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コブやモーグルについて思ったことをダラダラとつづっています。
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何をやってもダメな私が書いているこの地味なブログを、
たまたま間違ってアクセスしてしまったのか、読んでくれた方々がいっぱいいるようで…、

たまたまそのときだけヒマだったのか、私にメールを送ってくれた読者の方々がときどきいて…、

メールを送ってくれた方々は、そのときたまたまパチンコで儲けた後で気分が良かったのか、それともボランティア精神をもっておられる優しい方々なのか、メールに「ブログの〇〇の記事が参考になった」みたいなとても嬉しいことを書いてくれることがたまにあって…、

その、これまでにいただいたメールを全体的に見わたしてみると、わりと初級者向けのコブの滑り方の記事についてメールをいただくことが比較的多く…、

それに、私はおだてられるとすぐ木に登ってしまうタイプのようで…、

つまり何を言いたいのかというと、今まで書いていた「コブの滑り方」の記事の内容は、ある程度コブを滑れるかたを対象としたものが多かったのですが、今後はコブ初心者や初級者向けのコンテンツも少しずつ増やしていこうかと思います。


というわけで、「初心者がコブを完走できるようになるには」では、2~3ターンですぐにコブからはじき出されてしまうコブ初心者が、どのようにすればコブのラインから外れずに滑れるようになるかを考えていきます。



◆いろいろあるコブの滑り方
コブの滑り方については、いろいろなことが言われていますよね。
それらの見解は、かならずしも一貫しているとは言えない場合が多いのではないかと思います。

たとえば、「脚を深く曲げる吸収動作が重要」という意見があるいっぽうで、
「脚を深く曲げると後傾になってしまうので、あまり曲げすぎない方がイイ」という反論もあります。

また、「ストックはそっと置くように軽く突く」とか、
逆に「ストックはしっかり強く突く」みたいな正反対の意見があったりします。

その他にも、
「コブを越えたらできるだけ早くスキーを回す」vs「コブを越えた後はすぐにスキーを回そうとしない」 とか、
「上体をできるだけ前にもってくる」vs「上体は起こした状態をキープする」
などの多くの矛盾したコブの滑り方の解釈があります。

そのため、いったいどれを信用して良いのかわからなくなってしまうスキーヤーのかたが多いのではないでしょうか。



◆コブはレベルによって滑り方が大きく変わる
これらは、どれが正しくて、どれがまちがっているということはなく、スキーヤーの技術レベルによって適している滑り方が異なるため、結果的にいろいろ相違した見解が出てきてしまうことが多いのかと思います。

コブ初心者にはコブ初心者に適した滑り方があり、コブ上級者にはコブ上級者に相応しい滑り方があります。
それらの滑り方には共通している点があるいっぽうで、異なっている部分もあります

コブ上級者に適した滑り方をコブ初心者がいきなり挑戦すると、コントロールを失ってコブのラインからすぐに放り出されてしまいます。
また、コブ初心者向けの理論を、コブ上級者の滑りにむりやり当てはめようとすると整合性がとれなくなってしまいます。

注: スキーヤーのレベル以外に、コブの形やラインどり、スピード、その時の雪質等の条件によっても適した滑り方は変わってきますが、それらの要因は毎回変わり、例外があまりにも多すぎるので、ここでは割愛します。



◆自分のレベルに合った滑り方の情報を選ぶ
ここで重要になるのは、たくさんある滑り方の中で、どの滑り方が今の自分に適しているのかを判断することではないかと思います。

コブの滑り方には多くの矛盾した見解があり、その中から自分のレベルに合った滑り方を見つけていくことが大切になります。
その要素を取り入れることによって今の自分のレベルを上げることができる滑り方を、進歩に合わせて適切に選ぶことができれば、最短距離をたどって上達できるのではないかと思います。

