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コブやモーグルについて思ったことをダラダラとつづっています。
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さてさて、今回は「負の連鎖」の Part 2 です。

前回の Part 1 をまだお読みでない場合は、以下のページから先にお読みください。

●コブ中級者への道(その4) 負の連鎖 Part 1



前回の Part 1 では、後傾や内倒、またはローテーションの状態でコブにぶつかると、スキーはコブの溝に沿って横方向へ直進してしまうところまで説明しました。

ここからは、「スキーが横方向へ進んでしまうと、どのようにして負の連鎖に陥ってしまうのか」について見ていきましょう。




◆コブにぶつかったところで横に進むとどうなるか
後傾や内倒、またはローテーションの体勢でコブの溝に落ちると、スキーはコブの受けている部分(溝)の角度に沿って横に進んで行きます。


そのまま横方向へ直進すると、コブの外側のバンクへ進んで行ってしまいます。


こうなると、次のターンでスキーをずらして減速することが難しくなってしまいます。

また、バンクに入ると横方向へ進む推進力がついてしまい、横に飛ばされてしまうことが多くなります。



ここで本来であれば、溝に落ちた後はコブの肩に乗り上げていく方向にスキーが進んで行くのが望ましい動きになります。


コブの肩に乗り上げていけば、次のターンでコブの内側のラインを通ることができます。
このように内側のラインをキープできれば、コブの落ち込む部分でスキーをずらして減速することが容易になります。


つまり、コブをスライドで減速して滑るには、横に大きく膨らんだラインを通らずに、コブの内側のラインを通ることが重要なポイントになります。

コブの内側を通るとどうして減速しやすいのかと言うと、ずらして減速できる距離を長くとることができるからです。

ではここで、「スキーが通る位置」と、「ずらして減速できる距離の長さ」の関係について見てみましょう。
まず、コブの肩に乗り上げていく場合は、スキーが通る位置が外側にふくらまない内側のラインを通ります。
このように内側を通ると、コブの落ち込む部分が長くなります。


スキーをずらす距離を長くとることができるので、そのぶん減速しやすくなります。



いっぽう、コブにぶつかったところで横方向に進んでしまった場合は、もっと外側を通ることになります。
この外側のラインだと、コブの落ち込む部分が短くなります。


スキーをずらすことができる距離が短くなってしまうので、あまり減速することができません。



さらに、コブにぶつかったところでもっと横に進んでしまうと、どうなるでしょうか。
この場合、バンクの部分を通ることになります。


こうなると、コブの落ち込む部分がほとんどなくなり、落ち込みでスキーをずらして減速することができなくなります。
また、バンクでスキーが加速してしまい、横にすっぽ抜けてしまうことが多くなります。


もちろん上達していけば、コブの外側のラインやバンクも滑ることができるようになります。
また、あまり多くはありませんが、コブの形状によってはバンクを滑った方が楽な場合もあります。
でも、初級者がしっかりと減速して滑る場合は、コブの内側のラインをずらして滑るほうが多くのコブに対応しやすいと思います。
そのほうがコブの条件に左右されにくい滑り方になるので、多くのコブで滑りが安定することにつながります。



コブにぶつかったところで横方向へ進んでしまうと、ずらして減速しやすいコブの内側を通ることができなくなってしまいます。
そのため、溝に落ちたら、スキーが横方向に進んでいってしまう前にできるだけ早く次のターンに入って、コブの内側のラインになんとか入ろうとします。


このように、横に進んで行こうとするスキーを急いで回していこうとすると、さらなる負の連鎖をまねいてしまいます。
次の項では、この点について見ていきましょう。



●上体から次のターンに入っていくためローテーションしてしまう
スキーが外側に向かっていってしまうことを避けようとすると、上体を次のターン方向へ傾けることによってターンしようとします。


このように上体から次のターンに入っていきます。

そして、上体から次のターンに入っていくと、ローテーションになってしまいます。



では、なぜ横に進むと上体からターンに入ってしまうのでしょうか?

