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コブやモーグルについて思ったことをダラダラとつづっています。


私は貧乏なので物持ちが良い方なので、それほど頻繁にモーグル用のスキー板を新調することはなく、あまり多くのモーグル用の板を使ったことはありません。

モーグル用スキー板は、ファットやロッカー、プレートなどの近年の新しい傾向とは無縁で、板の性能としてはほぼ成熟したカテゴリーなのが、ニューモデルが出ても食指が動きにくい理由の1つです。

また、老化する年をとるにしたがって滑りがおとなしくなり、板が壊れてしまうことは少なくなりました。
そんなわけで、モーグル用スキー板を買う機会は少なくなってしまいました。

でも、その少ない経験から思うのは、モーグル用の板は、ずいぶん硬くて張りのある板から、かなり柔らかいマイルドな板まで、同じコブ用の板という用途ながら、硬い板からやわらかい板まで、かなり差があるように感じています。

硬い板と柔らかい板には、それぞれメリットとデメリットがありますが、今回は私なりの個人的な印象を述べてみたいと思います。

あ、もちろんスキー板の印象は、体重、スキルレベル、滑り方、スピード、よく行くスキー場のコブ斜面の傾向などにより大きく変わってきますので、あくまで1人のへなちょこヘタッピモーグラーの感想程度として、気軽に読んでいただければと思います。



◆減ってしまったモーグルスキーのメーカー
本題とはちょっとずれますが、近年、モーグル用のスキー板を作るメーカーはどんどん減ってきてしまいましたね。

以前は、サロモン、アトミック、クナイスル、オーリン、プレ、トランソニック、ラクロアなど、多くのメーカーのモーグル用スキーがあって、選ぶのに迷ってしまうくらいでした。

最近(2015年現在)は ID one、ハート、K2の3社がほとんどで、あとフォルクル、リィズム、モーメントも少数派ですがたまに見かけますね。

ディナスター、ロシニョール、フィッシャー、エランは年によって作ったり作らなかったりで、なんか最近やる気を感じません。

モーグルは近年下火のスポーツで、少子化同様、モーグラー人口も少なくなってきており、また、モーグラーの高齢化問題もさけばれているとかいないとか。

まあそんなわけで、スキーメーカーもモーグル用の板を出してもあまり売れないため、作らなくなっちゃったんでしょうね。


◆フレックスの違い
ID one は、硬い板から柔らかい板まで、多数とりそろえています。
それ以外の各スキーメーカーは、 だいたいメーカーごとモーグル用スキー板は1機種のみでチョイスはありません。

そのわりにメーカーによってモーグル用スキー板の硬さには、わりと差があるように感じます。

全体的には、国産メーカーの板は硬めの張りが強い板が多く、海外メーカーは比較的ソフトな板が多い印象です。

昔、初代モーグル用スキー板(たぶん)であるロシニョール 4M を、お店で触ってみたところ、子供用スキーかと思うほど柔らかくペラペラな板でした。

このロシニョール 4M、たしか当時のモーグル世界チャンピオンだったネルソン・カーマイケルが使っていましたね。なつかしいですね。(昔すぎて誰も知らないか)
実際のところ、選手用の板は市販品とコスメだけ同じで、中身は全くの別物だとは思いますが…。

ID oneは、最近は柔らかい板も作っていますが、以前からわりと硬い板が多いように思います。

たぶん、ロシニョール 4Mと ID one の硬いモデルを比べると、
「これが同じモーグル用スキー?」
と感じるくらいフレックスに差があると思います。


◆硬い張りのある板
硬めのモーグル用板は、スピードを出すと良さがでてきます。
私が初めて硬いモーグル用の板を履いた時、滑りはじめの慣らし運転では「なんだぁ~!この硬い板」みたいな感じで滑りにくかったのですが、使えば使うほどにその良さがわかってくる、スルメのような板だと感じました。

モーグル用の板でも硬いものだと、ハイスペックな基礎用スキーのような張りがある印象です。

基礎用スキー板だとサイドカーブが深いので、硬い板でもエッジを立てて踏み込めば板のたわみを出しやすく、整地ならスキー板のサイドカーブまかせでもターンできてしまいます。

