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コブやモーグルについて思ったことをダラダラとつづっています。
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モーグラーはたいていモーグル専用のスキー板を使っていますが、モーグラーではない基礎スキーヤーもコブ用にモーグル用の板を買った方がいいでしょうか?
私の個人的な意見では、わざわざモーグル用の板を買う必要はないと思います。 その浮いたお金で、スキーに5回以上は行けちゃいますしね。

ちょっと酷な言い方になりますが、基礎用の板でコブを縦のラインで滑れないスキーヤーは、モーグルの板を使ってもコブを縦に滑ることはできません。

私自身、モーグルの板を履いているのは、全体の半分程度です。その他の半分はもっと凡庸性のある基礎用の板であったり、セミファットの板を主に使っています。

たしかに、コブを直線的に滑るにはモーグルの板が適しています。
モーグルの板はご存じのとおりサイドカーブが浅く、回転半径は 20m以上。
あと、軽いこともモーグルの板の絶対条件ですね。


モーグル用スキー板の欠点
コブでは有利に働く上記の特徴も、整地や新雪など、条件が変わると、とたんにデメリットになってしまいます。

まず、モーグル用の板は整地でのカービングターンが苦手です。サイドカーブが浅いので、なかなか曲がってくれません。 曲がってこないのを補助するため、踵を横に押し出してスキーをひねる動作が必要になります。 これではカービングスキーになる前の時代のスキー操作ですね。 モーグル用の板を使っていると、スキーをひねる動作がクセになってしまうのが心配です。

また、エッジがあまり効かないため、硬い斜面のハイスピードロングターンも苦手です。 それに、軽いので、板の安定性もありません。

さらに、センターが70mm 以下の細身な板なので、パウダーも苦手です。(柔らかいモーグル用の板は、パウダーでたわませやすく、たわみの反動を利用して切り替えれば、細い見かけ以上にパウダーもなんとか滑れます)


なぜ欠点がありながらモーグルの板を使うのか
では、このようなデメリットがありながら、なぜモーグルの板を使うのでしょうか。
それは…、やはり、モーグラーだからでしょう。(説明になっていませんね)

モーグル用のスキー板でコブを滑るところを想像してみます。
細身の板を左右ぴったりと付けて、コブのタイトなラインに軟らかいトップを落としこんでスキーをたわませる。 スキーを前後左右に送り出さず体の下で吸収し、揃えたつま先に前圧をかけるとまた自然とスキーのトップがコブの形状にそって先落としされる。
うーん。たまらん。やっぱりモーグルは最高。モーグラーという人種はこのために生きているようなもんです。 このような滑りにはモーグル用の板だからこその快感がありますね。

モーグル用の板でコブを直線的に攻める快感は認めますが、それでも、モーグラーでないスキーヤーは、わざわざモーグルの板を購入することはないと私は考えます。
もし、スキーの購入を検討されているのなら、もっとオールラウンドな板をお勧めします。
モーグルの板はモーグルの直線的な滑り方にハマッてしまってから購入しても遅くありません。

実際のところモーグルの板を使わなくても、モーグルのような直線的な滑り方は可能です。
エッジを立てずに面を使ったスキー操作を行えば、サイドカーブが深い板でも大丈夫。

硬く張りのある板でも、トップをコブの溝に落としこむ角度を浅くとって、若干トップを浮かし気味にコブに入れば、無理なく滑れます。

私自身、モーグル用の板でも、基礎の板でも、見た目はそれほど大きな差は無くコブを滑れます。
バンクを利用した曲線的なラインで滑るには、かえって基礎の板の方がモーグルの板より使いやすいです。

私の個人的な感覚になりますが、直線的なラインでスキーをたわませて滑る場合のみ、モーグル用の板の方が滑りやすいといった程度です。 私みたいなモーグルおバカさんだと、このちょっとした違いが気になって、モーグル用の板を使うのですが…。 この違いにこだわるかこだわらないかが、モーグル用の板を買うか買わないかの分かれ道だと思います。