余談になりますが、実は私、スキーの上達はかなり遠回りをしてしまいました。(現在も遠回りの最中なのかもしれません。こんな私が言うことなので、説得力に欠けることは否めませんね…。)
今、もしタイムマシーンがあって、過去の自分に会い「こうやったらスキーが上達するぞ」と教えることができればこんなことを言うだろうなぁ、みたいなことをこのブログでは書いています。

つまり、ここに記しているのは「このようにして短期間で上達できた」という勝ち組の成功談ではなく、スキー技術に対する多くのまちがった思いこみにより、長年スキーを続けてもなかなか上達しなかった数々の失敗から、ジクジクとにじみ出た抽出物のようなものです。
でも、このような遠回りしてしまった後悔の念が、ブログをやめずに続けている原動力になっているのかもしれません。

おっと、暗い話になってしまいました。
気をとりなおして元の話題に戻りますね。


スキーが好きなかたであれば、本、雑誌、DVD、ネット、周りのスキー仲間からなど、コブの滑り方についてはいろいろな情報を見たり聞いたりしているかと思います。

コブ上級者の場合は、今まで上達してきた経験と照らし合わせて、この滑り方は初級者向き、こっちは中級者、そのスキルは上級者、みたいな感じで滑り方のレベルの仕分けができるのではないでしょうか。

いっぽう、コブ初心者のかたは、コブの滑り方について読んだり聞いたりしても、それらのメソッドが今の自分のレベルに適したものなのかを判断するのは、なかなか難しいのではないかと思います。

ですので、ここではできるだけ初心者向けの滑り方だけにフォーカスして話しを進めて行こうと思います。





さて、第1回目の今回は、コブのどの部分を通るかを考えてみましょう。


◆コブのどこを通るか



コブはどこを通るかが非常に重要になります。
なぜなら、コブには減速しやすい場所と、減速しにくい場所があるからです。

コブを滑れるようになるには、まずコブのどの部分が減速しやすいのかを理解することが大切です。
減速しやすい場所を通れば、低速で滑ることができます。

いつでも止まれるくらいの低速で滑っていれば、コブに弾かれて放り出されてしまうことは少なくなります。
つまり、コブの減速しやすい部分を通ることが、コブ斜面攻略の第一歩となります。


◆どこを通れば減速できるのか?
減速しやすい部分とは、スキーを横にしてずらす操作をしやすい場所になります。
この、コブのスキーを横にしてずらしやすい所を通ることが重要です。

コブの通り道は大きく分けて、コブの内側を通る縦のラインと、コブの外側を通る横のラインがあります。




コブ初心者の場合は、右側の縦のラインを滑ることをお勧めします。

ぱっと見では、左側の横のラインを滑った方がゆっくり安全に滑れるような気がしますよね。
でも実際は、横のラインを通ると、スキーをずらして減速するのがかなり難しくなります。
そのため、横のラインで低速で滑るのは難易度が高くなってしまいます。

次に、縦のラインを通って、どの部分で減速すれば良いのかを見てみましょう。
下の図の黄色で囲った部分が、スキーを横にしてずらして減速しやすい場所です。



コブを越えた向こう側の落ちこむ部分、コブのラインの内側です。
ターンが外側にふくらんでしまうと、ずらしやすい部分を通ることができなくなってしまうので、内側のラインをキープすることが大切になります。


次にスキーの動きを見てみましょう。



コブの頂点でスキーをクルッと回します。
コブを越えたら落ちこむ部分でスキーをずらし、雪面をガリガリとけずって減速します。

では、滑っているところを見てみましょう。
















縦のラインでは減速しやすい内側の部分を通るので、しっかり減速してスピードをコントロールできます。

いっぽう、横のラインではコブの外側を通り、スキーをずらして減速できる内側の部分を通らないため、減速するのが難しくなります。






◆縦のラインは遠心力がはたらかない
横のラインの場合
横のラインを通ると、ターン時に遠心力がはたらきます。
その遠心力に対応できるように、体の軸を少し内側に倒して左右のバランスをとる必要がでてきます。
そのため、前後のバランスに加え、左右のバランスもとりながらコブの凹凸に対処する難しい動きになってしまいます。

