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コブやモーグルについて思ったことをダラダラとつづっています。


Liberty Mutant (リバティー ミュータント)という、センター幅が 149mmの超極太スキーがあります。

極端に太いためか実際に買ってみようと思う人は少ないスキーだと思いますが、コワイもの見たさ的な興味をもっておられる方がきっと多いと思います。
今回は、このミュータントを使ってみた感想を書いてみますね。


先々シーズン(2012-13)、同じく超極太スキーである
Liberty Genome (リバティ ゲノム)で滑ってみて、パウダーの面白さを再認識しました。

ちょうしにのって、Liberty Mutant (リバティ ミュータント)をシーズン(2013-14)が始まる前に、買ってしまいました。(表面のコスメは旧カラー)


スリーサイズは、トップ 160mm、センター 149mm、テール145mm。
長さは 192cm。


滑走面の面積は、ふだん使っているモーグル用板の3倍位ありそうです。
そして特徴的なのは、トップとテールが細くなっているサーフィンのようなヘンテコリンな形状。

シーズン前は、部屋の隅に立てかけてあるこのスキー板を眺めながら
「この板でパウダー滑ったらどんな感じなんだろー」
とか思いながら、
「早く雪降らないかなぁ~」
と、秋の夜長を過ごしておりました。


さて2014シーズン、雪はたくさん降ったものの、なかなかパウダーの機会をとらえることができず、ミュータントの出番は2回だけでした。(無念…)

この板を語るにはまだ十分な滑走日数ではないかもしれませんが、以下使ってみた感想です。


◆パウダー

パウダーのことしか考えていないような太さと形状なので、当然パウダーは滑りやすいです。

浮力があるので、新雪の上をサーッと軽く滑っていきます。
あまり沈みこまないため、スピードが出てくれます。

トップとテールが細くなっているリバースサイドカーブのような形状なので、スライドターンするのかと思いきや、滑った後、斜面を見上げると、シュプールがちゃんと丸い弧を描いています。

理屈はよくわからないのですが、このサーフィンのような形状とロッカー、それに板のたわみなどの組み合わせにより、パウダーの中でスライドしながらも弧を描くターンがしやすくなっているようです。

自由度が高く、ショートターンもやりやすいですが、やっぱりロングターンが最高に気持ちイイです。

一般的なスキー板とは全く異なる形のスキーなので、一見キワモノ的な板かと思っていましたが、パウダーではとても扱いやすい板です。

形状、硬さ、長さなど、とてもバランスがとれていて、パウダーという条件では、きわめて完成度の高い板だと思います。






◆整地

整地もなんとか滑れますが、とにかく疲れます

リバースサイドカーブのような形の板ですが、実はブーツセンターの前後の
1メートル位に、申し訳程度にサイドカーブがついていて、パウダー以外での使い勝手も多少は考えられているようです。

こんな板でもサイドカーブを使って、整地でカービングターンができちゃったりします。

でも、センター幅がとても広いので、エッジを立ててもすぐにフラット方向にもどろうとする力がはたらき、ゆだんしてるとターンの途中でエッジングが外れてしまうことがよくあります。

エッジをあまり使わずに、滑走面を使ってスライドして滑ろうとすると、スキーがさらに強い力でフラットにもどろうとするので、滑っていてとにかく疲れます。

整地では、滑走面を使ってスライドして滑るより、エッジを立ててサイドカーブでターンする方が、少しは楽なように感じました。
ただ、エッジを立ててターンしていても、ちょっと力を抜くとすぐにフラットにもどってエッジが外れ、ターンが中断してしまいます。

そもそも、この板を使うのはパウダーが目的なので、整地を滑るのは「パウダー斜面への移動」または「パウダーを滑った後にリフト乗り場までの移動」になります。
そのため、整地を滑る時は気持ちが入っていない状態なので、しっかりエッジを立てて力を抜かずに滑るのは疲れるだけです。

あと、整地で気になるのは、前後のリバースサイドカーブの部分です。
一般的なサイドカーブとは反対になるので、整地でこの部分のサイドカーブに乗ると、板が予想できない動きになり、恐いです。
そのため、一般的な整地の滑り方のように、ターン前半は前寄りに加重して、ターン後半に後ろよりに加重する滑り方ではとても不安定な振る舞いをする板です。
整地では板の中心部のみに加重し、あまりスピードは出さない方が良いようです。


