブ以外の整地などのシチュエーションも含めた場合を考えてみと、これがベストとは言えなくなってきます。
また、実際に斜面を滑っているとき以外、たとえば平地をスケーティングで移動しているときや、リフトに乗る時など、スキー場での行動すべてをひっくるめると、「今使っているストックはちょっと短いなぁ」と感じることがあります。
では、コブに限定せずにスキー全体をトータルで見た場合、最適なストックの長さはどのくらいなのでしょうか?
結局これも感覚的なものであったり、慣れもあったりするので、個々のスキーヤーで最適な長さは異なってくるのではないかと思います。
もっともよく知られている方法としては、ブーツを履いた状態で、ストックを逆さにしてリングの下を握り、その状態でヒジが 90度になる長さが最適、というやり方があります。
個々の差があるので、これが絶対とは言えないように思いますが、ひとつの目安にはなるのかもしれません。
●フィボナッチ
「フィボナッチ数列」って聞いたことありますか?
これは、その昔、イタリアの数学者のフィボナッチさんが考え出したものです。
このフィボナッチ数列から導き出される「フィボナッチ比率」は、近年は株価のチャート分析とかで、わりと頻繁に使われています。
この比率は自然界にとても多く存在していて、最も調和がとれた美しい黄金比と言われています。
また、歴史的建造物や芸術作品にも、多く見られる比率だそうです。
「自然」や「人が美しいと思う感覚」は数学とは全く無関係に思えますが、これらの比率が数式から割り出されたものと合致しているというところが、なにか神の意図のようなものがはたらいているのではないかと思わずにはいられません。
このフィボナッチの主要な比率が 23.6% 、38.2% 、61.8% です。
この中でストックの長さに近そうなのは 61.8% ですね。
つまり、この黄金比に従うのであれば、身長の 61.8% の長さのストックが最も自然で、バランスがとれた長さということになるのかもしれません。
実際に、立った状態で地面からヒジまでの高さを測ってみたところ、ほぼこの 61.8% に当てはまっていました。
あと、他の主要なフィボナッチ比率に 38.2%というのがあります。
試しに、 立った状態で地面から指先までの高さを測ってみたところ、指先をピッと伸ばすのではなく、力を抜いて自然に指が軽く曲がっている状態で、ほぼ 38.2% でした。
先ほどの 61.8% と、この 38.2% をプラスすると、100% になります。
これはつまり、頭頂部から指先までが 61.8% ということで、また、頭頂部からヒジまでは 38.2% ということにもなります。
また、61.8 から 38.2 をマイナスすると、23.6 になります。
つまり、ヒジから指先までの長さは、もう1つのフィボナッチ比率である、23.6% に合致していることになります。
すごいですね。なんかフィボナッチ比率を信じたくなってきちゃいました。
これは単なる一例ですが、これ以外にもこの黄金比はいたるところに存在しているのかもしれません。
ただ、スキーの場合は、使用しているマテリアルによって異なりますが、板の厚み、ビンディング(&プレート)、ブーツの高さが加わります。
つまり、スキーでは、実際の身長より少し高くなります。
この高さを加味してフィボナッチ比率をあてはめると、ストックの長さはだいたい身長の 63%~64%くらいになりそうです。
たしかに、自分の身長の 63%~64% の長さのストックを考えてみると、かなりオールラウンドに使えそうな気がします。
あと、ここではグリップも含めたストック全体の長さをフィボナッチ比率で割り出していますが、グリップを含めない「小指の下からストックの先端まで」だったり、「グリップを握っている拳の中心点からストックの先端まで」がこの比率に該当するという考え方もできるかもしれません。
「小指の下からストックの先端まで」の場合、グリップを握っている拳の幅(約 8~9 cm 位)のぶん上記 (身長の 63%~64%) より長いストックが、フィボナッチ比率に当てはまる長さになります。
また、「グリップを握っている拳の中心点からストックの先端まで」の場合、だいたい拳の半分の幅(約 4~4.5 cm)のぶん長くなります。
ストックの長さについては、自分自身の感覚以外にも、こんなふうに数学的な比率に当てはめて考えてみるのもおもしろいかもしれません。
(私は数学は苦手です...)
