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コブやモーグルについて思ったことをダラダラとつづっています。
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今回は、なぜモーグルでは脚を曲げて吸収動作を行うのかを考えてみます。

基礎のコブの滑り方に比べ、モーグルではより大きな吸収動作を行います。 大きな吸収動作を行うのは、モーグルのように直線的な滑走ラインは基礎の曲線的なラインよりコブの凹凸が激しい場所を通過するというのが1つの理由です。
でも、実はそれ以外にも吸収動作にはさまざまなメリットがあります。



基礎は受動的に、モーグルは能動的に吸収
基礎スキーでは、コブで意識的に吸収動作を行う方はあまりいないと思います。
どちらかというと、コブにぶつかった衝撃で受動的に脚を曲げているケースが多いと思います。

また、基礎スキーヤーの中には、「コブから受けた圧力は、あえて吸収をおさえて、その圧力を次のターンへの切り替えに使う」と考えている方もいます。

でも、モーグルの高速滑走では能動的な吸収動作が不可欠となります。ほとんどのモーグラーはコブにぶつかった瞬間に意識的に自ら脚を曲げて吸収動作を行っています。



モーグラーが吸収動作を行う理由
モーグラーが吸収動作を意識的に行うのは、吸収動作によって以下が可能になるからです。

1. コブからの衝撃を吸収
2. スキーのトップの先落とし(雪面コンタクト)
3. スピードアップ
4. 前後のバランスの調整

その他にも吸収動作によって「目線の安定」などといった細かい効果もありますが、上記が吸収動作を行う主な理由だと思います。

では、それぞれ細かく見ていきます。


1. コブからの衝撃を吸収
これは誰でもわかると思います。吸収動作を行う最大の理由ですね。

例えばその場で立って小さくジャンプしてみるとします。

吸収動作を使って着地すると、ほとんど音もなく、スッと着地できますが、吸収動作を全く行わずに着地すると、「ドン」という大きな着地音とともに強烈な衝撃がカカトから全身につたわります。

コブにぶつかった衝撃で脚は自然に曲げられて吸収動作になりますが、積極的に吸収動作を行うことで、衝撃をさらに減らすことができます



2. スキーのトップの先落とし(雪面コンタクト)
モーグルでは衝撃の吸収と、コブの頂点を超えてからのスキーのトップの先落としを1つの吸収動作で行います。

基礎のコブの滑り方では、コブにぶつかったら、その衝撃をベンディングでかかえこんで吸収し、その後コブの頂点を超えてからトップを下げる動作という2つの動作を行います。

モーグル場合は、コブにぶつかった瞬間に吸収から先落としまでの一連の動きを吸収動作1つで行います

スキーのトップの先落としの詳細については、「1つの動作で吸収と先落としをする」をご参照ください。



3. スピードアップ
コブ斜面でスピードアップするには、コブから受ける圧力をできるだけ少なくする必要があります。コブにぶつかった瞬間の圧力をそのまま受けてしまうと、その圧力を受けることでブレーキがかかり、スピードは遅くなります。

その反対に、コブにぶつかった瞬間に受ける圧力を脚の吸収動作で逃がすことにより滑走スピードを上げることができます

このスピードアップの方法は、ジャンリュック、ピエール アレクサンダー ルソー、ビンセント マーキスなどのカナダの選手に顕著にみられるテクニックで、接雪しながらもスピードの速い滑りを可能にしています。

スピードアップの詳細については「吸収動作によるスピードアップ」をご覧ください。



4. 前後のバランスの調整
吸収動作の効果として、あまり知られていないのが、「前後のバランスの調整」です。

実はこれって結構重要なんですよ。

モーグルのような直線的な滑走ラインをトレースする滑りでは、左右のバランスよりも前後のバランスのとり方が重要になってきます。

自ら脚を曲げて吸収動作を行うことにより、多少ポジションが前傾オーバー気味でも、前後のバランスを最適な状態にすることができます。(でも、後傾オーバーになってしまった場合は、吸収動作でバランスを戻すことはできません。)

前後のバランスの調整の詳細については、「吸収動作による前後のバランス調整」をご覧ください。


まとめ:モーグルでは自ら脚を曲げて吸収動作を行う



おわり


◆目次はこちら









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目次
INDEX

下の各項目からもご覧いただけます
コブの滑り方
■ 脚は少し曲げておく
■ 目線は重要
■ かかと加重を重視
■ スタンスと前後差
■ 基礎スキーヤーがモーグル的に滑るには
■ 吸収動作を長くキープ
■ モーグルのストックワーク (1)
■ モーグルのストックワーク (2)
■ モーグルのストックワーク (3)
■ スイッチバック
■ 背筋を伸ばす
■ 秘技!! スライド&ジャンプ
■ 吸収動作が必要なわけ
■ 吸収動作によるスピードアップ
■ 1つの動作で吸収と先落としをする
■ 吸収はヒザを意識する
■ 吸収動作による前後のバランスの調整
■ 吸収を行わない滑り方
■ 肩の逆ローテーション
■ ダブルストック
■ 縦の溝コブで減速
■ コブの溝でスキーをたわませる
■スキーの先落としと関節の動き
■吸収と伸ばしのタイミング
■ 足首の角度とポジションの関係
■ 左右非対称のコブとスライド
■ レベルによるストックワークの違い
■ スキーの先落しの角度とスピードコントロール
■ 静かなストックワーク
■ ボール状の凹みを通るライン
■ 外側の肩を下げる動きについて
■ スキーの縦の動きと練習について
■ コブ初心者 (1) どこを通る?
■ コブ初心者 (2) フォールライン方向にずらす
■ コブ初心者 (3) 上体をフォールライン方向にキープ
■ コブ初心者 (4) 脚のかまえ
■ コブ初心者 (5) それではコブを滑ってみよう・前編
■ コブ初心者 (6) それではコブを滑ってみよう・後編
■ コブ初心者 (7) スキー板と練習するコブ斜面
■ 春の巨大コブを省エネで滑る方法
■ 滑り方によって変化する谷回りと山回り
■ コブ中級者への道 (1) プロペラと逆ひねり
■ コブでおじぎを防ぐには
■ コブ中級者への道 (2) スライドする方向を変える
■ コブ中級者への道 (3) コブでスキーが開いちゃう
■ 上体を前に移動させる
■ コブ頂点のポジション
■ 基本ポジション
■ コブの滑り方で変わる前傾角度
■ 腰と下っ腹の意識
■ 先落としにトライしてみよう Part 1
■ 先落としにトライしてみよう Part 2
■ コブの衝撃に強いポジション Part 1
■ コブの衝撃に強いポジション Part 2
■ 腕の構え
■ コブで動きを止めない滑り Part1
■ コブで動きを止めない滑り Part2
■ ストックワークと腕の動き
■ コブに乗り上げていくところの脚の動き
■ コブを片足で滑ってみる
■ 重心とスキーの回転
■ パウダーとコブの共通点 Part 1
■ パウダーとコブの共通点 Part 2
■ スキーのたわみでコブから受ける衝撃をやわらげる
■ 負の連鎖 Part 1
■ 負の連鎖 Part 2
■ 負の連鎖 Part 3
■ 負の連鎖 Part 4
■ テールジャンプ Part 1
■ テールジャンプ Part 2
■ テールジャンプ Part 3
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