◆この板に適した使い方

1.パウダーが食い尽くされたらスキーを替える
パウダー専用の板なので、スキー場のパウダーが食い尽くされてしまったら、車に戻って他の板に履き替えるのが良いと思います。

上記のように、整地でこの板を使うのは疲れるし、楽しくないです。
また、パウダーが食い尽くされたボサボサの不整地は、他の板に比べればまだ滑りやすいのですが、やっぱり疲れるので、他の板に変えて整地やコブを滑ったほうが楽しいです。

朝のパウダーから始まって、その後も一日中同じ板を使うのであれば、センター幅が最大でも 120mm以下のもう少し細い板をお勧めします。


2.スキー場内で使う(バックカントリーでは不向き)
ここまで太いと、バックカントリーで使うのには難があるように思います。(注:私はこの板ではスキー場内しか滑ったことがありません)

クライミングスキン(シール)で登坂する際、斜度がある斜面はジグザクに登ります。
ジグザクに登る際は、多少なりとも斜面に対してエッジを立てる形になります。
このようにきわめて太い板だと、エッジを立てた状態をキープするのに常に力をいれておく必要があるので、無駄にエネルギーを浪費してしまいます。

それに、そもそもこの太い板に合う太さのクライミングスキンは存在しないかもしれませんね。

あと、バックカントリーは必ずしもパウダーだけとはかぎりません。
時には硬くクラストした斜面があったりするので、もう少し細い板の方が凡庸性があると思います。


◆初級者にもお勧め

「パウダーなんて無理!」と思っている初級者でも、極太スキーを使えば、パウダーを意外と簡単に滑れてしまうかもしれません。

ゲノムやミュータントのような超極太の板だと、普通の斜面を滑るような感じでパウダーを滑れてしまいます

普通の板でパウダーを滑る場合は、ちょっと後ろ気味に加重したり、上下動を大きくしたりして、浮力を得るパウダー独特の滑り方がありますが、ゲノムやミュータントの場合はその必要はありません。
整地を滑るようなポジションとスキー操作でかんたんにパウダーを滑れてしまします。

初級者や中級者が、「モーグル用のスキーを使うことでコブを上手く滑れるようになった」ということは、ほとんどないと思います。
でも、極太のファットスキーを使えば、初級者や中級者でもパウダーをけっこう簡単に滑れるようになります。

パウターは敷居が高いと思っている初級者や中級者の方は、道具の力を借りてパウダーを楽しんじゃったほうが良いと思います。


●初級者でも転びにくい
パウダーで転んでスキーが外れるとたいへんです。
スキーが雪の中に埋まってしまい、掘って見つけ出すのに30分位かかってしまうこともあります。(大抵は、転んだ場所よりだいぶ上にスキーが埋まっていることが多いです)

パウダーで多い転び方は、急なターンや止まろうとした時に、スキーの外側が引っかかって下(谷側)にこける。
あと、スキーのトップが雪に潜ってしまい、頭から前にこける。
というのが多いパターンです。

ですが、ゲノムやミュータントのような極太の板では、外側がひっかかったり、トップが雪に潜ることは、まずありません。
そのため、初級者でも転ぶことはあまりないと思います。

このような極太の板を使えば、初級者や中級者でも「反則」と思えるくらい簡単にパウダーを滑れるし、上級者ならスノーボーダーたちをごぼう抜きできちゃうと思います。


●注意する点
極太スキーの気をつける点は、滑走面が広いことによる抵抗の大きさです。

パウダーを滑っている際に、スピードを出して急斜面から緩斜面に入ったり、急激にターンしたり、ジャンブして着地する際に、体がつぶされるような大きな圧力や遠心力がかかります

普通のスキー板であれば、雪に潜ることによって圧力を分散するクッションの働きがありますが、極太スキーでは広い滑走面で圧力や遠心力を受けてしまいます。
そのため、普通のスキーでは考えられないような強い圧力が急にかかってしまうので、その点だけ注意が必要です。