コブにぶつかって横方向に進んでしまう場合、スキーに対して体がターン内側に入りすぎています。
この体勢のままでは次のターンには入ることができません。



この状態から急に次のターンに入るためには、体とスキーの位置関係を瞬時に大きく変える必要があります。
どのように変えるのかと言うと、スキーに対して体が次のターンの外側にある状態から、内側にある状態に変わらなくてはなりません。


そのため、次のターンへ入ろうとすると、瞬時にスキーと体の位置を大きく入れ替える動きが必要になります。


すると、上体から次のターンに入っていくことになり、結果的にローテーションになってしまいます。



●ローテーションした体勢から上体を前傾させても後傾は直らない
では次に、ローテーションと後傾の関係について見てみましょう。

後傾を直す場合、どのような動きを意識しますか?
たぶん多くの場合、上体を前傾させていく動きをするのではないでしょうか。


ただ、上記のように上体から次のターンに入ってしまうと、ローテーションしている体勢から上体を前に倒してしまうことになります。


体が横に向いている体勢で上体を前に倒していくので、上体を斜面の横方向へ倒していくことになります。
この場合、スキーに対しては前傾しているポジションになりますが、


斜面に対しては前傾していません。


コブで大切なのは「スキーに対して後傾にならないようにすること」よりも「斜面に対して後傾にならないようにすること」です。
そのため、後傾を直すには、スキーが向いている横方向に上体を前傾していくのではなく、


斜面の下方向(フォールライン)に向かって前傾していく必要があります。


フォールライン方向に前傾するには、上体(胸)がフォールラインに向いていること、つまりローテーションしていないことが大切になります。


そのため、ローテーションした体勢では、斜面に対して重心を前にもってくる(=斜面に対して前傾する)ことは難しくなってしまいます。



●後傾でローテーションしていると内倒になる
では次に、「内倒」について見ていきましょう。

上記のようにローテーションしている体勢から上体を前傾させると、体の重心はターン内側に行き過ぎてしまいます。


つまり、横に向いている状態で上体を前傾させると、内倒していることになります。


このように、横に向いた状態から上体を前傾しても後傾は直らず、かえって内倒という別の欠点を生み出すことになってしまいます。


また、コブで横方向へスキーが直進 → 上体から次のターンに入る というパターンの滑り方では、スキーが横方向へ進む慣性が強くなり、左右に大きく振られた滑り方になってしまいます。


こうなると、毎ターンごと内倒した滑りになってしまいます。
いったんこのサイクルにはまってしまうと、ここから抜け出すことは難しくなってしまいます。




◆欠点の連鎖
ここまでをまとめると、以下のようなサイクルで欠点が連鎖してしまいます。

1. しっかりとスキーをずらして減速しようとすると、スキーが体の前に出た後傾のポジションになってしまう


2. この後傾のポジションだと、コブにぶつかったところでスキーが横方向へ直進してしまう


3. 横に行ってしまわないように、上体から次のターンに入る


4. 上体から次のターンに入ると、「ローテーション」&「内倒」&「斜面に対して後傾」のポジションになる


5. このポジションで次のコブにぶつかるので、スキーがまた横方向へ直進してしまう


6. 横に行きすぎてしまわないように、また上体から次のターンに入る


7. 上体から次のターンに入ると、また「ローテーション」&「内倒」&「斜面に対して後傾」になる


このような負の連鎖に陥ってしまいます。

では、この連鎖はどのようにして断ち切ればいいのでしょうか?



◆負の連鎖を断ち切るには
ここまでで見てきたように、コブの溝に落ちたところでスキーが横方向へ直進してしまうと、上体から次のターンに入ることになります。


つまり、コブの溝に落ちたところでスキーが横に直進してしまったら、負の連鎖が続いてしまう確率が非常に高くなるということになります。

では、どうすればいいのでしょうか?
これを回避するために、まずコブの溝に落ちたところでスキーが横に進まずに、コブの肩に乗り上げていく方向へ進んで行くようにすることが大切になります。




コブの肩に乗り上げていく方向へ進めば、上体から次のターンに入る必要はなくなります。
すると、ローテーションや内倒などの欠点が現れなくなり、負の連鎖は生じなくなります。
また、スキーをずらして減速するスペースを長くとることができるようになり、安定感も増します。