今回は以上になります。
おわり
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2019-08-10T08:57:30+09:00
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スキーのたわみでコブから受ける衝撃をやわらげる
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さてさて、今回は「コブから受ける衝撃をスキー板のたわみを使ってやわらげる方法」について考えていきますね。
コブではスピードを出せば出すほどコブにぶつかった時に受ける衝撃は大きくなります。
特にモーグルのような縦のラインどりで滑る場合は、かなり強い衝撃を受けることになります。
この衝撃に筋力と吸収動作だけで対応しようとすると、スピードを出してコブを滑ることは、かなりタフなものになります。
ここでポイントとなるのが、今回のトピックの「スキーをたわませて衝撃をやわらげる」ことです。
※今回のトピックは、主に縦のラインどりで、スキーのトップからコブに乗り上げる滑り方についての話題になります。
そのため、対象はコブ中級者以上になってくると思います。
横の移動幅をとった滑り方であったり、スキーを回し込むスライドの滑り方には適合しない部分が多くなります。
この点はあらかじめご了承ください。
では早速、本題に入っていきましょう。
◆コブの落ち込みでは、ヒザを伸ばさない
スキーのたわみを使ってコブから受ける衝撃をやわらげようとする場合、どんなことを意識しますか?
たぶん、スキーのトップを下げる先落とし をする、という意見が最も多いのではないでしょうか。
たしかにそのとおりで、先落としはスキーをたわませるためにはとても大切ですよね。
でも、これだけではまだ十分とは言えないので、もうちょっと細かいところまでふみこんでみたいと思います。
今回お話ししていくポイントは、先落としをした後、コブの落ち込む部分を下っていき、スキーの先端がコブに当たるところまで「ヒザ関節は伸ばさない」というところです。
どういうことかというと、コブの落ち込む部分で股関節は伸ばしていきます が、
いっぽうで、ヒザ関節は曲げたまま にします。
この体勢になることでスキーのトップが下がった状態がキープされます。
スキーのトップが下がった状態のままで、スキーの先端から縦にコブに当たると、スキーがたわみます。
スキーが板バネのようにたわむことで、コブにぶつかる衝撃をやわらげることができます。
ではここで、多くのスキーヤーが行っている、脚を伸ばしていく動作を見てみましょう。
コブの頂点を越えてスキーの先落としが終わった後、次のコブに備えて脚を伸ばしていきますが、このとき股関節とヒザ関節の両方を伸ばしています。
この場合、コブに当たるときにスキーのトップがあまり下がっていない状態になるので、スキーはあまりたわみません。
そのため、スキーのたわみでコブの衝撃をやわらげる効果は少なくなります。
次の項では、スキーのたわみを使って衝撃をやわらげる場合の、ポジションについて見ていきましょう。
◆スキーのたわみで衝撃をやわらげる滑り方のポジション
ここでは、コブを滑り出すときに意識する「スタートポジション」について見てみましょう。
実際にコブを滑っているときは、凹凸のどこの位置にいるかによって体勢は変化していきます。
でも、このスタートポジションをキープする意識をもつことで、コブのどの局面でもだいたい良いポジションになってくるのではないかと思います。
このスタートポジションは、前回の記事「パウダーとコブの共通点 Part 1 & Part 2 」で説明したポジションと同じになります。
なので、前回の記事の内容と重複してしまいますが、簡単にふれておきますね。
まず、全体のポジションはこんな感じです。
腰の位置は低めに保ち、上体は起こして構えます。
つまり、下半身は低く、上体は高いポジションになります。
では、細部を足元から順に見ていきましょう。
まず、足首は曲げた状態をキープします。
意識としては、スネでブーツを押しているような感じになります。
ヒザ関節は曲げて、腰を低い位置にキープするようにします。
腰の位置はできるだけ前に出します。
足首を曲げる角度はブーツで制限されているので、ヒザ関節を曲げるとどうしても腰の位置は後ろに下がりがちになります。
ただ、腰をできるだけ前にしようとする力はかけ続けるようにします。
腰の位置を前に保つには、下っ腹を前方へ押す力をかけ続けるようにするといいと思います。(詳細は「コブを滑るときの腰と下っ腹の意識 」のページをご参照ください)