◆ファットスキーの太さについて

昔、ファットスキーが出始めた初期の頃は、センター幅が 100mm以上ある板がでてきたとき、とんでもないモンスタースキーだなぁ、と驚きました。

その後、センター幅はどんどん太くなり、今となっては100mm位ではセミファットに分類されるくらいになりました。

ですが、最近では太板の増殖は行き着くところまで行って、各メーカーの一番太いモデルでもセンター幅 130mm前後に落ち着いたようです。

多くのメーカーが一番太い板でセンター幅 130mm前後にしているのは、たぶんたくさんテストしてみた結果なのだろうし、いろいろなシチュエーションでの扱いやすさを考慮すると、太くても130mm前後が良い落としどころだという結論なんだと思います。

そんななか、センター幅 141mmのゲノムと149mmのミュータントは群を抜いて太いわけですが、使ってみた印象としては両スキーともパウダー専用機として割り切れば、良く考えて設計されたとても完成度の高い板だと感じました。


◆ファットスキーの凡庸性

数あるファットスキーの中でも一番の売れ筋は、アルマダ JJ でしょうか。
アルマダ JJ は、私は使ったことはないのですが、適度な太さ(センター幅 115mm)とサイドカーブにより、パウダーのみならず整地でも滑りやすい板に仕上がっているのが人気の要因のようです。

でも、私のようなコブ好きスキーヤーは、コブも滑れることがスキーに求める凡庸性の必須項目になります。
そのため、オールラウンドな板を考えると、センター幅は太くても 100mm以下のセミファットになります。

そんなわけで、パウダー専用の板には凡庸性はいっさい求めずに、
「えーい。一番太い板にしちまえー!!」
というわけで、ゲノムやミュータントを使っています。




ゲノムとミュータントを並べてみました。


トップとテールは明らかにゲノムの方が太いです。
ミュータントはトップとテールは細くなっていますが、肩からお腹にかけてのボリューム感があります。


おわり


◆目次はこちら













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目次
INDEX

下の各項目からもご覧いただけます
コブの滑り方
■ 脚は少し曲げておく
■ 目線は重要
■ かかと加重を重視
■ スタンスと前後差
■ 基礎スキーヤーがモーグル的に滑るには
■ 吸収動作を長くキープ
■ モーグルのストックワーク (1)
■ モーグルのストックワーク (2)
■ モーグルのストックワーク (3)
■ スイッチバック
■ 背筋を伸ばす
■ 秘技!! スライド&ジャンプ
■ 吸収動作が必要なわけ
■ 吸収動作によるスピードアップ
■ 1つの動作で吸収と先落としをする
■ 吸収はヒザを意識する
■ 腰はスキーと同じ方向に向ける
■ 吸収動作による前後のバランスの調整
■ 吸収を行わない滑り方
■ 肩の逆ローテーション
■ ダブルストック
■ 縦の溝コブで減速
■ コブの溝でスキーをたわませる
■スキーの先落としと関節の動き
■吸収と伸ばしのタイミング
■ 足首の角度とポジションの関係
■ 左右非対称のコブとスライド
■ レベルによるストックワークの違い
■ スキーの先落しの角度とスピードコントロール
■ 静かなストックワーク
■ ボール状の凹みを通るライン
■ 外側の肩を下げる動きについて
■ スキーの縦の動きと練習について
■ コブ初心者 (1) どこを通る?
■ コブ初心者 (2) フォールライン方向にずらす
■ コブ初心者 (3) 上体をフォールライン方向にキープ
■ コブ初心者 (4) 脚のかまえ
■ コブ初心者 (5) それではコブを滑ってみよう・前編
■ コブ初心者 (6) それではコブを滑ってみよう・後編
■ コブ初心者 (7) スキー板と練習するコブ斜面
■ 春の巨大コブを省エネで滑る方法
■ 滑り方によって変化する谷回りと山回り
■ コブ中級者への道 (1) プロペラと逆ひねり
■ コブでおじぎを防ぐには
■ コブ中級者への道 (2) スライドする方向を変える
■ コブ中級者への道 (3) コブでスキーが開いちゃう
■ 上体を前に移動させる
■ コブ頂点のポジション
■ 基本ポジション
■ コブの滑り方で変わる前傾角度
■ 腰と下っ腹の意識
■ 先落としにトライしてみよう Part 1
■ 先落としにトライしてみよう Part 2
■ コブの衝撃に強いポジション Part 1
■ コブの衝撃に強いポジション Part 2
■ 腕の構え
■ コブで動きを止めない滑り Part1
■ コブで動きを止めない滑り Part2
■ ストックワークと腕の動き
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