次は、スキーがコブの肩に乗り上げていく方向へ進んで行くようにするにはどうすればいいのかを考えてみましょう。



◆コブの肩に乗り上げるには
コブの肩に乗り上げていく方向に進むためには、斜面に対して後傾になっていないことが重要になります。
なので、後傾のポジションになっている場合は、


体の下にスキーをキープしているようなポジションに変えてみましょう。


また、横に向いたローテーションした状態から上体を前傾させても後傾は直らないので、


胸がフォールラインに向いていることも大切です。


つまり、上体(胸)をフォールラインに向けた状態で、前傾して重心を前に移動させていきます。


滑っている最中にポジションを直していくことは難しいので、まずは止まっている状態でポジションをつくり、それが確認できてから滑り始めてみましょう。
止まっている状態で、胸をフォールラインに向け、いつもより重心を前にします。
この姿勢ができていることを確認してからスタートします。

では、滑り始めた後、どうなるのかを見ていきましょう。

上体を下方向(フォールライン)に向けて、コブの落ち込む部分でスキーをずらして下っていきます。


このとき、スキーが横に回っていっても、上体(胸)はフォールラインに向け続けていることを意識します。
そして、いつもより重心を前のほうにして滑ります。



コブの落ち込む部分を下っていくと、次のコブが迫ってくるように感じてしまい、怖くなってしまうかもしれません。


怖くなると本能的に足(ブーツ)を前に出してしまいます。
また同時に、上体は後ろに引いてコブから遠ざけようとします。
こうなると、後傾のポジションになって、コブにぶつかったところで横方向へ直進してしまいます。


なので、ここは怖いですが我慢して、足を前に出してしまわないようにすることが大切です。

精神論的な話は個人的にはあまり好きではないのですが、ここでは恐怖心に打ち勝つ気持ちの強さが、ある程度は必要になってくると思います。

ではここで、恐怖心について考えてみましょう。
話はちょっとスキーから離れてみますね。
たとえばの話ですが、街の狭い路地を歩いているときに、前から直径2メートルくらいある巨大なゴムボールが転がってきたとします。


狭い路地なので、横に逃げるスペースはありません。
このとき、どのような防御姿勢をとりますか?
本能的にどういう姿勢をとるかということを想像してみてください。

たぶん、手は前に出て、体は後ろに引いた状態になるのではないでしょうか。
また、ボールに対して正面を向いているのではなく、体を横にそむけていると思います。


では、この姿勢をコブを滑っているところに当てはめてみるとどうなるでしょうか。
コブが迫ってくると、足が前に出て、上体やお尻を後ろに引いた体勢になります。
こうなると後傾になってしまいます。


また、迫ってくるコブに対して体を横にそむけてしまうと、ローテーションになってしまいます。



このように、迫ってくるコブに対して恐怖心を抱くと、足(スキー)を前に出してお尻を後ろに下げ、体を横に向けるということを本能的に行ってしまう傾向があるのではないかと思います。
でも、コブでこのようなポジションになってしまっても、自分は臆病者なんだ…、と卑下することはありません。 
これは本能的なリアクションであって、最初はだれでもコブを滑るとこんな感じになります。

大きなコブが迫ってくると、ぶつかった時に体がつぶされてしまうように思えてきます。
でも実際のところは、低速で滑っていれば見かけほどコブから受ける衝撃は強くありません。
なので、コブから体を遠ざけて、足を前に突っ張って伸ばしていかなくても大丈夫です。

つまりここで言いたいのは、恐怖心から本能的にとってしまうポジションではコブを上手く滑ることはできないので、それを前提としたうえでそこから意識的にポジションを変えていってみましょう、ということです。


恐怖心の話はこのへんまでにして、コブを滑る場面の話にもどりますね。
ここで、いつもより少しだけ勇気を出して、今までよりポジションを前にして滑ってみましょう。
具体的には、いつもより脚を前に伸ばす量を少なめにして、体を前に出していきます。
もちろん、ことのき上体(胸)はフォールラインに向いている状態を保つことも大切です。


重心を前にしたポジションで滑ると、いつもよりズラシによるブレーキは弱くなります。
これでスピードが出すぎてしまう場合は問題ですが、少しのスピードアップであれば、そのままのスピードで滑ってみたほうがいいのではないかと思います。