このように下っ腹を前方へ押す力をキープすることで、コブの頂点を越えていくところで腰が前に出ます。
また、これにより先落としも自動的に行われます。
上体はまっすぐに背筋を伸ばして、起こして構えます。
背中(腰)は前に曲げないようにします。
もし、上体を前傾させる場合は、背骨を曲げるのではなく、
股関節を曲げることによって行います。
◆コブを滑るときの動き
ここからは、実際にコブを滑る一連の流れを見ていきましょう。
1. 腰の位置を低く保った状態で滑り始めます。
2. コブの落ち込む部分に入ります。
股関節は伸びていきますが、ヒザ関節は曲げたままキープします。
次のコブが迫ってくると怖くなってヒザを伸ばしたくなりますが、ここではガマンです。
ヒザを伸ばすことをガマンするその代わりに、股関節を伸ばすようにします。
股関節を伸ばしていくと、上体が起こされます。
もしここで、上体が前傾した状態でコブにぶつかっていくとなると、まるで頭からコブに突っ込んでいくようで、怖いです。
怖くなるとどうしてもお尻が後ろに下がってしまい、結局は後傾になってしまうことが多くなります。
いっぽう、上体が起きていれば頭とコブとの距離を保つことができるので、怖さがやわらぎます。
そのため、重心を後ろに下げない姿勢でコブにぶつかっていくことがやりやすくなるのではないかと思います。
また、股関節を伸ばすことで、コブにぶつかったときに股関節を曲げる吸収幅を大きくとることができます。
さらに、上体が起こされることで背筋が伸び、コブから受ける衝撃に強いポジションになります。
3. ヒザを曲げたままスキーの先端が下がっている状態で、トップがコブの受けている部分に当たります。(ここが大切)
そして、スキーのトップがコブに乗り上げていく過程で、ヒザ関節が伸びる方向に動きます。
また、その直後に股関節は曲がっていく方向に動き始めます。
4. ブーツがコブの一番深いボトム(溝)に達します。
スキー板が最も大きくたわむところです。
ここでヒザ関節が最も伸びた状態になりますが、ここではヒザを完全に伸ばしきるのはなく、適度に曲げた状態になります。
その直後、コブに乗り上げていくところでヒザは再び曲がっていきます。
つまり、コブを滑る一連の流れで、ヒザが伸びるのはブーツがコブのボトムに達しているところの短い時間だけで、その他のところではヒザを曲げている状態が続きます。
そのため、ヒザを曲げている時間は長く、ヒザを伸ばしていく時間は短くなります。
また、ヒザが最も伸びているコブのボトムに入るところでも、ヒザはある程度曲がっている状態になります。
つまり、滑りを通して腰は低い位置を保っているような状態になります。
ここでは、ブーツの先端(つま先)が膝頭(ひざがしら)より前に出ないようにすることを意識するといいのではないかと思います。
この点については、後ほど説明しますね。
5. コブに乗り上げていきます。
吸収動作で脚が曲がっていきます。
上記の通り、この滑り方ではヒザがあまり伸びていない状態でコブにぶつかります。
そのため、ヒザ関節の吸収幅は小さく、吸収動作は股関節がメイン になって行われます。
ここでも引き続き、つま先が膝頭より前に出ないようにします。
6. コブの頂点に乗り上げ、越えていきます。
ヒザ関節を曲げて、ブーツを後ろに引き戻します。
ただ、もともとのポジションが、つま先が膝頭より前に出ていなくて、ブーツが体の下より前に出ている量はほんのわずかになります。
なので、コブの頂点でブーツを後ろに引き戻す動きはコンパクトで済み、早いピッチの細かいコブにも対応しやすくなります。
7. コブの頂点を越えて、落ち込む部分に入ります。
ここで股関節が伸びていきます。
いっぽう、ヒザ関節は曲げたままの状態をキープします。
また、コブの頂点でヒザを曲げる動作が遅れてしまった場合は、ここでもヒザを曲げていきます。
この動きにより、吸収動作で少し後ろに下がった腰(お尻)の位置が前に移動していきます。
以後、上記2の「コブの落ち込む部分」からのくりかえしになります。
◆ヒザを伸ばしている場合と曲げている場合の比較
上記の全体の流れで注目していただきたいのは、「ヒザを曲げた状態でスキーのトップがコブに当たる」ところです。
いっぽう、一般的に多くのスキーヤーが行っている滑り方では、スキーのトップがコブに当たるとき、ヒザは伸びています。
スライドで減速する滑り方の場合は、このようにヒザと股関節の両方を伸ばしていってOKなのですが、縦にスキーをコブに当て込んでたわませる滑り方には適していない動きになります。