縦のラインの場合
左右の遠心力はほとんどかからないので、体の軸は倒さずに前後のバランスだけにフォーカスして滑ることができます。
そのぶん横のラインに比べ、バランスをとる難しさは少ないと言えます。





◆溝に落ちた時
横のラインの場合
コブの外側から内側に向かってミゾに入ります。
横方向からコブの受ける部分に当たるので、コブにぶつかって減速する圧力は弱く、スキーが横方向に走ってすっぽぬけてしまうことが多くなります。




縦のラインの場合
落ちこむ部分でスキーをズルズルとずらし、コブのミゾにドンと落ちます。
このとき、フォールライン方向に進むスキーの惰性は、コブの受ける部分で圧力をもらい、ほとんど止まってしまうくらいに減速することができます。







◆どこでスキーを回す?
次にコブのどこでスキーを回すのかを考えてみましょう。

スキーを回すところが少し違うだけで、回しやすさが大きく変わります。

まず、スキーを回しやすいのはコブの頂点です。
コブの頂点では、スキーのトップとテールが空中に浮いている状態なので、センター部分を軸にクルクルとスキーを回すことができます。




その反対に、スキーを回しにくいのはコブの溝の中です。
溝にスキーが入った状態では、横に壁があるような形になるので、スキーを回すのは非常に困難になります。




では、実際にスキーを回す部分を見てみましょう。
スキーを回すのは下の図の赤丸の部分で、コブの頭と言うより、コブの肩と言った方が良いかもしれませんね。





◆溝の出口ではなく、肩で回す
多くのコブ初心者のかたが陥りがちなミスは、コブの肩ではなく溝の出口でスキーを回そうとしてしまうことです。

溝の出口とは、以下の図のオレンジ色の部分です。





溝の出口の部分でスキーを回そうとすると、スキーのテールが後ろの斜面に当たってしまい、スキーを回すことができません




スキーを回すタイミングは、ブーツがちょうど溝の出口にさしかかったところで回します。
このとき、スキーのトップは既に溝の外に出ていますが、テールはまだ溝にはまった状態なので、スキーを回そうとしてもテールが後ろの斜面に当たってしまい、スキーを回すことができません。

そのため、スキーを回すことができるのは、テールがコブの出口を通り抜けた後になるので、スキーを回すタイミングが遅れ、外側にふくらんだ所を通ることになります。
結果的に、スキーをずらして減速する内側の部分を通ることができず、スピードがでてしまってコースアウトしてしまいます。





※スキーのテールを引き上げて振れば、溝の出口でもスキーを回すことができます。
ただ、テールを上に引き上げて振る操作は、コブ初心者にとっては難しくて現実的ではありません。(もしこれができれば、先落しができているということなので、既にコブを滑れているはずです)


このように、溝の出口ではスキーを回しにくいため、溝の出口は通らずに、スキーを回しやすいコブの肩を通ることが重要になります。




ある程度スピードがでていれば、フォールライン方向へ進む慣性がはたらいているため、コブの溝に落ちた後に自然とコブの肩へ乗り上げるようにスキーが移動します。

ですが、コブ初心者は止まってしまうくらいの低速で滑るため、コブの溝に落ちた後にコブの肩には乗り上げるほどの勢いはなく、その後は溝の出口に向かって進んで行ってしまいます。
そして、溝の出口でスキーを回せずに、ターンがコブの外側にふくらんでしまいます。
すると、コブのバンクを通ることになり、スピードコントロールを失ってコースアウトしてしまいます。




低速で滑るコブ初心者の場合は、溝に落ちた後、スキーが自然に進んでいく方向に身をまかせてしまうと溝の出口に向かって進んでしまい、適切な早いタイミングでスキーを回せなくなってしまいます。
そのため、溝に落ちたらコブの肩に乗り上げる方向に進むのを意識的に行う必要があります