このようにズラシによるブレーキが弱くなってスピードが速くなることは、必ずしも悪いことばかりではありません。
なぜなら、ある程度のスピードがあったほうが、コブの肩に乗り上げる方向へ進みやすくなるからです。
減速して滑走スピードが止まってしまうくらいにスローになってしまうと、コブの肩に乗り上げていく勢い(慣性)が無くなってしまいます。
こうなると、コブにぶつかったところでスキーが横に進んでしまいます。


なので、コブで止まってしまうくらいの遅いスピードで滑っている場合は、いつもより少しだけスピードを速くしてみることをお勧めします。


いつもより少しだけスピードを出して、重心を前にしたポジションでコブの落ち込む部分を下って行きます。


コブの溝に落ちると、やっぱりいつもと同じようにスキーが横方向へ進んで行ってしまうかもしれません。


もしここで、スキーが横方向へ進んでしまったら、そこでいったんコブのラインから離脱しましょう。
なぜなら、スキーが横に直進してしまったら、次のターンに上体から入ることになり、また負の連鎖に陥ってしまうからです。
なので、ここはいったんコブから出て、また初めから仕切り直しです。
上から滑ってくるスキーヤーがいないことを確認し、再度コブのラインに入ってスタートします。

再度スタートするときには、前回よりもさらにポジションを前にしてみます。



このように、前回よりも少しずつポジションを前にしていくことを何度か繰り返していくと、あるところから徐々にスキーは横に直進せずに、コブの肩に乗り上げていく方向へ進んで行くようになります。


このコブの肩に乗り上げていく方向に進んでいくくらいのポジションが、本来のあるべきポジションになります。
いままでスキーが横方向に進んでしまっていたかたにとっては、かなりポジションが前に感じられるのではないかと思います。

もし、いくらポジションを前にしていっても、コブにぶつかったところでスキーが横に進んでしまう場合は、以下の 5 点を確認してみてください。
- 上体がローテーションしていないか
- 内スキーに乗っていないか
- 足首が伸びてしまっていないか
- お尻が下がっていないか
- 脚をつっぱりすぎていないか

ローテーションについては最初の方で述べてきたので、ここでは「内スキーに乗っていないか」、「足首が伸びてしまっていないか」、「お尻が下がっていないか」、「脚をつっぱりすぎていないか」の 4 つについて見ていきましょう。

●内スキーに乗っていないか
コブの落ち込む部分を下っているときに、内スキーに多く荷重している場合は、まだ後傾、内倒、ローテーションが出てしまっている可能性があります。
これらの欠点が出ているうちは、コブの肩に乗り上げていくことは難しくなります。

特に、内倒のポジションになっていると、内スキーへの荷重が増えてしまいます。


意識的に外スキーに荷重していくことで、内倒する欠点は軽減されてくるのではないかと思います。



●足首が伸びてしまっていないか
足首が伸びていると、コブの溝に落ちたところでスキーが横方向に走ってすっぽ抜けてしまうことが多くなります。


このようにスキーが横にすっぽ抜けてしまうと、コブの肩に乗り上げていくことはできません。

これはコブに対して恐怖心があると陥りやすいポジションになります。
怖いと感じていると、上体はがんばって前傾させていますが、お尻は後ろに下がったままになりがちです。


このポジションだと、たいてい足首が伸びてしまっています。
すると、スキーの荷重位置がテール寄りになり、コブにぶつかったところでスキーが走って飛ばされてしまいます。

このように足首が伸びてしまう欠点が頻発してしまう場合は、最初はかなりオーバーアクションで、スネでブーツを前に押しつぶすくらいの意識で滑ってみてもいいのではないかと思います。


足首が曲がっていれば、コブにぶつかったところでスキーがすっぽ抜けることは少なくなり、体の下にスキーをキープできるようになります。
すると、スキーがコブの肩に乗り上げていく方向に進みやすくなります。


●お尻が下がっていないか
上体を前傾させても、お尻がそのぶん後ろへ下がってしまっては、重心の位置を前に移動させていくことはできません。
なので、重心を前にするには、お尻が後ろへ下がってしまわないようにすることが大切なポイントになります。