自分はコブ命で、コブで最高のパフォーマンスを出したいと思っている場合は、モーグル用の板の購入を検討してみてもいいでしょう。 でも、「整地のロングターンも最高だし、パウダーがあれば食ってみたい」という方はやはりオールラウンドな板がいいでしょう。


一つの考え方として、スキーの板を変えることで、その道具に滑り方を合わせようとして、滑り方が自然に変わることがあるかもしれません。
私は、初めてモーグル用の板を使った時は、ヘタッピだったのでモーグル用の板の良さが全然わかりませんでした。
その後、直線的に滑れるようになって、ようやくモーグル用の板の良さがわかってきたように思います。
良いポジションでコブに直線的にはいっていくと、スキーが勝手にコブの形状にそって意思をもった生き物のように動くような感じです。基礎用の板や、レース用の板では、なかなか味わえない感覚です。
でも、コブを曲線的にズラシて滑る滑り方では、モーグル用の板の良さは、全然感じられません。やはり、モーグル用の板は、モーグルという極めて特殊な条件と滑り方でのみ、真価を発揮する板だと思います。

また、モーグルの滑り方は、基本的にラインの内側の雪が削られてテカテカした部分を滑ります。
そのため、モーグルの細い板が扱いやすくなります。

一方、コブの内側のラインを直線的に滑らない場合、ある程度の太さのある板の方が操作しやすくなります。
曲線的なラインや、外側のラインを通る場合、削られた雪がたまってボサボサした部分も通ります。
ボサボサ雪がたまった部分では、細いモーグル用の板は雪に潜って引っかかって滑りにくいことがあります。そのため、ある程度の太さの板の方が扱いやすいです。



モーグルもできるオールラウンドなスキー板とは
モーグルをある程度視野にいれたオールラウンドな板を購入する際に、気を付けたほうがいい点がいくつかあります。

重い板はダメ
まず、プレート付きなどの重い板はできるだけ避けたほうがいいでしょう。 モーグルではコブに合わせて脚を高速で動かします。 そのため、スキーの重量が重いと、それだけで大きなデメリットになります。 これは、車やバイクでタイヤやホイールなどのバネ下の軽量化は、車体の軽量化の何倍も効果があるのと同じ原理です。

また、忘れてはならないのは、バインディングの重量です。 よほどパワフルなスキーヤーでないかぎり DIN は Max 12 で十分だと思います。 その分軽いバインディングを選びましょう。 また、Look などのターンテーブルのバインティングは、実際の重量よりスイングウェイトが軽くなります。

長さは?
長さは 165 cm ~ 175 cm 位がいいと思います。 でも、多少長かったり短かったりしても、それほど大きな問題はないでしょう。
私はときどきお遊びで、145 cm の板でモーグルをします。 確かにスピードを出すと安定しませんが、そのぶん回しやすくて、クイックターンが楽しかったりします。 
少し長い板でも大丈夫だと思います。 何しろ昔、モーグルの競技では最低 190cm 以上の板を使うことが義務づけられていたくらいですから。

硬さは?
張りのある板だとトップからコブに入ると、ビヨヨーンと弾かれてしまうので、できれば軟らかい板が適しています。 ですが、トップを若干浮かし気味にしてコブに入れば、硬いスキー板でもそれほど大きな問題にはならないでしょう。
ただ、スラロームやジャイアントスラロームなどのレース用の板の中には、メタルなどの固い材質がはいっているスキーがあります。このような固いスキーでコブを滑ると、スキーが反り返った状態に曲がってしまうことがあります。いわゆるチューリップという状態ですね。
私も、以前、2本ほどこれで板をダメにしてしまいました。
板の耐久性を考えると、レース用の板は避けたほうが良いでしょう。