ここからは、ヒザが伸びた状態でコブに当たるとどうなるのかを考えてみましょう。
コブの頂点を越えていくところでスキーの先落としをして、コブの落ち込む部分を下っていきますが、コブにスキーが当たる前に脚を伸ばしていきます。
このとき、股関節と同時にヒザ関節も伸びます。
ここで、ヒザが伸びてくるとスキーのトップが落ちている角度は少なくなります。
スキーのトップが落ちている角度が少なくなるので、コブにぶつかったところでスキーはあまりたわみません。
また、先落としの角度が少なくなるので、コブが落ち込んでいる部分ではスキーのテール側が接雪しているようになります。
その結果、スキーの荷重位置がテール寄りになり、スキーがコブにぶつかったところでスキーがたわむ量が小さくなります。
そのため、スキーのたわみによるショックアブソーバーの働きは弱くなります。
では、ヒザが曲がった状態でコブにぶつかるとどうなるでしょうか。
この場合、トップが落ちている角度が保たれているので、スキーがコブに当たるとスキーが大きくたわみます。
また、スキーの中心部に荷重しているため、スキー板全体がたわみやすくなります。
では次に、「コブにぶつかるときの体のポジション」という視点から考えてみましょう。
コブにぶつかる前にヒザを伸ばすとどうなるでしょうか。
この場合、ブーツ(スキー)が前方に送り出されるようなかたちになります。
ブーツが前に出るので、全体のポジションとしては後傾気味になります。
この後傾気味のポジションを修正するため、そのぶん上体の角度を前に倒した姿勢になります。
上体が前傾した姿勢でコブにぶつかるので、コブから受ける衝撃で上体が前につぶれやすくなります。
つぶされそうになる力に耐えるため、背中の腰の筋肉に大きな負荷がかかってしまいます。
では、ヒザが曲がった状態でトップがコブに当たる場合のポジションを見てみましょう。
ブーツが前に出ていなくて体の下に位置しています。
そのため、ヒザを伸ばしているときのようにブーツが少し前に出ている後傾気味の体勢ではないので、上体を前傾させる必要は無く、上体が起きた姿勢でコブにぶつかります。
上体が起きているので、下から突き上げてくるコブの衝撃に対して、強いポジションになります。
また、上体が起きていると股関節を曲げる吸収幅が大きくなり、その点でも衝撃に対応しやすいポジションと言えます。
ではここで、ヒザが曲がった状態でトップがコブに当たる場合のデメリットについても見てみましょう。
ヒザが曲がった状態でトップがコブに当たる場合は、脚があまり伸びていないので、腰の位置が低くなります。
そのため、吸収動作で脚を曲げていくストロークの大きさという点では、その吸収幅は小さくなってしまいます。
いっぽう、ヒザを伸ばしてコブに当たる場合は、脚が伸びているので、腰の位置が高くなります。
脚が最大限に伸びている状態から吸収するので、吸収動作のストロークが大きくなります。
つまり、今回説明している滑り方では、スキーがたわんで衝撃をやわらげることができるというメリットはありますが、そのいっぽうで、脚を曲げる吸収幅は少なくなってしまうというデメリットもあります。
ただ、実際にヒザを伸ばしている場合と曲げている場合の両方を同じコブで試してみると、圧倒的にヒザを曲げてコブに当たるほうが体力的に楽になります。
また、ヒザを曲げてコブに当たる滑り方のほうが、滑っていて気持ちいいです。(これも大事なことだと思います)
つまり、脚の吸収動作のストロークを大きくするためヒザを伸ばした腰高の姿勢をとるより、スキーをたわませることを優先してヒザを曲げて腰を低く保った姿勢をとったほうが、衝撃を受けずにより効率的に滑ることができる、という事なのではないかと思います。
◆つま先を膝頭より前に出さない
上記の「コブを滑るときの動き」のところで書いたように、つま先を膝頭より前に出さないようにすることが大切だと思います。
では、この点について見ていきましょう。
つま先が膝頭より前に出てしまうと、スキーのトップが下がっている角度が少なくなってしまい、また、スキーに荷重している位置がテール寄りになってしまいます。
その結果、スキーをたわませて衝撃をやわらげる効果が少なくなってしまい、コブからドンッという衝撃をもらってしまいます。
また、ブーツが体の下より前に出ているので、コブの頂点に乗り上げるところで、ブーツを後ろに引き戻す動きを大きく行っていく必要があります。
そのため、モーグルのような滑り方だと、速いテンポに大きな動きがついていけなってしまいます。
●つま先が膝頭より前に出る場合
でも実際にコブを滑っている状況下では、小さなリカバリー動作としてブーツを少し前に出すようになることがあります。