また、お尻が後ろに下がっていると、スキーの荷重位置がテール寄りになってしまいます。


スキーは、中心部に荷重すると回りやすく、


テールに荷重すると直進しやすいという性質があります。


そのため、テール荷重になりやすいお尻が下がっている体勢だと、スキーが回らずに直進しやすくなってしまいます。


ここで、お尻が後ろに下がっていないポジションになれば、スキーの中心部に荷重することができて、スキーが次のターン方向へ回りやすくなります。




●脚をつっぱりすぎていないか
コブに対する恐怖心があると、脚を伸ばしていく方向に強い力をかけ続けてしまいます。


コブにぶつかったところでも、強い力で脚を伸ばし続けてしまうと、体が山側に残ったままになってしまいます。


すると、重心とスキーの位置の入れかえが起こらなくなり、スキーは溝に沿って横方向へ直進してしまいます。


こうなると、上体から次のターンに入ることになり、負の連鎖が続いてしまいます。

ここで、コブにぶつかったところで脚(特に股関節)が曲がれば、重心とスキーの位置の入れかえが起こり、コブの肩に乗り上げていく方向に進むことができます。


ただ、初級者の場合、脚を曲げようとすると、お尻が後ろに落ちて後傾になってしまいやすくなります。
なので、積極的に吸収動作を行う意識で滑ることはあまりお勧めできません。

では、どうすればいいのかと言うと、脚の力を少し抜いて、脚をつっばりすぎないようにするといいのではないかと思います。
脚をつっばりすぎていなければ、コブにぶつかった衝撃で自然に脚が適度に曲がり、山側(後ろ)にあった重心が、スキーの真上に戻されます。


重心(体)の下にスキーがあるニュートラルポジションになり、スキーが自然に次のターン方向へ回り始めます。

また、フォールライン方向へ進む慣性が持続されるため、コブの肩に乗り上げる方向へ進みやすくなります。

では、脚の力をどのくらい抜けばいいのでしょうか?
これは、そのときのポジション、スピード、雪質、コブの形や大きさなどの様々な要因によって変わってきます。
なので、その状況でどのくらい脚の力を抜けばいいのか、それとも、どれくらい力を入れていけばいいのかについては、ある程度コブを滑りこんで経験を積み、その感覚をやしなっていく必要があります。
コブにぶつかった衝撃で、重心がスキーの真上にもどされるくらいになっていれば、適切な力加減になっていると思います。


あと、コブで脚をつっぱりすぎているのは、ストレッチ系の切りかえ動作で滑っているスキーヤーに多く見られます。
脚を伸ばすストレッチ系の切りかえ動作を行っている場合、コブにぶつかってからすぐに急いで次のターンに入ろうとすると、コブにぶつかった直後に脚を伸ばしてしまいます。
すると、体(重心)がスキーの真上に戻るより先に脚を伸ばしてしまい、体が山側に残ったままになってしまいます。


こうなると、上体から強引にターンしていかなければ、次のターンに入ることができません。

ここで、ベンディング系の切りかえを行えば、体の下にスキーを引き戻して切り替えを行うので、重心とスキーの位置の入れかえがしやすくなります。


また、体が山側に残っていないので、コブの面に対してスキーのエッジが立っていないフラットな状態になります。
これも、コブの肩に乗り上げる方向へ進みやすい要因になります。

ただここで、ストレッチ系の滑りをベンディング系に変えたほうがいいのかというと、必ずしもそういうわけではありません。
ストレッチ系とベンディング系、どちらが良いとか悪いとかいうことはなく、どちらもそれぞれメリットとデメリットがあります。
なので、そのときの状況に合わせて使い分けられるようになることがいいことは言うまでもありません。

特にコブを低速で滑る状況では、ストレッチ系が適していることが多くなります。
また、ストレッチ系の切りかえでは、立ち上がることで腰の位置が前に移動し、後傾の姿勢を前に戻す働きもあります。
初級者の場合、お尻が後ろに落ちた後傾の姿勢になりやすいので、この点でもストレッチ系の滑りが向いていると言えるのかもしれません。


