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コブやモーグルについて思ったことをダラダラとつづっています。
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ライケルの頃のフレクソン









私はモーグラーに人気のフレクソン (Flexon) を愛用しています。
ライケル時代からかれこれ 15 年以上もこのブーツ一筋です。

フレクソンはトータルで5セット購入しましたが、少しずつですがモデルチェンジで改良が加えられているようです。
しかし、ベースとなる構造は20年以上も変わっていないので、このプーツの基本構造の完成度の高さが伺われます。
 

フレクソンは有名選手も愛用
モーグラーに絶大な人気があり、ぱっと思い浮かぶだけでも以下の歴代モーグルチャンピオンが使用しています。

- デイル ベック スミス
- ヤンネ ラテラ
- セルゲイ シュプレツォフ
- エドガー グロスピロン

スキーメーカー指定や、ナショナルチーム指定など、マテリアルを選ぶ制限がなければ、実際はもっと多くのワールドカップ モーグラーがフレクソンを使用していると思います。


モーグラー以外にはなぜか人気のないフレクソン
モーグラー以外にはあまり人気はなく、アルペンワールドカップの高速系、特にダウンヒラーが昔よく使用していました。
有名なところでは マルクス バスマイヤー、フレニ シュナイダーが思い浮かびます。

基礎では全くと言っていいほど使っている人がいません。
佐藤正人が引退後に使っていたくらいです。
私の印象では、基礎でも十分使いやすいブーツだと思います。

特に足首がソフトでジワァーと加重できるので、カービングのロングターンに適しています。

日本ではモーグラー以外には人気のないブーツですが、海外のスキー場では普通のスキーヤが使っているのをよく見かけます。
「軽い」、「快適」、「はきやすい」というメリットがあるので、フレクソンをコンフォートブーツとして使うのも良いでしょう。


フレクソンのメリット・デメリット
まずはフレクソンの良いところ見てみましょう。

ダントツの軽さ
とにかく軽い!!
同レベルのブーツと比べ、圧倒的な軽さです。
3ピース構造のため、他の4バックルに比べて、シェルを軽くできるつくりになっているためでしょう。

インナーの軽さも特筆ものです。
この軽さは足をすばやく動かし続けるモーグラーにとっては大きなアドバンテージになります。


ワイヤーバックルによる足首のフィット
このブーツの1つの特徴であるワイヤーバックルですが、中央のワイヤーは足首を包むように配置されています。

そのため数あるブーツのなかでも最高の足首のフィット感です。
どんなに急激に膝を入れても、カカトがブーツの中で浮くことはありません。
滑っている最中に「かかとが浮かない」ということは、モーグルではとても重要なポイントです。

暖かい
3ピース構造のためシェルの隙間が少なく、とっても暖かいです。
サーモインナーのおかげもあるようです。


サーモーインナー
熱整形のサーモインナーは売りの一つです。
でっかいオーブンのような機械で、インナーを暖めて、足の形に合うようにインナーの形を整えます。

抜群のフィット感もさることながら、温かく、そして軽い。
耐久性もなかなか。

いいことずくめのインナーです。

サーモインナーを使う前までは、インナーを削ったり、ゴムやスポンジのパッドを貼ったりして、自分の足にインナーが合うように、試行錯誤していました。

サーモーインナーにしてからそのような手間は省けるようになり、お店で整形してもらった状態で問題なく使用しています。

サーモインナー















今度は欠点を考えてみます。

つまさきのフィット感
まず、通常の4バックルと異なり、つまさきの部分にバックルがないので、つまさきの部分のフィット感が劣ります。

そのため、ハードパックされた平地での感覚、特に内足のアウトエッジの感覚があまり感じられません。
 

シビアな締め付けがない
4バックルのようなビシッとした締め付けはありません。
全体的にモワッと包むようなフィット感です。
どちらかというと、昔あったリアエントリーブーツのようなフィット感といえばいいのかな。