この場合は、ヒザ関節はもっと伸びて、つま先が膝頭より少し前に出ています。
このように、つま先が膝頭より少し前に出てしまうことは、滑っている最中にわりと頻繁にあることで、失敗というより、リカバリー動作として必要なものでもあります。
では、このようなリカバリーの動きが必要になる場合を見てみましょう。
コブに飛ばされ気味になったり、ポジションが少し後ろ気味になった場合
コブに飛ばされた後傾気味のポジションで、先落としをした状態でコブにぶつかると、スキーが大きくたわんだ反動で、スキーが前にすっぽ抜けてしまうことが多くなります。
これを避けるためには、コブの受けている部分の角度にスキーのソール面の角度を合わせていくように脚を伸ばしていきます。
脚を伸ばすことで、つま先が膝頭より前に出ます。
こうすることで、スキーがたわむことは少なくなり、たわみが少なくなると、たわみの反動でスキーが前にすっぽ抜けることも少なくなります。
スピードが出すぎてしまった場合
かなりスピードが出てしまった状態から減速していくには、コブをスキーのソールで蹴りつけるヒールキック が有効です。
ヒールキックを行う場合は、脚を伸ばしてコブの受けている部分を蹴りつけていくので、コブにぶつかるところでつま先が膝頭より前に出ます。
コブが非常に深かったり、受けているような形の場合
このようなコブでは、先落としをして縦にコブにぶつかると、スキーのトップがたわみすぎてしまうことがあります。
こうなると、スキーが詰まって前にバランスを崩してしまいます。
このようなコブでは、先落とししてトップをコブの溝にねじこんでいくのではなく、コブの頂点までジャンプしてしまったほうが安全です。
この場合も、つま先が膝頭より前にでていることになります。
こうすることで、スキーのトップがたわみすぎて詰まってしまうことは少なくなり、前にバランスを崩しにくくなります。
●メインはつま先が膝頭より前に出ない滑り方
上記のようないくつかのケースでは、つま先が膝頭より前に出ることになります。
でも、自分のコントロール範囲内で安定して滑れているときは、つま先が膝頭より前に出ないように意識したほうがいいのではないかと思います。
これができていれば、スキーのトップが落ちた状態でコブにぶつかることができ、また、スキーの中心に乗り続けることも可能になります。
その結果、スキーがよりたわんで、コブから強い衝撃をもらわずにすみます。
また、スネの前圧が抜けないため、その後の吸収動作や先落としが自動化され、次のコブにも余裕をもって入っていくことができます。
このように、先落としした状態でコブにぶつかっても大丈夫そうな場合は、つま先を膝頭より前に出さないようにします。
いっぽう、先落としした状態でコブにぶつかるとヤバそうな場合は、つま先を膝頭より前に出す形になります。
つまり、つま先を膝頭より前に出さない滑り方を主体にして、必要に応じてつま先を膝頭より前に出す滑り方を織り交ぜていくのがいいのではないかと思います。
◆スキー板の長さについて
では最後に、スキー板の長さについて考えてみましょう。
結論から先に言うと、ここまでで説明してきたようなスキーのたわみを利用していく滑り方は、長めのスキー板のほうが適しています。
短めの板だと、スキーのトップを下げてコブにぶつかっていく際に、スキーの先端がコブに当たるタイミングが遅くなります。
いっぽう、長めの板だと早い段階でスキーの先端がコブにとどきます。
このように、長めのスキーを使っていると、早いタイミングでスキーの先端がコブに当たるので、そのぶんコブに当たってからバランスを調整していく余裕が生まれます。
また、ある程度以上スピードを出して縦に滑ると、コブの溝に完全に接雪して滑ることは物理的に不可能になります。
そのため、コブの溝(底)の部分では、スキーが宙に浮いている状態になります。
ここで、長めのスキー板を使っていると、スキーのテールがコブの落ち込む部分に接している状態で、スキーの先端が次のコブの受けている部分に届きやすくなります 。
このように、コブの溝の部分をスキーで橋渡し するような形になります。
こうなっていれば、コブの底に接雪できていなくても、スキーをたわませることができます。
そのため、コブにぶつかったときの衝撃を軽減することができます。
いっぽう、短めのスキー板だと、スキーのテールがコブの落ち込む部分に接している状態では、スキーの先端が次のコブの受けている部分に届きずらくなってしまいます 。
こうなってしまうと、スキーをたわませることができません。