一方、硬いモーグル用板の場合、サイドカーブがゆるいので、整地ではエッジを立ててもあまりたわまず、板の硬さを実際の硬さ以上に感じてしまいます。


◆ソフトな板
硬いモーグル用の板は、コブ初級者では履きこなすのは難しいと思います。
いっぽう、柔らかい板であれば、モーグル入門から上級者まで、幅広い層のスキーヤーに対応可能かと思います。

初めてモーグル用の板を買う時は、ソフトな板を選んだ方が無難かと思います。


さて、次はいろいろな条件ごとに、硬い板と柔らかい板のメリットとデメリットを考えてみます。


●スピード
硬い板はコブでスピードを出すと、その板のもつ良さが生きてきます。

スキーがコブの溝でたわみすぎないので、ターンが切れ上がりすぎることがなく、縦に落としこむことが可能です。
回りすぎないので、直線的に滑りやすくなります。

柔らかい板は、コブの溝で大きくたわむ抵抗で減速したり、ターンが切れ上がり気味になることが多いです。
そのため、直線的に速く滑りたいときは、先落しの角度を浅めにしてスキーのたわみを少なくするのが良いかと思います。

柔らかい板は、スピードを出すと少し物足りない感じは否めませんが、そのいっぽうで、まったりと低~中速で滑るときに板の良さを感じることができます。


●安定性
同じ長さの板という条件であれば、やわらかい板より硬い板の方が安定しています。

低~中速で滑る場合は、硬い板と柔らかい板の安定性の差は無いように思いますが、スピードを出してコブを滑る際に、硬い板だと前後のバランスが乱れにくくなります。

ただ、硬い板を乗りこなす技術が不足していると、板の反発ではじかれてしまうことがあり、暴れないやわらかい板の方が安定して滑れるように思います。

やわらかい板の方が扱いやすい操作性のメリットがありますので、低速では安定して滑りやすいと言えるのではないでしょうか。


●板の返り(反発)
板をコブの溝で踏み込んでたわませると、その反発が返ってきます。
反発力は、硬い板では速く強く、やわらかい板は遅く弱いです。

硬い板をはいている場合、コブで行う吸収動作はスキーからの強い反発でかなり助けられるので、自ら脚を曲げて吸収していく労力が少なくてすみます。また、ニュートラルなポジションに早く入れるので、次のターンに入りやすくなります。
私はこの板の返りがブーツのソールに吸い付くようにもどってくる感覚が気持よくて大好きです。
この感覚は、キャップ構造の板より、サンドイッチ構造の板の方が好みです。

ただ、この硬い板の強い反発は、コブ初級者にとってはコブではじかれてしまう要因になってしまうこともあるかと思います。

数シーズン使って板がへたってくると、板の反発力は弱くなってきてしまいます。
反発が弱くなってしまうのは残念なのですが、そのぶんマイルドになって、低速でコブを滑ったり、不規則な自然コブのような難しい斜面ではかえって使いやすいこともあります。


●耐久性
やわらかい板より硬い板の方が耐久性があるように思います。

硬い板というと、衝撃に対してもろい印象があるかもしれません。
特にアルペンレース用の板は、素材にメタルが使われていることが多いためか、コブを滑ると板が曲がったり折れてしまうことがあります。
私自身、過去に数本折ってしまったことがあります。

モーグル用の板は、そのへんは考慮されて作られているようで、硬い板でも折れやすいような素材は使われていないようです。

板自体が壊れないことも重要ですが、モーグル用スキー板の耐久性は、スキーの反発力の持続性が問われる場合が多いのではないでしょうか。

私の経験では、やわらかい板より硬い板の方が反発力が長持ちするような気がしています。
もしかしたら、硬い板はもともと反発力が強いため、反発力が多少落ちてもわかりづらいだけなのかもしれません。