あと余談ですが、ターン終盤の脚が曲がった低い姿勢は、吸収なのか? それとも曲げ荷重なのか? といったとらえかたの違いにより、ストレッチなのかベンディングなのかが変わってくることもあります。
なので、場合によっては、そもそもストレッチとベンディングを別のものとして分けて考えること自体が、あまり意味のないことのような気もしています。

ストレッチとベンディングについては、話し始めると1つの記事になるくらい長くなってしまいそうなので、また別の機会にしますね。





このような練習をしていくことで、コブにぶつかった所で横に直進してしまうことは少なくなっていき、コブの肩に乗り上げていく方向に進んで行くことができるようになると思います。

これができれば、負の連鎖はそこでとぎれて、滑りのサイクルは良い方向へ回り始めます。


今回の Part 2 はここまでになります。


次回の Part 3 は、「広いスタンスをなおすにはどうしたらいいのか」について書いていきますね。


おわり



◆目次はこちら































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目次
INDEX

下の各項目からもご覧いただけます
コブの滑り方
■ 脚は少し曲げておく
■ 目線は重要
■ かかと加重を重視
■ スタンスと前後差
■ 基礎スキーヤーがモーグル的に滑るには
■ 吸収動作を長くキープ
■ モーグルのストックワーク (1)
■ モーグルのストックワーク (2)
■ モーグルのストックワーク (3)
■ スイッチバック
■ 背筋を伸ばす
■ 秘技!! スライド&ジャンプ
■ 吸収動作が必要なわけ
■ 吸収動作によるスピードアップ
■ 1つの動作で吸収と先落としをする
■ 吸収はヒザを意識する
■ 吸収動作による前後のバランスの調整
■ 吸収を行わない滑り方
■ 肩の逆ローテーション
■ ダブルストック
■ 縦の溝コブで減速
■ コブの溝でスキーをたわませる
■スキーの先落としと関節の動き
■吸収と伸ばしのタイミング
■ 足首の角度とポジションの関係
■ 左右非対称のコブとスライド
■ レベルによるストックワークの違い
■ スキーの先落しの角度とスピードコントロール
■ 静かなストックワーク
■ ボール状の凹みを通るライン
■ 外側の肩を下げる動きについて
■ スキーの縦の動きと練習について
■ コブ初心者 (1) どこを通る?
■ コブ初心者 (2) フォールライン方向にずらす
■ コブ初心者 (3) 上体をフォールライン方向にキープ
■ コブ初心者 (4) 脚のかまえ
■ コブ初心者 (5) それではコブを滑ってみよう・前編
■ コブ初心者 (6) それではコブを滑ってみよう・後編
■ コブ初心者 (7) スキー板と練習するコブ斜面
■ 春の巨大コブを省エネで滑る方法
■ 滑り方によって変化する谷回りと山回り
■ コブ中級者への道 (1) プロペラと逆ひねり
■ コブでおじぎを防ぐには
■ コブ中級者への道 (2) スライドする方向を変える
■ コブ中級者への道 (3) コブでスキーが開いちゃう
■ 上体を前に移動させる
■ コブ頂点のポジション
■ 基本ポジション
■ コブの滑り方で変わる前傾角度
■ 腰と下っ腹の意識
■ 先落としにトライしてみよう Part 1
■ 先落としにトライしてみよう Part 2
■ コブの衝撃に強いポジション Part 1
■ コブの衝撃に強いポジション Part 2
■ 腕の構え
■ コブで動きを止めない滑り Part1
■ コブで動きを止めない滑り Part2
■ ストックワークと腕の動き
■ コブに乗り上げていくところの脚の動き
■ コブを片足で滑ってみる
■ 重心とスキーの回転
■ パウダーとコブの共通点 Part 1
■ パウダーとコブの共通点 Part 2
■ スキーのたわみでコブから受ける衝撃をやわらげる
■ 負の連鎖 Part 1
■ 負の連鎖 Part 2
■ 負の連鎖 Part 3
■ 負の連鎖 Part 4
■ テールジャンプ Part 1
■ テールジャンプ Part 2
■ テールジャンプ Part 3
スキー場
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