今回は以上になります。
最後に縦のラインを低速で滑る滑り方を、もう一度通して見てみましょう。

















ちょっと補足ですが、コブのラインには横のスペースが大きいラインと小さいラインがあります。
横のスペースが小さいラインでは、コブの通り道が異なってくる場合があります。
この違いについては、下記のページに記載してありますので、ご参照いただければと思います。

◆左右非対称のコブとスライド



おわり


◆目次はこちら







◆関連記事
●初心者がコブを完走できるようになるには (その2) – フォールライン方向にずらす

●初心者がコブを完走できるようになるには (その3)- 上体をフォールライン方向にキープ

●初心者がコブを完走できるようになるには (その4)- 脚のかまえ

●初心者がコブを完走できるようになるには (その5)- それではコブを滑ってみよう・前編

●初心者がコブを完走できるようになるには (その6)- それではコブを滑ってみよう・後編

●初心者がコブを完走できるようになるには (その7)- スキー板と練習するコブ斜面












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目次
INDEX

下の各項目からもご覧いただけます
コブの滑り方
■ 脚は少し曲げておく
■ 目線は重要
■ かかと加重を重視
■ スタンスと前後差
■ 基礎スキーヤーがモーグル的に滑るには
■ 吸収動作を長くキープ
■ モーグルのストックワーク (1)
■ モーグルのストックワーク (2)
■ モーグルのストックワーク (3)
■ スイッチバック
■ 背筋を伸ばす
■ 秘技!! スライド&ジャンプ
■ 吸収動作が必要なわけ
■ 吸収動作によるスピードアップ
■ 1つの動作で吸収と先落としをする
■ 吸収はヒザを意識する
■ 吸収動作による前後のバランスの調整
■ 吸収を行わない滑り方
■ 肩の逆ローテーション
■ ダブルストック
■ 縦の溝コブで減速
■ コブの溝でスキーをたわませる
■スキーの先落としと関節の動き
■吸収と伸ばしのタイミング
■ 足首の角度とポジションの関係
■ 左右非対称のコブとスライド
■ レベルによるストックワークの違い
■ スキーの先落しの角度とスピードコントロール
■ 静かなストックワーク
■ ボール状の凹みを通るライン
■ 外側の肩を下げる動きについて
■ スキーの縦の動きと練習について
■ コブ初心者 (1) どこを通る?
■ コブ初心者 (2) フォールライン方向にずらす
■ コブ初心者 (3) 上体をフォールライン方向にキープ
■ コブ初心者 (4) 脚のかまえ
■ コブ初心者 (5) それではコブを滑ってみよう・前編
■ コブ初心者 (6) それではコブを滑ってみよう・後編
■ コブ初心者 (7) スキー板と練習するコブ斜面
■ 春の巨大コブを省エネで滑る方法
■ 滑り方によって変化する谷回りと山回り
■ コブ中級者への道 (1) プロペラと逆ひねり
■ コブでおじぎを防ぐには
■ コブ中級者への道 (2) スライドする方向を変える
■ コブ中級者への道 (3) コブでスキーが開いちゃう
■ 上体を前に移動させる
■ コブ頂点のポジション
■ 基本ポジション
■ コブの滑り方で変わる前傾角度
■ 腰と下っ腹の意識
■ 先落としにトライしてみよう Part 1
■ 先落としにトライしてみよう Part 2
■ コブの衝撃に強いポジション Part 1
■ コブの衝撃に強いポジション Part 2
■ 腕の構え
■ コブで動きを止めない滑り Part1
■ コブで動きを止めない滑り Part2
■ ストックワークと腕の動き
■ コブに乗り上げていくところの脚の動き
■ コブを片足で滑ってみる
■ 重心とスキーの回転
■ パウダーとコブの共通点 Part 1
■ パウダーとコブの共通点 Part 2
■ スキーのたわみでコブから受ける衝撃をやわらげる
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