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コブやモーグルについて思ったことをダラダラとつづっています。
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これ、最近、気に入っているスキー板です。


 
Liberty Genome リバティ ゲノム 1 












Liberty Genome (リバティー ゲノム) 
 
センター幅 141mmの超極太パウダースキーです。
 
モーグルとはまったく無関係な板ですが、モーグラーのみならずスキーヤーはみんなパウダーが好きですよね、きっと。
それに、大雪が降った日は、雪に埋もれてコブは滑れません。
そんな日こそ、最高の Powder Dayです。
 
 
◆全体的な印象
扱いやすい板です。
横綱級の太さと長さで、外見は手強い板のように見えますが、意外とおとなしい板です。
 
パウダーでの安定感は抜群。
パウダーで、ちょっと雑なスキー操作をしても、さほどバランスを崩さずに滑れてしまいます。
安心感があるので、その分、攻めていけます。
 
 

長さ
長さは 194cm。
 
ゲノムには 181cm、187cm、194cmの三種類の長さがあります。
 
一般的にファットスキーの浮力は、センター幅がどれだけ太いかが主な判断基準になると思いますが、長さも同じくらい浮力に影響します
そのため、パウダー専用機と割り切るなら一番長い 194cmがベストな選択だと思います。
 
私はカービングスキーが登場する前、2mのスキーを経験しているおじさん世代なので、194cmでもそれほど長いという印象はありません。
でも、カービング世代の若い方々には、194cmの長さはかなり抵抗があるかもしれないですね。
 
実際のところは、トップとテールが反り上がったロッカー形状のため、有効エッジが短く、滑ってみるとそれほど長さは感じません。
 
 

太さ
スリーサイズは、トップ 170mm、センター 141mm、テール 156mm。
 
さて、ここで問題になってくるのが、ビンディングのブレーキの幅です。
 
サロモン、マーカー、ルックなどの一番大きいワイドブレーキの幅はだいたい 130mm位です。(2013年1月現在)
このサイズだと、センター幅141mmのゲノムには取り付けられません。
 
Liberty がチロリアに OEMで作ってもらっていると思われるビンディングは、ブレーキ幅が 150mmなんていうのもあります。
でも、取り扱っているショップは極端に少ないようです。
 
私の場合はと言いますと、サロモンの 130mmのワイドブレーキを力ずくで少し広げて、センター幅 141mmのこのスキーに装着しました。
 
ブレーキの部品をばらして、火であぶって加熱し、万力に固定して、エイヤッと言う感じで伸ばしましたが、けっこう骨の折れる作業でした。
また、メーカー規格外の作業ですので、あまり一般的にお勧めできる方法ではありません。
Liberty_Genome_5.jpg





 




パウダー専用であれば、いっそのことブレーキは取り付けずに、
スノーボードみたいにリーシュコードで脚とスキーをつなぐなんて手もありかな?と考えました。
でも、スキーを履くのに手間取ることになりそうなので、やっぱりブレーキをつけてよかったと思っています。
 
 

重さ
重いです。
心材に竹が使われていて、このサイズにしては軽くなっていますが、これだけ大きいとやっぱり重い。
幸い、滑っている時はほとんど重さは感じません。
 
重さがこたえるのは、リフトに乗っている時です。
足かけの無いリフトだと、脚が下に引っ張られているように感じます。
Liberty_Genome_2.jpg
 
 














整地
この太いスキーで、整地での性能を期待すること自体が間違っているかもしれませんね。
ところがどっこい、整地でもそこそこ滑れちゃうんですよ、これが。
 
最初はエッジがブーツの真下にないことに少し抵抗を感じましたが、すぐに慣れてしまうもんです。
サイドカーブを使ったロングターンもできるし、苦手だけとショートターンもできます。
 
これは、明らかにロッカーの恩恵でしょう。
センター部分はキャンバーになっているので、整地でもまずまず安定しています。
 
当然ですが、モーグルのような密脚では板が重なってしまいます。
おのずとワイドスタンス気味の滑り方になります。


 
 





コブ斜面
一度だけ、試にモーグルコースで使ってみました。
あたりまえですが、ぜんぜんダメです。
重いし、長いし、太いし、疲れるしで、まったく良いところはありません。
これほどコブで滑りにくい板は、めったにないと思います。
 
 

パウダー
これだけ太くて長いと、パウダーでの安定性は抜群です。
 
パウダーで大半径のロングターンができるのも、ファットスキーならではの楽しみ方です。
 

普通のスキーでは滑りづらいパウダーとはいえないような湿った重い深雪でも、難なくこなしてくれるので、深雪であれば雪質を選ばずに楽しめます。

積もった新雪の量が少ない時は、普通のスキーでは新雪の下の硬い斜面にガリッと接してしまいますが、この極太スキーは浮力があるため、下の硬いバーンに接しないで滑れてしまうことがあります。

また、普通のスキーでは潜って止まってしまうようなゆるい斜面の深雪でも、あまり沈まずに止まらずに滑れてしまいます。

このように、ある程度の量の新雪が積もれば、条件を選ばすに楽しめるのが極太ファットスキーのメリットだと思います。



スキーの切り替え
パウダーでは、スキーが雪の中に潜った状態だと、スキーの切り替えやターンの始動が難しくなります。
そこで、切り替えの際はスキーや体を浮かせて、次のターンに入るようにします。
 