●重さ
やわらかい板の方が軽くなります。
硬い板は強度がある素材が使われているため、どうしても重くなりがちです。

整地を滑るのに比べ、コブ斜面ではスキー板を速く大きく動かすことが多いため、板が軽いとそれだけで大きなメリットになります。


●整地
整地では硬い板が圧倒的に有利です。

硬い板なら整地でもそこそこ安定感があり、エッジもききます。
サイドカーブが緩いので、ロングターンは快適ですが、基礎スキーのような深回りショートターンは苦手です。
ショートターンはずらして回すような感じになります。

柔らかいモーグル用スキー板の場合、ロングターンでスピードを出すと挙動が不安定になり、整地で滑るにはかなりつまらない板になってしまいます。



●パウダー
コブ斜面のコース脇にパウダーが残っているのを発見すると、ついつい滑りたくなっちゃいます。
ただ、モーグル用の板は細いため浮力が少なく、パウダーは最も苦手とするシチュエーションになります。

あくまでモーグル用スキー板はパウダーが苦手という前提ですが、パウダーでは硬い板より柔らかい板の方が滑りやすくなります。

やわらかい板であれば、パウダーでも踏み込めば多少は板がたわみ、そのたわみをターン切り替え時に解放することによりって浮力を得ることができます。

いっぽう、硬い板はパウダーでは踏み込んでもほとんどたわまないため、狭い滑走面以上の浮力を得るのはなかなか難しいです。
また、たわまないのでトップが深雪に潜って、前にこけてしまうことがあります。
パウダーではただの棒に乗っているみたいな感じです。




板の硬さと柔らかさの話はここまでになります。
ついでですが、板の長さと太さについても思ったことがありますので、少しふれておきますね。

◆板の長さ
えーと、ここからはさらに私個人の偏見が入った内容になります。
滑り方や体格などによっても使いやすい板は変わってくると思いますので、軽く読み流しちゃってください。

私は、モーグル用の板は短くても170cm以上、コブだけに限定すると175cm~180cmくらいが最も滑りやすいと思っています。
ただ、180cm位の長さがあると、私の脚前では整地でもてあましてしまうので、175cm前後の長さの板が好みです。


まず、モーグル用スキー板の長さは、自分の身長を基準にして考えるよりも、コブのピッチ(コブとコブの間隔)の広さによって決めるのが良いと思っています。
ピッチが広いコブでは長い板、ピッチが細かいコブでは短い板が適しています。

昔に比べ、近年はモーグルコースのコブのピッチが狭くなってきました。
昔は 190cm以上の板でも問題ないくらいピッチが広かったのですが、ピッチが狭くなった最近では、180cm以下の板が一般的になりました。
でも、男性であれば170cm以下の板では、ちょっと短かいかな、と思います。

モーグル用スキー板のメリットが生きるのは、縦にトップからコブに入っていく滑り方だと思います。
長めの板の場合、早い段階でスキーのトップがコブにとどくのですが、短い板ではトップがコブにとどくタイミングが遅くなってしまいます。

そのため、短い板ではスキーを縦に落とし込んでトップからコブに当てていく滑りが難しくなってしまいます。

また、板のたわみを出しにくいため、たわみによる衝撃吸収が少なく、そのぶんコブから強い衝撃を受けてしまうことになります。

ですので、短いモーグル用スキー板、特に160cm以下の板はあまり意味がないのではないかと個人的には思っています。


短い板では縦にトップから入る滑り方が難しくなるため、結果的にコブの落ち込む部分でスライドしてスキーを横に向ける滑り方になりがちです。

スライドしてスキーを横に向ける滑り方が悪いとか劣っていると言うつもりは全くないのですが、ただ、スライドをメインとした滑り方をしている場合、モーグル用スキー板を使うメリットはそれほどないのではないかと思います。

スライドする滑り方であれば、モーグル用スキー板でも、基礎やオールラウンドなスキー板でも、コブでの扱いやすさにそれほど大きな差は無いように感じています。(注:ファットスキーやサイドカーブがとても深い板ではちょっと難しくなります)

モーグル用スキー板を使っても、コブでの滑りにそれほど差がでないのであれば、整地やパウダーでも滑りやすい一般的なオールラウンドなスキー板を履いた方が、スキー場のいろいろな斜面で楽しく滑れるように思います。