ワイヤーバックルのため、足首だけは他のブーツにはない強いフィット感があります。

快適ですが、シビアな感覚を求める向きにはちょっと手ごたえに欠けるところがあります。
でも、強い締め付けがないので、リフトに乗る前にバックルを緩める必要がないのは嬉しいです。
 


気をつける点


ねじが緩む
滑っている間にブーツの内側のくるぶしの部分のネジが緩みます。

緩んでる状態で滑っていると、ネジが落ちてしまうかもしれないので、スキーが終わった後は必ずプラスドライバで締めるようにしています。
 

ソールの長さ
同じサイズのブーツであれば、ソールの長さが他のブーツより短くなります。

ソールの長さ自体は滑りに影響はないのですが、他のブーツから履き替えた場合、慣れるまで2~3日かかるかもしれません。

あと、ソールの長さが短くなったぶん、スキーのバインディングの取り付け位置を変更しなくてはならない場合があります。
 

メーカーの変更
このブーツは最初はライケルから発売されていましたが、ライケルがスキーブーツの生産から撤退し、クナイスルから数年間売り出されていました。
さらにクナイスルもスキーブーツの生産から撤退したため、ブーツの金型を K2 が買取、現在のところ K2 から FT ブーツとして販売されています。

私はこのブーツを一生使うつもりだったので、クナイスルが撤退し、フレクソンの生産がストップするというニュースを聞いたときに、ブーツを2組買いだめしておきました。

結局 K2 から FT ブーツとして同じブーツが販売されるようになったので、あわてて2組も買う必要はなかったのですが、それだけこのブーツに「ほれ込んでいる」ということです。


私がいままで使ってきた歴代のフレクソン。
歴代のフレクソン






フレクソンに出会うまでは、なかなか合うブーツが見つからずに、毎年のようにブーツを買い換えていました。(ダハシュタイン > ダイナフィット > テクニカ > ライケル フレクソン)

ですが、ブーツは一度自分にフィットしているものを見つけられれば、その後のスキー生活がとても楽になります。
スキー板はその日の気分で変えられますが、プーツはなかなかそういうわけにはいかないですしね。

今ではもうすっかり自分の足の一部になっています。スキーブーツの存在すら忘れるくらいに。

完成度の高さ
ライケル社からは数多くのブーツが発売されていました。
でも、結局残ったのはフレクソンだけでした。

さらにライケル、クナイスルがスキーブーツの製造から撤退後、K2 が同ブーツの製造・販売権を獲得するにいたり、とても息の長いロングセラーになっています。

しかもこのブーツの基本構造が20年以上ほとんど変わっていない完成度については特筆すべきでしょう。


フレクソンの続きは↓こちらをご覧ください。
フレクソン - モーグルに適したブーツ #2



マテリアル
モーグルに適したブーツ #2
モーグル用のスキー板は必要か?



◆目次はこちら











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■ 吸収動作を長くキープ
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■ 背筋を伸ばす
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■ 外側の肩を下げる動きについて
■ スキーの縦の動きと練習について
■ コブ初心者 (1) どこを通る?
■ コブ初心者 (2) フォールライン方向にずらす
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■ コブ初心者 (4) 脚のかまえ
■ コブ初心者 (5) それではコブを滑ってみよう・前編
■ コブ初心者 (6) それではコブを滑ってみよう・後編
■ コブ初心者 (7) スキー板と練習するコブ斜面
■ 春の巨大コブを省エネで滑る方法
■ 滑り方によって変化する谷回りと山回り
■ コブ中級者への道 (1) プロペラと逆ひねり
■ コブでおじぎを防ぐには
■ コブ中級者への道 (2) スライドする方向を変える
■ コブ中級者への道 (3) コブでスキーが開いちゃう
■ 上体を前に移動させる
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■ 基本ポジション
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■ 先落としにトライしてみよう Part 2
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■ コブの衝撃に強いポジション Part 2
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■ コブで動きを止めない滑り Part1
■ コブで動きを止めない滑り Part2
■ ストックワークと腕の動き
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■ パウダーとコブの共通点 Part 1
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