パウダーでスキーを浮かせるには、主に次の2つの方法を私は意識するようにしています。
A.スキーのセンターに加重し、スキーをたわませる。
加重を解放して、スキーの戻る反動を利用して浮き上がり切り替える。
スキー板をトランポリンのようにして滑る方法ですね。
 

B. かかと加重で、スキーのトップを浮かせぎみにして滑る。
すると、滑走面に受ける抵抗でスキーが上にあがり、浮き上がったところで切り替えを行う。
 
私の場合は、「」のスキーのセンターに加重する方法を多用するので、ゲノムのような比較的ソフトな板の方が板をたわませやすくて使いやすいです。
 
それに、ここまで太い板だと、あえて浮力をかせぐ動作をしなくでも、十分すぎるくらいの浮力があります。
その分、滑走面があまり沈みこまないので、ターン時に強い遠心力を受けてしまいがちです。  
 
と、細かいことを言ってみたものの、パウダーでは滑りの技術を追求するより、楽しむことが一番。
柔らかく沈み込む感覚や、浮き上がる浮遊感など、どれだけ快感を感じ取ったかが重要。
パウダーは楽しんだもの勝ちって思います。
 
 
◆パウダー専用機の価値について
パウダーを滑れる日は、そうめったにあるものではありません。
そのめったにないパウダーのために、ファットスキーを購入する価値って本当にあるのでしょうか。
だいたい、パウダー日和が仕事が休みの日に重なるってことはなかなかないし。
 
それに、パウダーが滑れる日であっても、リフトが動き始めて2時間くらいで、ほとんどのパウダーは食い荒らされ、ただの不整地になってしまいます。
パウダーを快適に滑れるのは、一日に多くても5本くらいでしょうか。
 
でもね、スキーは本数を多く滑ることも大切だけど、少ないけど快感度の高い究極の1本を求めてもいいのではないかと思うのです
 
たとえば、私にとっては、ニュージーランドのヘリスキーの1日は、これまでの人生観を大きく変えてしまうほど感動的な体験でした。
また、富士山のてっぺんから、途方もなく広い斜面に、めちゃくちゃ大きな半径のターンを描いたことも、忘れられない一本です。
 
パウダー狙いなら、気温や湿度などのいろいろな条件のめぐり合わせにより、スキー場内でも綿雲のように軽くてスイートなパウダーにめぐりあうかもしれません。
そんな究極の快感の1本に、ファットスキーは最適なパートナーになってくれると思います。
 
 
おわり  



◆目次はこちら


























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目次
INDEX

下の各項目からもご覧いただけます
コブの滑り方
■ 脚は少し曲げておく
■ 目線は重要
■ かかと加重を重視
■ スタンスと前後差
■ 基礎スキーヤーがモーグル的に滑るには
■ 吸収動作を長くキープ
■ モーグルのストックワーク (1)
■ モーグルのストックワーク (2)
■ モーグルのストックワーク (3)
■ スイッチバック
■ 背筋を伸ばす
■ 秘技!! スライド&ジャンプ
■ 吸収動作が必要なわけ
■ 吸収動作によるスピードアップ
■ 1つの動作で吸収と先落としをする
■ 吸収はヒザを意識する
■ 吸収動作による前後のバランスの調整
■ 吸収を行わない滑り方
■ 肩の逆ローテーション
■ ダブルストック
■ 縦の溝コブで減速
■ コブの溝でスキーをたわませる
■スキーの先落としと関節の動き
■吸収と伸ばしのタイミング
■ 足首の角度とポジションの関係
■ 左右非対称のコブとスライド
■ レベルによるストックワークの違い
■ スキーの先落しの角度とスピードコントロール
■ 静かなストックワーク
■ ボール状の凹みを通るライン
■ 外側の肩を下げる動きについて
■ スキーの縦の動きと練習について
■ コブ初心者 (1) どこを通る?
■ コブ初心者 (2) フォールライン方向にずらす
■ コブ初心者 (3) 上体をフォールライン方向にキープ
■ コブ初心者 (4) 脚のかまえ
■ コブ初心者 (5) それではコブを滑ってみよう・前編
■ コブ初心者 (6) それではコブを滑ってみよう・後編
■ コブ初心者 (7) スキー板と練習するコブ斜面
■ 春の巨大コブを省エネで滑る方法
■ 滑り方によって変化する谷回りと山回り
■ コブ中級者への道 (1) プロペラと逆ひねり
■ コブでおじぎを防ぐには
■ コブ中級者への道 (2) スライドする方向を変える
■ コブ中級者への道 (3) コブでスキーが開いちゃう
■ 上体を前に移動させる
■ コブ頂点のポジション
■ 基本ポジション
■ コブの滑り方で変わる前傾角度
■ 腰と下っ腹の意識
■ 先落としにトライしてみよう Part 1
■ 先落としにトライしてみよう Part 2
■ コブの衝撃に強いポジション Part 1
■ コブの衝撃に強いポジション Part 2
■ 腕の構え
■ コブで動きを止めない滑り Part1
■ コブで動きを止めない滑り Part2
■ ストックワークと腕の動き
■ コブに乗り上げていくところの脚の動き
■ コブを片足で滑ってみる
■ 重心とスキーの回転
■ パウダーとコブの共通点 Part 1
■ パウダーとコブの共通点 Part 2
■ スキーのたわみでコブから受ける衝撃をやわらげる
■ 負の連鎖 Part 1
■ 負の連鎖 Part 2
■ 負の連鎖 Part 3
■ 負の連鎖 Part 4
■ テールジャンプ Part 1
■ テールジャンプ Part 2
■ テールジャンプ Part 3
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