◆板の太さ
オールマウンテンモデルのような少し太めの板で、縦にトップからコブに入っていく滑り方をすると疲れます。
特に春の柔らかい雪の時に顕著です。
これは、トップがコブから受ける抵抗が大きいためと思われます。

その点、モーグル用スキー板は細いため、トップからコブに入ってもそれほど大きな抵抗を受けずに滑ることができるので、体力的にずいぶん楽になります。
これが私がモーグル用スキー板を使う大きな理由の一つです。

モーグル用スキー板は抵抗を受けにくいため、スピードを出しやすいのもメリットです。

いっぽう、トップの抵抗が大きい太めのスキー板は、コブで減速しやすいため、低~中速ではわりと滑りやすいです。




スキー板の進化により必要とされる技術は変化し、滑り方も変わっていきます。
そして、滑り方が変わるとコブの形も変わります。
近年は、昔多かった肉まんを交互に並べたような丸い形のコブは少なくなり、代わりにバンクコブや、溝コブが増えてきました。

コブの形状が変わると、その形に合わせて滑りやすいようにスキー板も変わっていきます。
たとえば、ID one ではバンクコブに対応したスキー板を出していたりします。

でも、モーグル用のスキー板は、コブという凹凸の激しい斜面を直線的に滑るという性質上、今後大きく進化する余地はあまり無いような気がします。
そのため、とうぶんの間、今(2015年現在)の板の性能から大きく変化することは無いのではないかと思っています。

変わるとすれば、スキーヤー(私自身)の滑り方が変わって、それに伴いモーグル用スキー板に対する考え方や好みが変わることのほうが、変化としては大きな割合をしめるようになることでしょう。

今後、モーグル用スキー板に対する考え方が変わることがあれば、記事をアップデートするようにしたいと思います。


おわり


◆目次はこちら















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目次
INDEX

下の各項目からもご覧いただけます
コブの滑り方
■ 脚は少し曲げておく
■ 目線は重要
■ かかと加重を重視する
■ スタンスと前後差について
■ 基礎スキーヤーがモーグル的に滑るには
■ 吸収動作を長くキープする
■ モーグルのストックワーク (1)
■ モーグルのストックワーク (2)
■ モーグルのストックワーク (3)
■ スイッチバック
■ 背筋を伸ばす
■ 秘技!! スライド&ジャンプ
■ 吸収動作が必要なわけ
■ 吸収動作によるスピードアップ
■ 1つの動作で吸収と先落としをする
■ 吸収はヒザを意識する
■ 腰はスキーと同じ方向に向ける
■ 吸収動作による前後のバランスの調整
■ 吸収を行わない滑り方
■ 肩の逆ローテーション
■ ダブルストックを使うには
■ 縦の溝コブで減速するには
■ コブの溝でスキーをたわませる
■スキーの先落としと関節の動き
■吸収と伸ばしのタイミング
■ 足首の角度とポジションの関係
■ 左右非対称のコブとスライド
■ レベルによるストックワークの違い
■ スキーの先落しの角度とスピードコントロール
■ 静かなストックワーク
■ ボール状の凹みを通るライン
■ 外側の肩を下げる動きについて
■ スキーの縦の動きと練習について
■ コブ初心者 (1) どこを通る?
■ コブ初心者 (2) フォールライン方向にずらす
■ コブ初心者 (3) 上体をフォールライン方向にキープ
■ コブ初心者 (4) 脚のかまえ
■ コブ初心者 (5) それではコブを滑ってみよう・前編
■ コブ初心者 (6) それではコブを滑ってみよう・後編
■ コブ初心者 (7) スキー板と練習するコブ斜面
■ 春の巨大コブを省エネで滑る方法
■ 滑り方によって変化する谷回りと山回り
■ コブ中級者への道 (1) プロペラと逆ひねり
■ コブでおじぎを防ぐには
■ コブ中級者への道 (2) スライドする方向を変える
■ コブ中級者への道 (3) コブでスキーが開いちゃう
■ 上体を前に移動させる
■ コブ頂点のポジション
■ 基本ポジション
■ コブの滑り方で変わる前傾角度
■ 腰と下っ腹の意識
スキー場
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