サイドカーブは?
できればサイドカーブが深くない板が適しています。 でも、モーグルはエッジより面を多く使うので、サイドカーブが深い板でもそれほど問題ないと思います。

太さは?
私はセンター幅 85mm のセミファットの板でコブを滑ることがよくありますが、普通にモーグル的に滑っても大丈夫です。 密脚で滑ると、たまに板が「カチカチ」と重なるのが気になりますが、滑りに破綻をきたすほどではありません。
ただ、直線的なラインで滑ると、滑走面が広いためコブから受ける抵抗が大きくなって、早く疲れてしまいます。

モーグル志向の基礎スキーヤーの方は、こんなところを考慮に入れてスキー板を選んでみてはいかがでしょうか。


おわり


◆目次はこちら









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目次
INDEX

下の各項目からもご覧いただけます
コブの滑り方
■ 脚は少し曲げておく
■ 目線は重要
■ かかと加重を重視
■ スタンスと前後差
■ 基礎スキーヤーがモーグル的に滑るには
■ 吸収動作を長くキープ
■ モーグルのストックワーク (1)
■ モーグルのストックワーク (2)
■ モーグルのストックワーク (3)
■ スイッチバック
■ 背筋を伸ばす
■ 秘技!! スライド&ジャンプ
■ 吸収動作が必要なわけ
■ 吸収動作によるスピードアップ
■ 1つの動作で吸収と先落としをする
■ 吸収はヒザを意識する
■ 吸収動作による前後のバランスの調整
■ 吸収を行わない滑り方
■ 肩の逆ローテーション
■ ダブルストック
■ 縦の溝コブで減速
■ コブの溝でスキーをたわませる
■スキーの先落としと関節の動き
■吸収と伸ばしのタイミング
■ 足首の角度とポジションの関係
■ 左右非対称のコブとスライド
■ レベルによるストックワークの違い
■ スキーの先落しの角度とスピードコントロール
■ 静かなストックワーク
■ ボール状の凹みを通るライン
■ 外側の肩を下げる動きについて
■ スキーの縦の動きと練習について
■ コブ初心者 (1) どこを通る?
■ コブ初心者 (2) フォールライン方向にずらす
■ コブ初心者 (3) 上体をフォールライン方向にキープ
■ コブ初心者 (4) 脚のかまえ
■ コブ初心者 (5) それではコブを滑ってみよう・前編
■ コブ初心者 (6) それではコブを滑ってみよう・後編
■ コブ初心者 (7) スキー板と練習するコブ斜面
■ 春の巨大コブを省エネで滑る方法
■ 滑り方によって変化する谷回りと山回り
■ コブ中級者への道 (1) プロペラと逆ひねり
■ コブでおじぎを防ぐには
■ コブ中級者への道 (2) スライドする方向を変える
■ コブ中級者への道 (3) コブでスキーが開いちゃう
■ 上体を前に移動させる
■ コブ頂点のポジション
■ 基本ポジション
■ コブの滑り方で変わる前傾角度
■ 腰と下っ腹の意識
■ 先落としにトライしてみよう Part 1
■ 先落としにトライしてみよう Part 2
■ コブの衝撃に強いポジション Part 1
■ コブの衝撃に強いポジション Part 2
■ 腕の構え
■ コブで動きを止めない滑り Part1
■ コブで動きを止めない滑り Part2
■ ストックワークと腕の動き
■ コブに乗り上げていくところの脚の動き
■ コブを片足で滑ってみる
■ 重心とスキーの回転
■ パウダーとコブの共通点 Part 1
■ パウダーとコブの共通点 Part 2
■ スキーのたわみでコブから受ける衝撃をやわらげる
■ 負の連鎖 Part 1
■ 負の連鎖 Part 2
■ 負の連鎖 Part 3
■ 負の連鎖 Part 4
■ テールジャンプ Part 1
■ テールジャンプ Part 2
■ テールジャンプ Part 3
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