飛んでコブの受けている部分にドスンと着地するような滑りになるので、コブから強い衝撃を受けて体力を消耗してしまいます。
特に、縦のラインどりの場合は、横の移動幅をとったラインどりよりも、溝の幅が広いところを滑ることになります。
そのため、縦のラインどりでスピードを出して滑る場合は、ある程度以上の長めの板でなければ、「スキーのテールがコブの落ち込む部分に接している状態で、スキーの先端が次のコブの受けている部分に届く」ようにすることはやりづらくなってしまいます。
また、下の図のように「コブの落ち込む部分が2段」になっている所を縦に滑る場合は、コブの溝の部分まで完全に接雪して滑ることは難しくなります。
ここで、無理に溝の底まで接雪しようとすると、トップがたわみすぎたり、引っかかったりして、かえって失敗してしまうことが多くなります。
このような形のコブの場合も、スキーで溝を橋渡しすることになります。
つまり、長めのスキー板のほうが適していることになります。
多くのモーグラーは 170cm 前半~180cm 前半という少し長めの板を使っています。
このくらいの長さがあったほうが、コブの溝をスキーで橋渡しできる可能性は高くなります。
そのため、スキーのたわみでコブから受ける衝撃を緩和することができて、楽に滑ることができるようになります。
あと、スキーがたわんだときの前後のバランスもとりやすくなります。
いっぽう、多くの基礎スキーヤーは、コブを滑る時 160cm~165cm 位のショートターン用の板を使っています。
このように、ちょっと短めの板だと、コブの中でスキーを回し込んでいく滑り方はやりやすくなるのですが、そのいっぽうで、今回のトピックのように縦にスキーをたわませて衝撃をやわらげていく滑り方には、あまり向いていないように思います。
もし、ロングターン用の板も持っていて、その板の長さが180 cm 前半以下であれば、ロングターン用の板を使ったほうがいいように思います。
というか、私ならそうします。
たぶん同じように思っているモーグラーのかたも多いのではないでしょうか。
また、長さ以外でも、サイドカーブやトップの太さなどのスキーの形状や、フレックス等の点においても、ロングターン用の板のほうが縦にスキーをたわませていく滑り方には向いていると思います。
もちろん、ショートターン用の板でも今回説明したような滑り方はできますが、ショートターン用とロングターン用の2種類の板があるのであれば、ロングターン用の板を使ったほうがいいのではないかと思います。
今回は以上になります。
◆そもそも ↑ このような内容は信用できるのか?
ここまで読んでいただいたかたにとっては、かなり失礼なことを書きますね。
「このブログではコブの滑り方についていろいろと書いていますが、これらが絶対に正しいという自信は全くありません」
これらの内容は現時点では正しいと思って書いているわけなんですが、「これが絶対に正しいと言い切れるのか?」と聞かれれば、その自信はありません。
では、なぜ「これらの内容が正しいかどうか、まったく自信がない」と自信を持って言えるのかというと、以下のような理由からです。
- 自分よりスキーが上手い人はたくさんいる
- 自分が間違っていたことに気づいたことが、今までに数えきれないほどあった
では、この2つについて説明してみますね。
●自分よりスキーが上手い人はたくさんいる
あたりまえですが、私よりスキーが上手い人はたくさんいます。それも、ほんとうに嫌になっちゃうくらいたくさん。
彼ら、彼女らは、私が考えているスキーの滑り方とは、たぶん違った滑り方をしているのではないかと思います。
もちろん、運動神経や身体能力などにおいても、自分とは雲泥の差があることは確かなんですが、ただ、それらを差し引いたとしても、あまりにも実力の差が大きいわけです。
なので、私よりもずっと上手な一流のスキーヤーたちは、きっと自分にはない感覚や意識で滑っているのではないかと思います。
つまり、自分が今考えているスキー技術で練習を続け、その精度を上げていけば、その延長線上に彼ら彼女らの滑りがあるのかと言うと、否です。
でも、これは憂うべきことなのかというと、そんなことはありません。
なぜかというと、こんな自分でも滑り方を改善していくことで、まだまだ伸びしろがあるということになるからです。
今後、上達していけば、「上手な人たちにはあって、自分には無い部分」が少しずつわかってくるかもしれません。
そのときは、それらのことについての記事を書いてみたいと思います。
●自分が間違っていたことに気づいたことが、今までに数えきれないほどあった
スキーでは上達していく過程で、「あ!こうやって滑ればいいんだ」という新たな気づきがあります。
その気づきは、いままでの滑り方は変えずに、新たな滑り方のバリエーションとしてプラスしていけばいい場合もあれば、いままでの滑り方がそもそも間違っていたという場合もあります。
「いままでの滑り方は変えずに、新たな滑り方のバリエーションとしてプラスしていく」ほうの気づきは、どちらかというと小さな発見的なことの場合が多いです。
いっぽう、「いままでの滑り方がそもそも間違っていた」という気づきは、滑り方の根底をゆるがすような大変革になる場合が多いです。
つまり、ブレイクにつながる多くのケースで、「上達していくということとは、すなわち、いままで自分が正しいと思っていた滑り方が、実は間違っていたということに気づくこと」になります。
スキーの上達につながる新たな発見があった時は、とても嬉しいです。
嬉しくて、「こうやって滑ってみたら、いい感じで滑れたよ」と、一緒に滑っている人たちに話したくなってしまいます。
「いままでこうやって滑ってたけど、それは間違いで、ほんとうはこうやればいいんだね」
で、ここでふと気づくわけです。
「あ、そういえば、以前あの人に間違った滑り方を教えちゃったなぁ」
「以前一緒に滑ったあの人」だけならまだいいですが、もしそれをブログ等に書いてしまったとすると、不特定多数のかたに間違ったことを言っているわけで、それはそれは恥ずかしいことです。
注: もし、このブログに記載している内容で間違いが見つかった場合は、修正、追記、または削除することがあります。ご迷惑おかけしますがご了承ください。 また、昔書いた内容と最近書いた内容にもしかしたら矛盾点があるかもしれません。その場合は、新しいほうを正としてください。(※人によって有効な上達手段は変わってくるので、矛盾点があっても、それをあえて残している部分もあります)
「上達していくということとは、すなわち、いままで自分が正しいと思っていた滑り方が、実は間違っていたということに気づくこと」と上記で書きました。
これは逆に言うと、「自分の間違いに気づくことで、上達できる」とも言えるのではないでしょうか。
つまり、上達していくためには、「今の自分の滑り方は間違っているのではないか」と常に疑い続けることや、他の人の見解を受け入れることができる度量の大きさが必要になってくると思います。
でもここで、「自分の技術論が絶対に正しい! 他の人たちが言っていることは間違っている!」と思い込んでしまうと、自分の間違いに気づくことができなくなってしまいます。
このように、かたくなな精神状態だと、なかなか上達できないのではないでしょうか。
また、スキーでは初期段階では有効な滑り方のポイントが、上達してレベルアップしていくと、それが有効ではなくなってしまうことが多々あります。
そのため、1つの成功体験にとらわれて、それに固執してしまうと、かえってその先の上達を阻害してしまうことになります。
私はスキーを続けてきて、自分の間違いに気づいたことが数えきれないほどありました。
そのたびに「いままでの自分は、ほんとバカだったなぁ」と毎回思うわけです。
でも、以前よりちょっとは利口になったつもりの今の自分も、もっと上達した将来の自分から見れば、きっととんでもない大バカヤロー なんでしょうね。
というか、そうなっていなければ上達できていないということになるので、ぜひとも、そうなっていたいと思います。
えーと、ここまでで、「いかにこれらの記事の内容が信用できないものなのか」という事がおわかりいただけたのではないでしょうか。
つまり何が言いたいのかというと、ここに記載している内容は、下手で大バカヤローの私が、現時点ではこれが最善と思っていることを書いている 、ということです。
では、いつになれば信用できる内容を自信をもって書くことができるのでしょうか?
過程を楽しむ
スキーとは、おおざっぱに言うと、雪の斜面をターンして滑り下りてくるだけのとてもシンプルなものです。
でも、それだけのことなのに、恐ろしく奥が深いものだと、毎回スキーに行くたびに思い知らされます。
たぶん私は、一生かかっても確信をもってスキーの技術論を語れるレベルには到達できないと思います。
そうであれば、そのレベルに到達できないことを悲観するよりも、そこに向かっていく過程そのものを楽しんでいくことに意味があるんじゃないかな、と思っています。
おわり
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2019-06-25T09:00:30+09:00
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